この「はげ」という人が正義のつもりでやっていることは、実は
・全ての二次創作の禁止
・全ての二次創作の違法化
・二次創作作家の違法化
の道を開きかねない。
何故なら大抵の二次創作は、
「公式による黙認」
「知っているけど見なかったことにしている」
「公式が気づかなかった振りで目こぼししている」
という体で成り立っているため。
作者にせよ版元にせよ、「聞かれないから答えない」という暗黙で成立している二次創作なわけで、聞かれたら公式には「全てダメです」と答えるしかない。
だから、そのようには答えさせないでほしいから、
「聞かないでくれ」
「聞かれなければ答えないから」
「後は……分かるね?」
という暗黙の腹芸がある。
で、聞かれたら「ダメです」と答えなければならなくなる訳だが、それは一つあれば前例として後続のすべてに適用せざるを得なくなる。
と言って、公式が公認したら「盗用」の歯止めも利かなくなる。
そしてこれが行き着く果てはというと、「二次創作の違法化と縮小」なんだけど、これの影響ははコスプレや同人誌に限定されない。
まず、同人誌印刷で命脈を繋いできた中小印刷会社が連鎖倒産する。
また、次代の作家予備軍が切磋琢磨される機会が制限を受ける。同人誌印刷物だけでなく、SNS上などでの無償配信される二次創作(パロディ)などのすべてが対象になる訳だから。
これは誹謗中傷訴訟よりも大量に摘発できる。
親告罪なので、弁護士事務所の新しい飯の種になる。
日本には連歌、本歌取りや大喜利、替え歌など、「元ネタを膨らませる」ことで生まれる「連想文芸」「連想画芸」「連想話芸」「連想唄芸」の文化が連綿とあって、これは「誰か一人の閃きを認めながらも占有しない暗黙の了解」を緩やかに黙認し合っていることで育ってきた。
著作権で作者の権利を守ることと、これらの連想によって元の作者以外がネタを膨らませていく二次創作芸は反目しているところはもちろんあるんだけど、「権利者の黙認」「ファンアートを訴えない」「二次創作の緩やかな容認」「公式は回答しないことによって次代の創作の最初の一歩の機会を潰さない」などがある。
まあ、ここから「配慮しよう」という意識も生まれてくるんだけど、ここに「配慮しろ!できないなら公式にお伺いを立てろ!」とか言い出して、二次創作の是非に公式を巻き込もうとするのは、終わりを始める事にしかならんとは思う。
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あと、正義の密告者を気取る人は、版元の法務部をなめ腐ってる気はする。
商業的に被害が出る規模になるようであれば、善意の第三者がチクる前に、版元各社お抱えのティンダロスの猟犬が、とっくに水面下で動いてる。 x.com/umumum__03/sta
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