今回挑戦するのは、数学によく出てくる「文字式の展開」です。
数学が苦手だった人、久しぶりに計算する人にとってはちょっと難しく感じるかもしれませんが、クイズ感覚でぜひ一度挑戦してみてください。
問題
次の式を展開しなさい。
(x+2)(x+8)
※「展開」とは、積(掛け算)の式の( )を外して、和(足し算)の形にすることです。文字式では掛け算の×記号は省略するので、(x+2)(x+8)は(x+2)×(x+8)という積の式を表しています。
解答
正解は、「x^2+10x+16」です。
どうやって答えを出せばよいか、思い出せたでしょうか?
次の「ポイント」で、答えの出し方を解説していきますので、ぜひご覧ください。
ポイント
今回の問題では、「乗法公式を利用すること」がポイントになります。
乗法公式とは、式を展開するために使われる公式です。乗法公式にはいくつかの種類がありますが、今回使うのはその中でも基本中の基本ともいえる次の形の公式です。
(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
※abはa×bのこと
この式のaに2、bに8を当てはめると、今回の問題の式になります。
(x+2)(x+8)
=x^2+(2+8)x+2×8
=x^2+10x+16
これで答えが出ましたね。
【おまけ】乗法公式の成り立ち
乗法公式が成り立つ背景には、分配法則があります。
分配法則とは、「二つの数を足してからある数を掛けること」と「二つの数にある数を掛けてから足すこと」は同じであるという法則です。
<分配法則>
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■
まずは分配法則の上の式「(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇」をみてください。(x+a)(x+b)の(x+b)を〇とみなして、式を展開していきます。
(x+a)(x+b)
=x(x+b)+a(x+b)
次に分配法則の下の式「〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■」を使って残りの( )を展開します。
x(x+b)+a(x+b)
=x^2+bx+ax+ab
=x^2+(a+b)x+ab ←ax+bxをまとめて表現した
これで、乗法公式が成り立つ理由が分かりましたね。
乗法公式を丸暗記しているだけだと、記憶があいまいになったときにつまづいてしまう可能性が高くなります。乗法公式はその形だけでなく、どうして成り立つのかも含めて暗記することをおすすめします。
まとめ
今回の問題では、乗法公式を使って式を展開しました。
この記事で紹介した乗法公式は、他の乗法公式の基礎となる重要なものです。式の展開をする問題では欠かせない存在なのでぜひ覚えておきましょう。
また、形をど忘れしてしまったときのためにも、乗法公式の左辺から右辺への変形が自力でできるようにしておくと安心です(分配法則を使えば、変形は難しくありませんよ)。
乗法公式の形は難しく感じるかもしれませんが、どんどん使うことで自然に覚えていきますよ。ぜひ、さまざまな問題にチャレンジして乗法公式を使う練習をしてみましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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