昔懐かしい木造校舎で郷土食をつくる、味わう 茨城・大子町「大子おやき学校」

「昭和」の足跡

妻や孫娘とおやき作り

学校の運営は、令和3年から町の外郭団体である大子町振興公社へ移管され、おやきの製造は機械化された。現在、施設内では7種の具のおやき(200~230円)が販売されている。一番人気の具材は、地元で栽培された野沢菜という。

設立時からのスタッフ、佐藤春美さん(68)らが指導するおやき体験教室(大人1000円、小学生以下700円)も人気だ。水戸市の男性(72)は「昔の学校の雰囲気も知ってほしかった」と妻とともに孫娘を連れて来校し、おやき作りを楽しんでいた。

校内では、おやき作り体験も楽しめる=茨城県大子町(三浦馨撮影)
校内では、おやき作り体験も楽しめる=茨城県大子町(三浦馨撮影)

土日と祝日に営業するカフェでは、「昭和の学校給食」(各1200円)なども提供。おやき学校の塚田雅徳支配人(50)は「『これがお父さんの時代の給食だよ』と話が盛り上がる。ぜひ家族でお越しを」と呼びかける。

建物は平成30年、当初の学校建築の形式を残している点などが評価され、国登録有形文化財(歴史的建造物)になった。卒業生の小泉さんは「あの施設が残ったおかげで、地域へ県内外から人が来てくれる。ありがたい」と感謝する。

(三浦馨)

■ガイド 茨城県大子町槙野地。車の場合、常磐道那珂ICから国道118号を大子町方面へ。鉄道の場合はJR水郡線常陸大子駅で下車し、タクシーが便利。観光客も使えるAI乗り合いタクシーやカーシェアリングもある。大子おやき学校の営業時間は、午前9時~午後5時(冬季は午後4時)。水曜定休。おやき体験教室は2日前までの予約を。問い合わせは同校(0295・78・0500)。

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