関西万博を訪れた学生60人の“リアルな声”がSNSと真逆すぎ…「見聞きしていたのとは全然ちがった」感想を現地で聞き込み
「ネットでいろいろなニュースが流れとったじゃないですか」
また、ネット上でも話題になった、“遠足や修学旅行先を万博に替えられてしまった”問題の当事者にも話を聞くことができた。 「毎年この時期は校外学習でUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行っているんですけど、今年は万博に行くと去年くらいに言われました。正直かなり不評で、中には『万博を休んでユニバ行くぞ』って話も上がっているくらいでした(笑)。ほぼほぼ周りもユニバ派でしたね。 でも来てみると楽しかったです。スペインのパビリオンとかいろんな国の歴史とかを見ることができたので。今日を踏まえたうえで、『万博とUSJ、校外学習で行きたいのはどっち?』って聞かれたら、万博って答えます。USJは行こうと思ったらいつでも行けるし、万博はこういう機会じゃないと行かなかったと思うし、今しか行けないところですから」(滋賀県、高校3年生・女子) 「入学式のときに今年は遠足で万博に行くって急に言われて、特に準備する間もなく来ました。行く前はまあ、別に楽しくなさそうだな、暑そうだな、値段が全部高そうだな、とか思っていました。でも来たらなんだかんだ楽しくて、チェコのパビリオンとか行きました。ミャクミャクのグッズも値段を気にせず買ってしまいましたね」(京都府、高校1年生・男子) 今回、60人くらいの学生に話を聞いたが、そのほとんどが行く前は万博に対してあまりいいイメージを持っていなかったが、来てみると思いのほか楽しいという感想だった。 また中学生を引率していた静岡県の教師からは、「思ったほど引率は大変ではなかった」との感想も聞くことができた。
ユニバより楽しい?若者が見た万博の“リアル”
万博の会場内でインタビューをしているため、学生たちがこちらに気を遣って「来たら楽しかった」と答えている可能性も否定はできないが、学生たちがグッズのカチューシャを頭につけ、自撮りをしながら楽しんでいる様子を見ると、それは本心からの言葉のようにも感じられた。 特に、ゲート手前のグッズ売り場には学生たちが長蛇の列を作って並んでいて、まるで人気のテーマパークのようでもあった。 もちろん課題がないわけではない。しかし、学生たちの素直な声からは、万博が持つ本来の魅力や、現地でしか味わえない熱気が確かに存在することが伝わってくる。もしかすると、万博の本当の可能性を最もよく知っているのは、大人ではなく、彼らのような若い世代なのかもしれない。 取材・文・撮影/ライター神山
ライター神山