「平成唯一の三冠王」の打撃フォームは、51歳になっても変わらぬままだった。4月9日、中日の松中信彦打撃統括コーチがバンテリンドームでの試合前の早出特打の際、自ら打撃ケージに入り、フリー打撃の手本を見せた。

グッとバットがトップに入る背中、インパクト、そしてフォロースルー。あのころのままのフォームに、福岡出身の記者の頭には「そーの一打で~たたみーかーけろ~」と現役時代の応援歌が流れてきた。

快音を残しきれいな弧を描く打球は、フェンス直撃ばかり。何とか最後にフェンスをぎりぎり越え、本塁打に。「いやぁ、バンテリンはやっぱ広いわ。打つポイントや打球の飛ぶ角度は完璧らしいけど、スイングスピードが足らんのよね」。しっかりバットに乗せて、26~30度と言われる本塁打が出やすい角度で打ち出しても、あと1歩で失速してしまうという。

開幕から1カ月、他球団の選手の平均打球速度は約140キロ台で、中日は約120キロ台と20キロも遅いというデータが出てきた。松中コーチに尋ねると「遅いとファウルになってしまう。しっかり球を見ようとするばかりに差し込まれてしまっている。速球を一発で仕留めるためにも速い方がいい」と、説明してくれた。

松中コーチのフリー打撃を間近で見ていた村松開人内野手(24)は「あの年齢であれだけ振れるのは、やはり技術があるということ。スイングスピードは体全体で速くしないといけないので、簡単には身についていかない」と話す。同じく早出特打の常連、ブライト健太外野手(25)は「ロングティーをすることで、その日のスイングやフォームの状態がわかるんです。スイングスピードだけにこだわると、バッティングが狂ってくる。打撃はタイミングが大事」と話す。松中コーチが求める「スイングスピード」やそもそもの「振る力」は、すぐには身につかないようだが、練習熱心な選手が多いドラゴンズなら、松中コーチを納得させる打撃力もきっと習得できるはずだ。【中日担当=石橋隆雄】

中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ
中日対ヤクルト 試合前、バットを手にする松中信彦打撃コーチ(撮影・森本幸一)=2025年4月26日、バンテリンドームナゴヤ