突然のお便り失礼します。大阪市在住の四十代の女性です。現在は大阪市で一人住まいしていますが、実家は京都府で、京都新聞を購読しています。故・蜷川虎三府知事に因んでわたしの「マミ」という名前を付けた母から「割とリベラル」と聞いています 笑
昨今の誹謗中傷問題に関して、わたしを取材していただけないでしょうか(対象外の場合はわざわざのご返信は不要ですので、ご放念下さい)。
念のため、同じ内容の文面をこれから封書で御社宛に送ります。数日後に届くと思います。
【経緯】
吉本興業所属のある芸能人に対する名誉毀損で本人と事務所から刑事告訴され、今年の二月、深夜の家宅捜索を受けました。内容は、その芸能人が同じく吉本興業所属の共演者を妊娠させ、結婚したことに関し、「避妊しないことは性暴力」「××××は性加害者」という文言をXのアカウント名に入れて数ヶ月間拡散したというものです。
この四月、検察の事情聴取があり、検察官はわたしの気持ちや状況を酌んでくれながらも、数年前に別人への名誉毀損の前歴があったため、四月十八日、略式起訴の提案に到りました。ご存じのことと思いますが、「提案」というのは略式起訴は拒否ができるからです。拒否すると公開の法廷で正式裁判を受けることになります。「避妊しないことは性暴力」という発言の正当性を主張して弁護士を立てて争い、社会的議論を喚起することも考えましたが、今は断念し、略式起訴を受諾することにしました。
【被害者の心境・状況への想像】
実際、彼自身も苦しかったと思います。仕事仲間との私的な飲み会でおもしろ半分に告白させられ、「泥酔していてその時の記憶がない」とインタビューではっきり語っています。デートの約束を「させられ」、「間違って」妊娠させてしまった結果の「Noと言えない状況からの結婚」を元のファンに苛烈に批判されて、「家族(妻子)のために」、事務所と弁護士に言われてそのファンに法的措置を取らなければならなかったとは、何という皮肉でしょうか。
送検が終わり、検察の呼び出しを待っていたこの四月に、彼と偶然出会って話す機会があり、これらの言葉の一部を本人の口から聞くことができました。
【わたしの状況】
略式起訴されれば十万~数十万円の罰金を国に支払い、前科が付いて終了となりますが、事務所のやり方(マネジメント不足も含め)には納得できないものを感じるので、このエピソードをこれからの市民運動、政治活動、言論・表現活動に活かしていきたいと思います。それが結局、彼自身のためにもなるような気がするのです。
実家の家族には詳細は話しておらず、「一度ならず二度までも人様の悪口を書いて警察沙汰になった」「ついに起訴されて前科が付く」ということで関係が大変悪化しています。
友人知人は警察署について来てくれたり、救援会や弁護士に相談するよう助言してくれたり、ただ話を聞いて慰めてくれたり、「もっとひどい誹謗中傷があるのにそんなことでいきなり強制捜査とは」「その芸人も事務所も悪い」と怒ってくれたりします。
【どのような活動に活かすのか】
例えば、この四月から始めた名誉毀損罪・侮辱罪の非親告罪化を求める署名活動の要請文にこのエピソードを織りこみ、加害者の視点からの注意喚起もしています。詳しい趣旨についてはリンク先をご覧下さい。
「天国の竹内英明さんと、言葉の暴力によっていのちを落とした全ての人へ~名誉毀損・侮辱の非親告罪化を、極めて悪質なケースに限定して実現してください!」
chng.it/58y8gcBMh4
いまいち賛同が集まりにくく、この署名だけでも拡散していただけると幸いです。
【兵庫県問題、誹謗中傷、斎藤・立花両氏への思い】
ブログ記事に簡潔にまとめています。よろしければご覧下さい。
ameblo.jp/xingling7/entr…
竹内英明さんへの深刻な誹謗中傷があった三月八日の夜、わたしも現地の梅田にいて、その言葉を生で聞きました。
【補足】
以上が事件の概要で、「言論の自由と誹謗中傷問題」に焦点を当てた文脈ですが、
・吉本興業と性暴力、ハラスメント
・吉本興業と警察権力(大阪府警、その背後にいるローカル政権与党たる維新)
といった側面から問題を考察することもできます。
ただの「マイナー芸能人の下半身スキャンダル」「ファンとの痴情のもつれ」で片づけられない問題であるのは確かです(吉本他一部勢力がその辺に矮小化させたいのはわかりますが)。検察官でさえ「それは吉本新喜劇の問題だ」と呟いていましたから。
では、ご縁があることをお祈りしております。
大阪市西成区 名倉マミ
080-6121-3820
amashibu@gmail.com