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クトゥルフ神話TRPG「Good morning All」天ヶ瀬&うた【KP目線感想】

シナリオ:Good morning ALL
作:あお様

このシナリオを回させて頂くのも、これでなんと6回目となりました。こんなにご縁を頂けることになるとは……!そしてこの第六陣は前に遊んだプレイヤーさんからの紹介で来てくださっています。

普段私は、小さい仲間内だけのグループでKP持ち回りしながら遊んでいるので、人目に触れるところで募集をかけたりするようなことはなく、新しい人と一緒にTRPGをするという機会は設けていません。なので、今回はそういう意味で私にとっても挑戦の回となります。初めましてさんお二人と行く「Good morning ALL」第六陣!

さすがにシナリオの流れは頭に入っているので、その点で不安に感じたりするようなことは無くなっています。だからこそ新しい挑戦から、私自身、今以上に成長することができればと少しの心配もありながら前向きな気持ちでお引き受けさせて頂きました!!

いつもより更に意識する大前提

よくよく心に留めておかねばならないこと。その特性上、1つのシナリオは基本的に1回しかプレイすることができません。クトゥルフ神話TRPGはだいたいロストの危険性が少なからず伴うシナリオがほとんどです。道半ばで死んでしまうことも、またドラマとして仕上げていくのがKPとしての大切な仕事でもあります。

ですが…この「Good morning ALL」というシナリオにおいては、途中でロストする展開でなかなか「これもまた物語だからね…」とは言いにくいものになっています。そもそも、二人とも不死なのでロストの確率は低いと言えば低いのですがいくつかの地雷を上手く避けて頂けるようにお導きしないといけない感じがあります。最悪、万が一踏んだとしても何としてもリカバリーしろ、という気持ちでいます。幸いなことに、まだそこまでとんでもない地雷を踏み抜いて大事故になった回はありませんが…。

丁寧に丁寧に積み重ねていっている関係性。その集大成が現れる、ガタノソア討伐後の方針相談より前に、脱落というのはあまりにも悲し過ぎます。例えばイザイに精神を乗っ取られてしまってガタノソアに対抗できず、シュブニグラスさんを暴走させるしかなくなって、そのまま滅亡エンドとか……突然打ち切りが決まった漫画か何かのような突飛な終わり方になってしまいます。

シュブニグラスのINTとPOWの対抗ロールについては、キャラクターを作った段階でINTも高い不老不死さんだった場合、すでにハードモードスタートになっているんですよね。本番までになんとか成功値ボーナスを獲得してもらえるようにロールプレイを促す仕事をやっていくことになります。

まだ今のところ、この対抗ロールで事故を起こしたことはないですが、成功率95で90ちょっとの出目を出した組もありましたし、今回は成功率75%で60超えの値でした。どっちも1点分ボーナスが足りなければ、絶望する分岐に入っている可能性がありました。

もちろんそのままバッドエンドを踏み抜かないように、追加シーンでチャンスを増やしていく予定ではいます。全力で最後までお導きできるよう頑張りますが、やはりTRPGの醍醐味として「ピンチを自分たちの頑張りで乗り越えた!」という達成感も味わってもらいたいので、こういうバッドエンド目前の大ピンチで【どう頑張ってもらうか】の演出の部分はKPとしての器量が試されるシーンになるなと考えています。ただただ温情で切り抜けたのではつまらないですものね。

第一印象を与えてしまう責任

今回のおふたりは、普段クトゥルフ神話TRPGの動画は視聴されているということでロールプレイに関しては「やりたい」と思って頂けていると考えて心配していませんでした。

そして、このシナリオにおいては、それが出来れば後は私にお任せください、という感じでもあります。

果たしてこれが「クトゥルフ神話TRPG」なのかと問われると、少し疑問が過る面もあります。しかし、やってみたいという気持ちが当然ながら最優先です。本格的なセッションが初めてのおふたりにとって、今後を決める大切な回になること間違いない局面。私にできることは全力でお二人のキャラクターをサポートして最後に悔いのないラストシーンを迎えてもらうことだけでした。

見た目も精神的にも「大人」な雰囲気でスタート

今回の重病人の天ヶ瀬さんはカウンセラーの男性。とても雰囲気のある落ち着いた話し方が、まさに成熟した頼りになるカウンセラーの先生という雰囲気を醸していました。

そして不老不死のうたさんにおいても、一人で生きているのだからということを差し置いても、なおしっかりとした印象の女性でした。なんでも一人でできるようにと努力を怠らない真面目さと今日を生き続けるための精神力の強さが現れているお人柄でした。

初っ端から「強さ」を見せてくる天ヶ瀬さん

導入が終わるか終わらないかのタイミングで初っ端に吹っ掛けられるハスターリクの病に対するPOT対抗、休む間もなく液体を飲まされた後のPOT対抗。何もする前からどんどん対抗ロールを強いられるわけですが、天ヶ瀬さんはCON16で次々降りかかってくる対抗ロールをすべて捻じ伏せます。

対抗の値は15、16、16となっているので成功率は50%程度。3回連続で成功できるほど甘い数字ではありませんでした。これはつまり、天ヶ瀬さん「が」強いということに違いありません。

そして、これをすべて成功させたがために、天ヶ瀬さんは最後まで異形化することなく、ただただ身長がめちゃくちゃでかい人という感じでした。「最後まで普通の人だった」天ヶ瀬さんのラストを考えると、まるでここに伏線があったかのように思えました。

次々に現れる神話生物すら受け入れていく

細々したSANチェックはないのですが、容赦なく神話生物が出てくるシナリオです。1回1回のSANチェックが非常に重く、ボス戦にたどり着くまでに大幅に正気が削れてしまうことが多いのですがここでも天ヶ瀬さんの「強さ」が発揮されます。

何が出てもSANの減少は1程度で、多少びっくりはしても受け入れていっている様子でした。数々の重病人さんのリアクションを見てきましたが、冷静さは天ヶ瀬さんが群を抜いているレベルです。体も心も丈夫で柔軟性があり、順応力が高いということだったのかもしれません。

当然ながら、不老不死であるうたさんは神格に驚くことはないので、ふたりしてまるで珍しいものの展示をしている博物館を見物しているかのようで、もはや若干微笑ましい気持ちにすらさせられてしまいました。

何故か敵の出目が振るわなくなる

しかし、順応力の高さだけでは説明がつかない事態も発生します。氷の要塞でうたさんがルリム・シャイコースに食べられているシーンですが、この時は序盤、天ヶ瀬さんもうたさんも、ちょっと調子が出ませんでした。

紳士な天ヶ瀬さんは、うたさんから距離をとって就寝していましたのでこのピンチに気付くことができるかどうかは聞き耳次第です。ここも若干手間取り、うたさんに窒息ダメージが入り始めてしまいます。しかしここから異変が起きます。

気が付いてからの天ヶ瀬さんの動きは素晴らしく、攻撃はしっかりと当てていく上に、一撃でルリム・シャイコースを撤退させるに至ります。腐食性粘液を避けることには失敗しますが、1d10を1しか食らわない奇跡により軽傷で済みます。

結構痛い窒息ダメージをもらっていたうたさんですが、そこは不老不死の貫禄。体内から転がり出てきてすぐに発したのは体力が1しか減っていない天ヶ瀬さんに向かっての「怪我をしているじゃないか」でした。自分の体を何とも思っていないところがしっかり不死です。さすがです。

その後、脱出ロールに入っていくわけですが、このお二人は若干回避を取って来てくれていて、どちらも40ちょっとの回避能力を備えておられました。40じゃ避けられないかもなぁ……と思っていましたが、蓋を開ければなんのそのでした。DEX12との対抗ロールすらなかなかの確率で成功させてくれる上に、最悪回避だけでも成功させて粘液攻撃が発動しないことが多かったです。

ここで一度死ぬこともある場面なのですが、このふたりは出目の良さが強くて無事に逃げ切ります。粘液攻撃が何度か発動はするのですが、天ヶ瀬さん、もしかして腐食耐性でもあるんでしょうか。当たっても全然大きいダメージになりません。うたさんに当たった時だけ大きく削れる事態でした。

ガタノソアとほぼ対等に渡り合う身体能力を発揮

戦闘での能力を発揮といえば、ラスボス「ガタノソア」との戦闘でしょう。どのペアもガタノソア戦では何かしらのドラマが生まれるのですが、ここもまたやってくれましたね……!

いつぞやのガタノソアは、触手攻撃80%を何度も外すという寝ぼけた状態のこともありましたが、今回のガタノソアは普通に強かったです。ですが、それ以上に天ヶ瀬さんがやっぱり強かったです。狙われてもしっかりと避けていきます。40%程度の回避、何故そんなに成功するんでしょうか……!主人公補正と言わざるを得ないレベルの活躍ぶりでした。

何度も何度も叩き潰され、そのたびに復活と正気度喪失を繰り返しながらゾンビアタックをかますのがガタノソア戦の基本スタンスなのですが、何とこのお二人は討伐までの死亡回数2回。天ヶ瀬さんとうたさん、それぞれ1回ずつで、後は倒しきるまでたった40%程度の回避能力で攻撃をいなし続けました。

いよいよトドメが刺せそうだという後半になって急にファンブルを出始めるのもすごくリアルでよかったです。攻撃はファンブルしても回避が成功していくところが、ガタノソアも天ヶ瀬さんもボロボロになりながらの死闘が繰り広げられている感じが出ていました。

前向きで真っすぐなプレイスタイル

これがほぼ初めてのTRPGだったから、ということも影響してかもしれませんがKPとしておふたりを見た時の感覚では「行動がすごく素直…!」という感動がありました。

特に、サニドから「ガタノソア倒して~」と言われたあと、テレパシー受信に失敗して、どうすればいいのかなどの方針を全く聞くことなく情報開示が終わってしまったシーン。実はここで若干詰まることが多くて。理由としては「いや無理でしょ」とか「本当のことなのか」とか、色々な要素が入ってきてしまうことが挙げられます。ここで、情報が制限されてしまったことで、足が止まってしまう可能性がありました。

しかし私の予想に反して、おふたりは逆にめちゃくちゃ動いてくれました。「分からないけど、とりあえず言われてた火山に行ってみよう」と。何も分かっていない状態で石化した神官たちの姿を目にし、謎の謎を積みあげていってしまうことになるのですが。考えていることの共有がスムーズなことやフットワークの軽さもあって、おふたりの動向に合わせてヒントを出していこうとしているKPの立場としても介入のタイミングが分かりやすくてとても助かりました。

一見危険な行動にも見えるかもしれませんが、本当にダメなところにダメなタイミングで突っ込んでいこうとしている場合はKPも困るので、たぶん止めます。そういう意味では、多分こういうスタンスでいいんだろうなぁと思ったりしました。

特別な物語

最後はコールドスリープを選びつつも、記憶を失うことが確定したときに、もう一度ちゃんと会話が出来る状態で再開することを願ったうたさんは、途中でコールドスリープ装置を解除しました。

この展開は、KPとして初めて体験させてもらうことになった演出です。

コールドスリープ装置を使うEND:Aを選んだ場合の最大の見せ場は恐らくここです。そしてその後、悩みに悩んだ結果がふたりにとって「これでよかった」と思ってもらう為のKPによる演出の見せ場でもあります。

最期の時をあえて「普通に過ごす」ことを選ぶ天ヶ瀬さん。PLとしては、もっと特別なことをさせようと本当は思っていたそうです。しかし、天ヶ瀬さんがそれを否定したと、それを聞いて私は非常に嬉しく思いました。最期の時を前に、キャラクターが自分の意志を叫んだわけです。これはTRPGにおける醍醐味の体験のひとつだと思います。

いつか復活する地球で、たくさんの人に囲まれているうたさんの姿を想像しながら別れを告げる天ヶ瀬さん。それを受けて、例えそんな日が来たとしても“私にとっての”最高の日は、天ヶ瀬さんと過ごした日々の方だと言い切るうたさん。そうかぁというため息を残して息を引き取るシーンは、間違いなく名シーンでした。

大切なものを失ってしまったうたさん。もうこの先に最高の日など訪れないと、そう言い切ったにも等しい別れの言葉でしたが、最後まで天ヶ瀬さんが信じてくれていたこと、未来を信じてくれていたこと。その事実がうたさんを支えてくれます。そんな彼がいたこの地球という星を彼女は見捨てないことでしょう。何億という時間が経ったそのとき、彼女の中に彼の記憶は残っていないかもしれませんが、その時に得た「最高の日々」の片鱗が散りばめられたこの「世界」を、彼女は豊穣の女神として愛し続けていくのかもしれません。

コールドスリープを貫いた場合は復活した地球で奇跡的に再開するシーンが入りますが、この時にはすでに不老不死さん側だけはすっかり記憶がなくなっています。コールドスリープ装置を離れた段階で、それまで大切に積み上げた二人の関係性はそこで死んでしまうのです。

そのことを思えば、時間的な死は早まったかもしれませんが、二人だけの特別な時間を大切に使ったという意味のあるラストだったなと改めて感じました。

儚くも美しいRPに彩られた別れ際のやりとりには、大事な演出上のナレーションがまだまだ残っているKPの私すら吊られて泣きそうになるくらいの盛り上がりを見せてくれました。

というわけで、心に残るセッションをご一緒していただきまして本当にありがとうございました。これをきっかけに、これからどんどんTRPGにも挑戦していって頂ければ嬉しいなと思います!

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