今春に“政敵”が事実上の降格

 醜聞が相次ぎ、窮地に立たされているように見える大津氏。だが、その大津氏が今回、理事長の権限を最大限に利用して反撃に出たというのだ。前出の国循幹部が打ち明ける。

「4月1日付の人事異動で、大津氏が“政敵”を降格させたのです」

 その人物は、序列でいえば国循ナンバー3にあたる飯原弘二病院長(62)だ。

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「飯原氏の任期は今年3月末まで。通常、病院長経験者は理事長に昇格するか、定年退職する。しかし飯原氏はまだ定年を迎えていないにもかかわらず、再任されることもなく、兼任していた別のポストだけを任されることになった。これは事実上の降格人事と見られています」(同前)

新任は論文不正を告発された人物

 じつは、もともと理事長就任が確実視されていたのは飯原氏だった。

「大津氏が21年に理事長に就任した際、国循から理事長に相応しい人物として厚労省に推挙されたのは、大津氏ではなく飯原氏だったのです。しかし結局、厚労省内でひっくり返され、閣議決定により理事長は大津氏に。これは、大津氏と同じ大阪大出身の元厚労技官が省内で強く働きかけた結果の人事だと囁かれています。この元技官はその後、国循の理事長特命補佐に就任。国循にはめったに来ないのに個室があてがわれ、リモート会議に参加するたびに日当が支払われている」(同前)

 さらに、ナンバー2の望月直樹研究所長も3月末で定年退職。大津氏にとって、この2人は“目の上のたんこぶ”だったという。

「大津氏の不祥事がネットメディアに取り上げられた際、大津氏はこの2人が裏で糸を引いているのではないかと疑っていました。政敵と目された2人に代わって、4月から新しく就任した研究所長と病院長は、いずれも大津氏と同様、論文不正が指摘されて文科省や厚労省に告発された人物でもあります」(同前)

10日間で3人の女性と…

「大津氏が理事長に相応しいとは思えません」

 一連の人事について、国循幹部OBは語る。

「これまでの実績を鑑みても、病院長の異動は明らかにおかしい。研究所長も定年とはいえ、実績からすれば慰留されてもおかしくない人材です」

 パパ活写真や降格人事について大津氏に見解を尋ねるべく携帯を鳴らし、ショートメールも送ったが、応答はなし。国循を通して尋ねても、期日までに回答はなかった。前出の幹部OBが嘆息する。

「国循でこれだけの混乱は、過去に見たことがありません。全国の名だたる医療機関の上層部からも呆れられています。自身の不祥事も明らかになっている以上、大津氏が理事長に相応しいとは思えません」

 ドロ沼内紛の終わりはまだ見えない。