平屋振興会が南丹市から譲渡を受ける方針となった旧平屋小(同市美山町)

平屋振興会が南丹市から譲渡を受ける方針となった旧平屋小(同市美山町)

アート活動の拠点としてにぎわってきたが、3月末で閉鎖した旧五ケ荘小(南丹市日吉町)

アート活動の拠点としてにぎわってきたが、3月末で閉鎖した旧五ケ荘小(南丹市日吉町)

 京都府南丹市内で地域活性化の拠点だった旧10小学校。地域住民による活用が市方針で3月末で終わり、各校の対応が分かれた。旧平屋小(美山町)は指定管理者だった振興会が市から譲渡を受け、障害福祉サービス事業所と連携して維持する。旧五ケ荘小(日吉町)は老朽化でやむなく返還し、市が新たな活用策を探る。経過措置を使う学校もあるが、いずれも地域の核となる施設を未来につなげないかと苦心している。

 市は旧小学校を閉校から約10年は地域で活用するとし、直接管理や住民組織の指定管理としてきた。祭りやサークルの拠点だったが、市は各地域に対し、施設を市に返すか引き取るかを求めた。

 旧平屋小を指定管理する平屋振興会は、校舎と校庭を譲り受ける方針。障害者の就労継続支援などで以前から入居している一般社団法人「あゆみ会」に今後も利用してもらい、将来的に譲渡する構想という。

 法人施設となっても空いている場所は行事で借りられる協力関係とし、地域拠点の性質も残す。市総務課によると、一度市に返還されるが、市議会で議決を得れば、振興会に無償譲渡する見込み。

 だが、老朽化が懸念される体育館は修繕費を負担できず、振興会は引き取らない。避難所のため、当面は市が維持し開放される方針だが、避難所の再編が進んでおり、先は見通せない。スポーツ利用は多く、平井隆会長(66)は「老朽化が進むまで使えるよう要望したい」と話す。

 一方、旧五ケ荘小は3月末で閉鎖した。17年から「住みよいむらづくり協議会」が指定管理をしてきた。教室を芸術家にアトリエとして貸した縁で芸術祭が開かれ、関係人口を得る契機となった。

 だが、教室棟や管理棟は築60~70年ほど。老朽化や耐震性不足で維持困難とし、返還を決め、屋台や音楽ステージが並ぶ「森のマーケット」で花道を飾った。

 市は民間譲渡を模索し、26年度に活用事業者を公募する予定。協議会の上原文和会長(70)は「残念だが仕方ない」。思い出の学校が「幽霊屋敷のようにならないように」と、活用を願う。体育館は平屋と同様、避難所として当面残る。

 美山町の旧鶴ケ岡小も返還される。同町の旧大野小はレジャー施設、園部町の旧川辺小は明治国際医療大のキャンパスになる方針。

 園部町の旧西本梅、摩気小、八木町の旧新庄、吉富小、美山町の旧知井小は、利用を2年延ばす経過措置を地元が選んだが、指定管理料がなくなるなど市の支援は減る。

 五ケ荘と同様、公募に向けたニーズ調査が始まった学校もあるが、立地などに課題を抱える施設が多い。人口減の中、住民の意向に応えながら、新たな拠点を速やかに整えることが求められる。