大阪「金融都市」、外資誘致に数値目標 戦略決定
大阪府・市や経済団体などでつくる「国際金融都市OSAKA推進委員会」は25日の総会で、国際金融都市構想に関する戦略を決定した。海外の金融系企業の誘致に数値目標をかかげ、進出企業への補助制度も盛り込んだ。同戦略は2022年度に実行段階に入る。昨年の素案公表時から叫ばれていた金融分野での新商品開発は具体策を先送りした。
同構想は金融分野での先進的な取り組みを通じ、国内外の企業やマネーが集まる都市へと大阪を発展させるのが狙いだ。
戦略には25年度までに、海外からの金融関連企業30社の誘致を目指すと明記した。大阪府・市による進出企業への補助制度も22年度に導入するとした。企業がオフィスなどの拠点を設ける際、必要となるコストの一部を補助することを念頭に置く。
このほか、24年度までにユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の未上場企業)3社とスタートアップ企業300社を生み出す目標も打ち出した。23年度から同構想を実現するための新たな推進体制を始動させるともした。取り組みは長期に及び、金融都市の完成を50年度に設定した。
21年7月の素案では「金融をてこにしたグローバル都市」と「金融のフロントランナー都市」の2つの側面で、大阪・関西の金融機能の拡充を狙うとしたが、このうち「グローバル都市」に関する具体策だけが目立つ格好となった。
大阪府はすでに、22年度予算に国際金融都市推進事業費として計1億円を計上。このうち海外企業への広報や誘致活動に全体の9割を充てる。大阪に進出する金融系企業への補助金として2400万円、誘致活動の一部の民間委託料として2291万円などを盛り込んだ。
一方で、先駆的な金融関連商品群の展開を通じて金融機能を充実させる「金融のフロントランナー都市」については、具体策を欠いたままとなった。戦略では、民間主導の取り組みとして「新たな商品先物」の展開をあげたが、具体策に乏しく「検討」とのみ記した。
これまでも水素やアンモニアといった商品先物の取引開始を議題にあげてきた。だが、委員会メンバーのある企業関係者は「商品先物は実際の現物の引き渡しがあるため、取引物自体への需要がなければ、他の金融商品以上に新商品を開発するのは難しい」と語る。
同委員会の会長を務める松本正義・関西経済連合会会長は総会後、記者団に「これから『大阪らしさ』を見つけていかないといけない」と今後の課題に触れた。
(山下宗一郎)