大型連休を前にオープンした一関市大東町の「道の駅だいとう」に早速山菜が並び始めた。代々育んできた豊かな広葉樹林が広がり、「山菜の宝庫」と名をはせた同町だが、2011年の東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染され、大打撃を受けた。事故から14年余りを経た今は多くの品目で出荷制限が解除されているほか、官民挙げた徹底的な検査も行い安全性は万全。新たな道の駅開業を機に新規参入者も現れ、地域は産地再生に向けて羽ばたこうとしている。
「肉厚で、煮ても炒めても最高にうまいよ」。同市大東町曽慶の須藤健次さん(72)は24日朝、掘りたてのモウソウチクのタケノコを売り場に並べた。これまでは自家消費だけだったが、17日の道の駅開業を機に産直への出荷に挑戦した。
前日に自主検査として県一関農林振興センターに検体を持ち込み、1キログラム当たり100ベクレル以下の基準をパス。「初めてで分からないことばかりだが、皆に助けてもらっている。7月ごろまで出し続けられるよう頑張りたい」と初出荷に期待を膨らませた。