EU、米研究者の欧州移住支援へ トランプ政権下での流出に好機
【ブリュッセル=辻隆史】欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は29日、トランプ米政権下で米国を離れようとする研究者を念頭に、欧州への移住を支援する政策を検討すると表明した。EU域内に呼び込み、技術革新の好機としたい考えを示した。
EUの立法機関、欧州議会の最大政党である欧州人民党(EPP)の会合で演説した。「私たちの大学での議論は歓迎され、科学と研究の自由は尊重される。卓越性と技術革新...
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(更新)- 石原純インペリアルカレッジロンドン 講師貴重な体験談
今アメリカに行って色々な研究者と話してきました。異口同音に研究費カットによる若い世代への影響を危惧していると言っています。 しかしながら、アメリカはさすがアメリカで、いまだかつてない規模でのサイエンスへの寄付が集まっているようです。 ヨーロッパもアメリカから来た研究者が移籍した後に後悔しないように努力する必要があります。研究者の移籍は、お金だけ準備すれば良いわけではないからです。
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(更新) - 神武直彦慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授別の視点
米国の研究力が今後数年で大きく衰退するかというと、これまで蓄積した知見や人材の質と量を考えると大打撃には至らないと思いますが、ある意味、一極集中のところもあった研究の拠点が世界に分散するということでは良い効果をもたらすこともあると思います。ただ、研究倫理ということで考えると、これからの人類、そして地球にとって良いことを適切に行える環境に研究者が分散していくということが重要で、日本やアジアに関係のある研究者、また、物理的にその地域で研究をすることに価値やメリットがある研究者も少なくないでしょうから、日本も欧州の移住支援のような政策を日本の戦略に合わせて設計し、推進していくべきだと考えます。
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(更新) - 岩間陽子政策研究大学院大学 政策研究科 教授ひとこと解説
日本も当然チャンスだと思います。まず、いつビザを取り消されるか分からない外国籍の博士課程学生や若手研究者がいるでしょうし、奨学金を取り消された学生もたくさんいるはずです(個人的に奨学金を取り消された日本人が周囲に何人もいますので、世界的に見ればすごい数のはずです)。さらに職を奪われた研究者もいますから、日本のソフトパワー向上にまたとないチャンスだと思います。
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(更新) - 詫摩佳代慶應義塾大学法学部教授分析・考察
仏マクロン大統領は今月初め、Choose France for Scienceというプラットフォームを発表しました。これは健康、気候変動などを専門とする海外の研究者たち受け入れを促進するプロジェクトで、研究のための資金供与も含まれます。このように、欧州各国は米国人研究者たちに様々な形で手を差し伸べていますが、これは学問の自由を擁護しようという意思表明でもあります。加えて、米国の優秀な頭脳を獲得することもできます。優秀な人材は国力を支える大きな要素でもありますので、このようにして米国で頭脳流出が進めば、米国のパワーへの打撃は不可避ではないでしょうか。
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(更新) - 柯 隆東京財団政策研究所 主席研究員ひとこと解説
第二次世界大戦のとき、ナチスの迫害を逃れるために、ユダヤ人科学者はアメリカへ亡命した。今、トランプ政権への不満を理由に、科学者はヨーロッパへ「亡命」。まるで皮肉なことである。マーケットはトランプにノーといっている。世界もトランプにノーといっている。アメリカは再び偉大な国になれるのだろうか。このままでは、アメリカは孤立する可能性が高い
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