スパロボNEO参戦記念小説「コスプレダンスで誰でもフィーバーマシーン(ドンマルハゲ印)
ラ「『NG騎士ラムネ&40』スパロボNEO参戦記念!
ついに、勇者ラムネス復か~っつ~!
俺は今、猛烈にスパロボにハマっている~っ!
いやー、いいよねぇ、スパロボ参戦。
本編放送から数えると、何年ぶりの復活だろう?
結構、扱いもいいみたいだし、リューナイトと一緒に参戦と言うのも泣かせるねえ、うん!
さて、いつまでもスパロボの話ばっかりしても仕方ないから本題に移ろうと思う。
ところで、みんな、NG騎士ラムネ&40DXを覚えてるかな?。
これは、あれから半年後に起こった大事件!
ある日、自分の部屋の机の引き出しの中から、ひょっこり現れたダ・サイダー。
どうやら、次の休日にドキドキスペースを旅行に行かないかと俺を誘いに来たらしい。
そんな時、タイミングよく、ヤマヤマツーリストという旅行会社から、ツインマウンテンというキャンプ地の宣伝DMが俺のうちに届いた。
宣伝文句に『自然が豊かで食べ物が美味しい場所』だと書いてあったって事で、ミルクが「行きたい行きたい!」と、物凄い大興奮でおねだりした事もあり、俺達はいつもの5人はヤマヤマワールドのツインマウンテンという山で、キャンプをする事になった。」
ミ「ラムネスだって、ヤマヤマ小町の記事見て、美女の産地だってはしゃいでたじゃないのさ。」
ラ「ところが、ところが、ところが!」
ミ「無視するなー!」
ラ「道中、傷だらけになった行き倒れの登山者に出会った俺達は、彼からとんでもない情報を聞かされてしまう。
なんと、妖しい2人の巫女が、妖神の復活を企みヤマヤマワールドのツインマウンテンの頂上で邪悪な祈りを捧げているらしいのだ
妖しい巫女と言えばマウンテン姉妹しかいない!
妖神といえばゴブーリキしかない! これ、常識、テストに出るよ!
情報を聞いた俺達は、急遽バカンスを取りやめ、ゴブーリキの復活を阻止するために山の頂上に向かうのであった。
うおおおっ!
久々の戦いの予感に、勇者の血が騒ぐぜえ!
ゴブーリキと聞けばもうやるしかない!
待ってろ、マウンテン姉妹! ゴブーリキなんて、絶対に復活させないぞ!
俺は今、猛烈に熱血しているぅ!」
と、いうわけで細かい事はざざっと飛ばして、ツインマウンテン頂上。
邪悪な祭殿の前で、マウンテン姉妹と対峙するは伝説の勇者達。
「お前らの陰謀はそこまでだぜ、マウンテン姉妹!」
まるで、某逆○裁判のように、ビシッと指差しをするラムネス。
「ようやく現れたわね。スットコ勇者達。」
不適に笑うゴールド。
「と、いうよりもぉ。
『引っかかってくれたら手間が省けてラッキー』って感じにさり気なく出したトラップDMに引っかかってノコノコと、言った方が正しいかしら?」
半ば呆れ顔のシルバー。
しかし、勇者達は燃えていた。
悪の巫女を倒すために。
そして、大勢のファンの前でかっこいいところをアピールするために。
わらわらと周囲に沸くギャラリーたち。
どうやら、登山中に伝説の勇者の姿を見つけて、いてもたってもいられなくなって後をつけてきたらしい。
中には、勇者2人や、3姉妹にサインをねだるファンたちもいたほど。
「勇者ラムネスかっこいい、サインください!」
「きゃー、ダ・サイダー様、抱いて~!」
「ミルク姫は俺のもんだー!」
「ココア姫、メガネ掛けてる君も素敵だよ~!」
「カフェオレ姫、僕を罵って、いたぶって~!」
いつものアニメなら、放送時間開始から15分ほど経って、これからバトル開始という段階だろうか?
悪の2人組と戦って、世界の平和を守る。
そして、その様子を伝説の勇者のかっこよさをヤマヤマワールドの観光客に見せ付ける!
まさに、燃えるシチュエーションだった。
「お前らの野望は、俺の、キングスカッシャーが打ち砕いてやる!」
「俺様のクイーンサイダロンが、お前らの野望など、打ち砕いてくれるわ!」
ビリビリと、視線が火花を散らしている。
主に、ラムネスと、ダ・サイダーが。
互いに睨みあって
「引っ込めダ・サイダー! あいつらは、俺のキングスカッシャーが打ち砕くの!」
「黙れ青二才! 俺様のクイーンサイダロンが打ち砕くにキマットルだろうが!
その後、俺様の活躍によりヤマヤマワールドの頂上に俺様の銅像が立ち、見事、旅行情報誌の表紙を飾るのだ!」
「お前のキモい像のせいで、その雑誌の売り上げが落ちたらどうするんだよ? 守護騎士1体しか持ってないくせに!」
「何をぉ? 真ん中くらいのページにおまけでチョコンと小さく掲載される貴様よりはマシだあ! 守護騎士1体だけじゃ、自身が無いから地震が怖いから、数ばっか揃えてるんだろ? このヘタレ勇者が! ちなみに、これは焼肉のヘタレ黄金の味。」
ケンカの時でもダジャレを忘れない、さすがはダ・サイダーだ。
それにしても、なんて悪循環なんだろうか。
片方の煽りにもう片方が切れ、切れた側の暴言で、煽った方が切れる負のループ。
次第に高まる互いの怒りの感情は、今すぐにもはちきれそうなくらい。
まさに、一触即発の状況である。
「なにー!」
「やるか?」
勇者2人の争いは最早、つかみ合いのケンカに発展しつつある。
もちろん、金銀姉妹をガン無視だった。
「お姉さま、なんか、凄く無視されてるような」
「この屈辱は、後で絶対に晴らすぅぅぅ……。」
当然、とてつもない怒りのあまり、拳を、そして言葉を震わせていた。
周囲では、勇者に憧れてやってきた観衆は、そのダメダメっぷりにぽか~んと口を開け呆然としていた。
「あれが勇者か?」
「なんか、親近感があるのは何故だろう?」
「ねえママ、ご本に書いてあるラムネスと違うよ?」
まあ、一部では
「ムキになるラムネス様かわいい。」
「そんなダー様こそ素敵。」
勇者達のそんな、親しみやすい(笑)キャラまで愛している盲目的なファンもいたが。
聖なる3姉妹は、呆れていた。
「ケンカしてる場合じゃないでしょ? 早く終わらせて、カレー食べないと冷めちゃうわ!」
ミルクは、お腹をぐ~と鳴らして。
「あの~、ゆっくりしている場合じゃあ、ありませんことよぉ~。」
ココアは、ゆっくりしながら。
「何、観衆の前で恥ばらまいてるのよ! アララ国の評判が落ちちゃうじゃないの! このままじゃ株価がぁ!」
レスカは、勇者の評判が落ちた後のアララ国を案じて。
だが、安心しろレスカ!
むしろ、原作ファンの評価は上がってるぞ!
観衆の前でついつい、いつもの地を晒してしまった勇者2人。
だが、レスカの『観衆』の一言で、勇者達は我に帰る。
「そうだ、今日は大勢の人が俺達を見ててくれてるんだ。
恥かしい事なんてできないよな、ダ・サイダー君!」
「ああ、2人で協力して、熱い友情の力で力を合わせて戦おう、ラムネス君!」
観衆を意識した途端、ビシッとしたかっこいい勇者スタイルに戻った。
さっきのケンカなんて、全く無かったかのごとく。
なんとも、わかりやすい2人である。
勇者2人は、未だかつてないくらいのやる気を見せていた。
まさに、今日こそが、彼ら史上最高のモチベーション。
一体、何が2人を熱くさせるのか!
「スパロボNEOで、一番かっこいいのは、」
「スパロボNEOで、一番かっクイーンのは、」
どうやら、スパロボ参戦記念に、観衆たちにかっこいい姿を見せたいらしい。
なんとも、わかりやすい勇者2人だった。
「俺のキングスカッシャーだあああああああ」
「クイーンサイダロンだああああああああ!!」
「カレー、カレー!」
「ゆっくり、ゆっくり!」
「評判、株価!」
なんというか、メイン5人全員の視界に、マウンテン姉妹が入っていなかった。
揃いも揃って、目の前のザコをとっとと倒して、夕食を、キャンプファイヤーを楽しむ気、満々だった。
もちろん、観衆も。
「へへっ、どうだ。 守護騎士の活躍を撮る為に、最新式のビデオカメラ買ったんだ。」
「俺は、携帯電話さ!」
「パパ、キングスカッシャーを格好良く撮ってね!」
「ああ、勿論だ。」
誰一人、マウンテン姉妹を見ている物がいなかった。
なんとも、コケにされすぎ。 まさに主役を引き立てる噛ませ犬であり、負けて客を喜ばすためのピエロであった。
だが、いつまでもコケにされてるマウンテン姉妹では無かった。
「うぐぐ、まるで、最初から向こうの勝ちが決まっているみたいな空気。お姉さま、奴ら全員皆殺しにしましょう。」
「わしを怒らせたらどうなるか、思い知らせたる……。」
まあ、当たり前だ。
人間、あそこまでプライドを傷つけられたら普通は怒る。
気性の激しい悪の巫女となれば、尚更である。
マウンテン姉妹は、くすくすと邪悪に笑い始める。
周囲の浮かれた空気を、吹き飛ばすような冷たい笑い声だった。
「うふふふふ、くすくすくす。なんて目立ちたがりだこと。
どうやら、あなたたち、大勢の観衆に目立って最高の気分みたいね。
こっちの気も知らずに、くすくすくす。」
美人悪役姉妹で、ハルマゲ軍団の中に一時はファンクラブも出来ていた2人だからこそ、自分達より目立つ物は許せない。
そんな嫉妬の込められた笑い声だった。
「どうせだから、この際、もっともっと、目立ってみない?
大観衆の前で、お立ち台で踊ってみない? それも、物凄く際どくって、物凄くやらし~いピチピチボディコン姿で。
もう、最高の気分よぉ?」
妖艶に腰を振りながら、勇者達を挑発するマウンテン姉妹。
対する勇者達の反応は醒めていた。
「ボディコン? ちっちっち、古いよ君達いつまで80年代引きずってるんだい?
今は、メイド服の時代だぜ。」
と、メイド服を薦めるラムネス。
「うん、俺様的には十分ありなんだけどね、うん。
いや~、同じ露出のある服なら、スクール水着の方が俺様の好みだったりするわけよ。」
スクール水着の方が好みと言い張るダ・サイダー。
全く、だらしない勇者達である。
「そんな事より、カレーライスのために戦いなさい、バカラムネス!」
「ミルク~、冷めてもまた、暖めなおせばいいじゃあないですか~。」
「カレーは良くても、ご飯硬くなるのはやだ!」
「こらぁ、あんた達! 真面目にやりなさい!
あんたら勇者は、アララ国の看板、シンボルと言っても過言じゃないのよ。
だから評判下げるんじゃない! 今のアララ国は、不況がぁ! 経済が大変なのよ!」
3姉妹も、どこか緊張感に欠けていた。
そんな時、勇者ファンの娘が、こっそりメイド服、スクール水着とメモしていた。
自分が着るのか、それとも着せた姿を妄想するのか、イマイチわかりにくいが。
もう、無視される事にすっかり慣れたマウンテン姉妹。
冷静に、ドンハルマゲ印のリモコンを懐から取り出す。
それには、アルファベット26文字のボタンと、SHIFTやENTERなどと書かれたキーがついていた。
まるで、パソコンのキーボードのようである。
「これは、ドンハルマゲ様印のアイテム『コスプレダンスで誰でもフィーバーマシーン』のリモコンよ。
このリモコンを向けられたが、最期。あなた達は、雨が降ろうと地震が起きようと。
親が死んでもコスプレダンスで、フィーバーしちゃうの!」
「着せたいコスチュームと、踊らせたい振り付けを設定して、ENTERキーを押す事で誰でもコスプレダンサーに大変身!
まあ、ハルマゲ様が何故このような物を開発したのかは、敢えて聞かないようにするけど、今の状況にはぴったりのアイテムよぉ!」
「あなたたちのための最高の舞台。」
「私達が用意してあげるっ!」
その時、ようやくマウンテン姉妹が何か言ってる事に気づく、勇者達。
「何を企んでいたか知らないが!」
「俺達は負けないぜ!」
どうやら、マウンテン姉妹の説明を、全く聞いてなかったようである。
「カレー!」
「経済!」
ミルクも、レスカも同様だった。全くの緊張感0。
しかし、ココアだけは、辛うじて聞いていたようだ。
「お言葉ですがぁ~、今時フィーバーはさすがに時代遅れか~とぉ~?」
そう、辛うじて。
ココア的には、親切心で言った悪気の無い言葉だった。
しかし、悪気無しに言った無垢の言葉が、何よりも辛く、深くマウンテン姉妹に突き刺さる。
「うふふ、どうやら、最初のターゲットはあなたに決まりね。」
「そうねえ、あなたと、レスカ。あんた達2人は、ボディコン姿でフィーバーさせてあげる!」
姉妹の前での暴言。
それは、今から始まるダンスショーの最初の主役を、ココアに決定付けた。
ついでに、レスカも勇者の経済効果ばっかり考えてうざいので。
「ターゲットロックオン! 対象はココアとレスカ! コスチューム『ボディコン』、ダンステーマは『お色気』!」
「発射ぁっ!」
ENTERキーを押した途端、リモコンから音符型のビームが飛び出す。
ココア、そしてレスカに直撃する。
びびびっ!
「「きゃああああああ」」
その瞬間だった。
観衆の歓喜の声が巻き起こる。
何故なら、ココアとレスカの衣服が一瞬にして、艶かしいボディコン姿に変わったからだった。
「何、この服?」
「わたくし、嫌、恥ずかしいですわ~。」
ついさっきまで、2人とも山登り用に長ズボン姿だったと言う事もあり、急に露出が増えたというギャップにより、周りにいる男性陣ほぼ全てが鼻血を噴き出す。
ココアは青、レスカは赤、共に、キャラのイメージに合った色ではあるものの、とても派手な原色の衣装。
レスカはともかく、ココアの場合は、絶対着ないような配色だった。
2人のムチムチとした体の線に合わせて作られた衣装は、ピッチリと肌に貼り付いているかのように包み込み、セクシーな体のラインをそのままむき出しにしていた。
加えて、目元には、濃い赤、青のアイシャドウが妖艶に施されていた。
口元にも、同色で原色のルージュが妖しげに光っている。
レスカはともかく、ココアは、生まれて一度もこんな品の無い淫らな厚化粧をしたことは無いだろう。
加えて、2人はそれぞれのイメージカラーのジュリ扇を右手に持っていた。
ミニスカボディコンだからこそ、魅力がわかるスラッと伸びた足の先には、カカトの高いピンヒール。
長くて細く、そして獰猛な獣の牙のように、禍々しく鋭く伸びていた。
これは、折れそうな細さを心配するよりよりも、鋭いヒールが突き刺さる事を心配した方がいい。
うっかり踏まれると、大怪我する事間違いなし。
それもまた、赤と青だった。
「お姉さまが、いきなりイケイケのボディコン姿に?」
「おお、なんか知らんが猛烈にエロイぞ。」
「ラッキー!そしてこれはクッキー!」
さて、その頃観衆の皆さんはどうだろうか?
ざわついていた。
「やだあ。」
恥ずかしそうに目を伏せる女性。
「いいカメラ持ってきてよかったな」
と、喜ぶ男性。
まさに、十人十色の反応を見せていた
「見るなよ、バカ!」
「見ないでくださいまし~。」
「おほほほほ、驚くのはまだ早いわ。」
「ミュージック、スタート!」
どこかから、ハイテンポなテクノミュージックが流れてくる。
その時だった。
ココア、レスカが、うねうねくねくねと悩ましく腰を振り出したのは。
「な、なんでですの? いや、やめて~、腰が勝手に~。」
「私も、体が…勝手に…。」
ココアも、レスカも右手のジュリ扇を優雅に振りながら、左手を腰に当て、大勢の観客に見せ付けるように
いやらしく、くねる。
しなやかに、くねる。
くねる!
くねる!
くねる!
その扇情的な姿は、まるでオスを誘惑する発情期のメス猫のようだった。
「ラムネス、興奮してる場合じゃないだみゃ。キングスカッシャーを呼ぶだみゃ。」
「ダーリン、クイーンサイダロンじゃん!」
それぞれのアドバイザーロボット達が、勇者達に守護騎士の召喚するように呼びかけるのだが、馬に念仏。
勇者の耳に、アドバイザーロボットだった。
「おお、ダ・サイダー、ココアの揺れる胸が!」
「それより、尻だ尻! ココアの豊満でムチムチな尻がたまら~ん!
何より、このギリギリ見えるか見えないかの際どさが……。
パ~ンチら! キ~ックら! うへへへへへへへへへへ!」
『でへへへへ~。』
少し動くだけで、ボインボインと張りのある胸が揺れる。
どうやら、2人ともノーブラらしい。
「イヤッ」
恥辱に震え、ココアが叫ぶ。
観衆の視線に晒される自分の体、ココアは自分のエッチな姿が衆目の視線に晒される恐怖に怯えていた。
胸の先には、ピンと張り詰めたピチピチの生地を持ち上げるかのように、乳首の先の形がくっきりと現れていた。
しかし、胸を直接全部見せるような事はしなかった。
胸の谷間は見えるものの、下乳は衣装の生地によって完全に隠されていた。
まあ、乳首の形は、衣装の生地の持ち上げ方で丸わかりではあるが。
胸に同じく、彼女らのお尻もプルンプルンと、食べごろに熟した桃のように揺れる。
「こら、止まりなさい私の体! お願いだから止めてぇ! 長女の私がこんなにはしたない格好で踊っている映像が世間に出回ったら、アララ国の経済ははお終いよ!」
レスカは、観衆の持っているカメラに怯えていた。
己の姿を永遠に保存し、ネットワークを通じて世界に拡散する脅威に、勝手に踊る自分の体を止めようと必死で抵抗する。
アララ国のお姫様のうち2人が、自分達の手により体の自由を失い、踊っている。
その姿に、感動に打ち震えるマウンテン姉妹。
「くすくす、よくも私達より、目立ってくれたわね。
でも、私達は心が広いわ。ねえ、お姉さま。」
「ええ、このままずっと目立ち続けてもいいわよぉ?
VHSで、DVDで、更には動画サイトで、世界中にそのみっともない姿を配信しなさい!
ネットの海で、永遠に目立ち続けなさい。
そして、ネットの海の住人達に神乙と、崇められなさい!」
「きゃあ、さすがこのアニメのヒロイン、羨ましいわぁ。」
「なんて淫らでセクシーな腰使い。
人気ある女の子は、羨ましいわね。よくもまあ、人前で恥ずかしげも無く男に媚びられるわねえ。
肌を見せても、染みもしわも汚れ一つ何も無い。本当に綺麗、若いっていいわねぇ?
悪役で、とうのたった年増の私達にはとても無理だわ。
そういえば、ねえ聞いた? 今、そこのメガネ掛けた奴がね、あんたたちの姿を今生放送で配信中みたいよ!」
「恥ずかしがりの私達には、できないわぁ。そんなはしたなくて、恥知らずな事が出来るわけが無いわ。
慎み深い私達にはねえっ。あはははははっ!」
我々の力は素晴らしい。
その気になれば、アララ王家の者でさえ、聖なる3姉妹ですら思い通りに操り、嫌がることでさえ無理やりさせてしまう事ができる。
もう、これはアララ国の、そして全世界の覇権を握ったも同然だ。
さあて、次は何をさせてあげようかしら?
くすくすくす。
全能感に、彼女らはサディスティックな笑みを浮かべ、姉妹を見下す。
レスカは、屈辱に顔を歪ませる。
「よくもやってくれたわねあんた達! 私を怒らせたらどうなるか思い知らせてやるわ!」
一部始終を愉快そうに見ているゴールドが、レスカを嘲笑う。。
「そんな顔して凄んでも、腰くねくねさせながらだと、全然怖くないわね。」
「くっ…。」
胸が、見えるか見えないかギリギリであれば、ボディコンのスカートの丈も、普通の姿勢で立っている時に、ギリギリパンツが見えるか見えないかという長さだった。
普通にしていても、かなり際どい丈のデザイン。
もし、腰を派手に振り乱してダンスをしたらどうなるか?
答えを証明するがごとく、形のいいお尻と、それに食い込むパンツがあらわになる。
見えそうで見えないおっぱい。
見えそうで見えないパンツ。
たまに、視界の中に入ってきてもすぐにまた、視界から消えていく儚い色気。
レスカ達の踊りが、どれだけいやらしく淫靡で性的なものだったとしても、決して乳首を剥き出しにすることもなく、パンツを丸出しにする事も無い。
全て、直接局部を晒す事の無い間接的なものだった。
しかし、それ故に、勇者含め、多くの男たちを悩殺する。
人の欲望というものは、手に入りそうで手に入らないギリギリの場所で、最も高まるものだ。
逆に、完全に全部自分のものになったら興味を失う。
巷で有名な口先の魔導師だって言っている。
全裸には萌えが無いと。
敢えて、全部見せないことによって、余計に張りのあるおっぱいが、より強調されている。
もっちりとしたお尻が、たまに顔を除かせるパンツの存在が、より強調されている。
果たして、これから彼女達を全裸にしたところで、これだけおっぱいの魅力が味わえるだろうか?
いや、味わえない。
淫らにくねるお尻の艶っぽさを、100%発揮させる事ができるだろうか?
いや、味わえない。
まさに、エッチな衣装を着ているからこそ表現することができる、絶妙のチラリズムであった。
2人姉妹、揃いも揃って、体を勝手に操作され、踊りたくも無いセクシーダンスを、無理やりに踊り続ける。
誘惑したくも無い男達を、淫らに妖艶に、誘い続ける。
その苦痛に耐え切れず、ラムネスに助けを求めるココア。
「ラムネス、助けて~」
同じくレスカも。
「ダ。サイダー、クイーンサイダロンを呼びなさい!」
『でへへへへへ』
しかし、彼女らの懇願もむなしく、淫らな踊りに見惚れて、完全に我を失い役立たず状態になっている勇者2人だった。
目の前の踊り子が、1回腰を振るたびに歓声を上げる勇者達。
その姿はまさにパブロフの犬状態だった。
「目を覚ませだみゃ!」
「戦うじゃん!」
「私を助けてください~。」
「グオラァ! おめーらそれでも勇者かよおおおお!!」
アドバイザーロボットや、ココア、レスカの言う事に全く耳を貸さず、視線は完全釘付け状態の勇者達。
なんて、悲しい男の性だろうか?
さすがに、それにはマウンテン姉妹は呆れていた。
「しっかし相変わらず色仕掛けに弱い勇者やぁ。
3姉妹の体の自由を奪って、奴ら自身に勇者どもを誘惑させる事で3姉妹、勇者共に無力化させる作戦だったんじゃが。
こんなに簡単に成功していいの? あっけなさすぎ。
それにしても、前から思っとったが、前回(DXの時)はなしてこんなバカ勇者に負けたんじゃ?」
怒声を上げるレスカ、悲鳴を上げるココア。

「あんたたち、それでも勇者~っ!こっの、アホ共ぐぁああああああああ~っ!」
「これ、全世界ネットワークで配信されてるんですよねえ~?
てことは、パソコンの前の皆さんに見られてるって事なんでしょうか? 嫌~~~~。」
レスカは、ココアは、必死に、必死に、体を止めようと、頑張る!
しかし、頑張れば頑張るほど、その気持ちとは裏腹に体は、過激なダンスを始める。
どうやら、抵抗する気持ちが、ダンスの勢いを加速させるらしい。
その時、レスカは、自分のパンツに手が触れたことに気づく。
「ちょっと、やだっ。」
ココアは、パンツを脱がせようと、股間に忍び寄る自分の手に怯える。
でも、脱がせようとする素振りを見せるだけ。
焦らして、焦らして。
まるで見せてけるかのように腰をうねうね。でも脱がない。
胸を揉んで、柔らかに揉んで、ボディコンをずらそうとする。
でも、脱がない。
ただ、ひたすら周囲を弄ぶように魅了する。
中々、パンツを脱がせないその様子は、まさにチラリズムを好む紳士たちを喜ばせた。
「俺達は、全裸よりも、着ている方が好きなんだ!
そして、丸見えよりも断然チラリズム派!」
ネットの海のどこかから、聞こえてくる声に応えたのだろうか?
ココアは最早、半泣き状態だった。
泣きそうで、泣かない。
半泣きという状態。
そういえば、これも見方によってはチラリズムの1つでは無いだろうかと、作者は思う。
「いやあ…。」
「お~っほっほ、全ては無駄な事。」
「ええ、この偉大なるドンハルマゲ様印の『コスプレダンスで誰でもフィーバーマシーン』に掛かったが最期。
もう二度と逃れる方法はないわ。」
勇者2人は、どこまでも腑抜けていた。
そう、どのくらいフヌケているかと言うと、股間をもっこりさせてボディコン談義を始めるくらいに。
「いいよな、おっぱい。古いなんて言って悪かったなあ。ボディコンも悪くないなあ、ダ・サイダー。」
「ああ、いいよな尻。今見ても新鮮とは、まさにこのことだよなあ、ラムネス。」
おいおい、そんな事をしている場合じゃないだろう?
君らがモタモタしている間にも、全世界に恥ずかしい映像が配信されてるんだぞ?
しかし、勇者達はなかなかその事に気づかない。
「そして、このマシンの力は、何も勇者を無力化し3姉妹を辱める事に留まらないわ。」
「この道具の力で踊らされる事によって失った体力、生命力は全て妖神復活のためのエナジーに置換される。
あなたたちが淫らに腰を振って踊る事で、妖神ゴブーリキの復活が加速されるってわけ。
その時が、勇者、3姉妹、そしてドキドキスペースの最期のとき。
要は、お前ら、死ぬまで永遠に踊り続ければええんじゃあっ!」
そして、このご都合主義な設定は一体なんだろうか?
まさに、作者出て来い! と言いたくなるような状況であった。
そして、もう1つ、作者出て来いと言うべき要素があった。
お気づきだろうか?
途中からミルクの出番が無くなっている事に。
実は、ミルクは、できる限り物音を立てないように、こっそりひっそりとマウンテン姉妹の背後に忍び足で近づいていたのであった
え?
後付じゃないかって?
後付じゃないんですよ、これでも。
周囲の狂宴など全く関係無しに、ひたり、ひたり。
もう、既にマウンテン姉妹の背後まで近づいていたミルク。
(いくら私が幼児体型だからって、完全無視なんて許せないわ。)
勝利を確信していたマウンテン姉妹は、気づかずに高笑いを続けていた。
(コントローラを取り上げて、この私が、あんたら2人を踊らせてやる!
巨乳はみんなバカだから、みんなみんなみんな、エッチな踊りが大好きなんでしょ!)
なんか、敵を倒す本来の目的を忘れているようだった。
幼児体型のミルクにとって、ボディコンを着たセクシーなお姉さまばかり観衆の、そしてラムネスの人気を奪っているのが気に食わなかったのだ。
幼児体型のミルクによっては、セクシー衣装の似合う奴らは、みんな敵。
この世の巨乳は全て敵!
敵であっても味方ともに許せないのだ。
なんという私怨。
ミルクの頭の中からは、まずココアとレスカを助けるとか、ラムネスたちをぶん殴って正気に戻す選択肢がいつの間にか消失していた。
さて、ハチャメチャな展開になりそうな予感満載のまま、次回に続く。