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「一般公開」だったけどリメイクでは「R指定」に? いろいろヤバい昭和のマンガ原作映画

昭和の時代にも、マンガの実写映画化は盛んに行われていました。特にまだ年齢制限が設けられていなかった頃は、暴力や性的描写を含む過激な作品が、堂々と全年齢対象で公開されていたこともあったようです。

容赦ない描写は昭和ならでは?

画像は『聖獣学園』DVDパッケージ(東映)
画像は『聖獣学園』DVDパッケージ(東映)

 毎年多数作られる人気マンガを原作とした実写映画化は、最近始まったものではなく、昭和の時代にも、数多くのマンガが映画化されていました。そのなかには、かなり過激な成人向けマンガの実写化もあります。

【画像】えっ? ポスターでもう「何も着てなくね」 こちらが最初から衝撃の「昭和の実写化」作品です

 現在の劇場公開の年齢区分になるまでの歴史を振りかえると、中学生以下の鑑賞には成人保護者の同伴が必要となる「一般映画制限付(R)」が導入されたのが1976年のことでした。その後、1998年にPG12指定(12歳未満の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が必要)が導入され、「G(全年齢向け)」「PG12」「R15」「R18」の区分けができます(その後、2009年に「R15+」「R18+」となる)。

 それ以前の作品では、「一般映画」と子供は観られない「成人映画」の指定しかないなかで、過激なマンガの実写化作品が多々作られていました。暴力、エロス、そして狂気の三拍子が揃った、1970年代前半の実写版映画を振り返ります。

●『女囚701号 さそり』

 1972年に「一般映画」で公開された映画『女囚701号 さそり』は、篠原とおる先生の人気劇画を実写化した作品です。恋人に裏切られた女囚「松島ナミ(演:梶芽衣子)」が、脱獄と復讐に挑む物語が描かれています。

 まず度肝を抜かれるのは、映画のオープニングで一糸まとわぬ女囚たちがぞろぞろと歩かされるシーンではないでしょうか。モザイクや遮蔽物は一切なく、それを男性看守が食い入るように見つめる姿は、異様な不気味さを漂わせていました。

 さらに物語中盤に登場する、ナミと女看守「鬼頭(演:片山由美子)」の濃厚なからみも印象的です。上司からの命令で女囚に扮し接近した鬼頭は、逆にナミの妖艶な魅力とテクニックに翻弄され、「お願い、もっと……」と懇願するほど理性を失ってしまいます。

 また復讐の過程で描かれる暴力描写も苛烈で、集団リンチをはじめ、火あぶりや舌の切断といったショッキングなシーンがつぎつぎと展開されます。その容赦のなさも見どころのひとつとなり、本作は続編やリメイクが制作される人気シリーズへと発展しました。2011年と12年に公開されたリメイク版『女囚701号 さそり外伝』『女囚701号 さそり外伝 第41雑居房』の2作は、R18+指定となっています。

●『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』

 凡天太郎先生のマンガ『猪の鹿お蝶』は、『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』のタイトルで1973年に実写映画化されました。明治末期を舞台に、女侠客「猪の鹿お蝶(演:池玲子)」の壮絶な生き様を描いた本作には、インパクトのある描写が満載で、こちらは当時の指定で「成人映画」です。

 たとえば風呂場での闇討ちシーンは、全裸のまま刀を振るうお蝶の姿が強烈な印象を残します。戦いの場を雪が積もる庭園へと変えながら、刺客たちをつぎつぎと斬り伏せていく姿には、もちろんモザイクなどは使われていません。絶妙なカメラワークによってギリギリの表現を成立させながら、雪中の殺陣を美しく可憐に表現していました。

 また本作には、映画『露出』で人気を博したスウェーデン出身の女優クリスチーナ・リンドバーグさんも出演しており、劇中で女性同士の濡れ場に挑戦しています。その可憐な容姿と大胆な演技は、作品に独特な妖艶さをもたらしており、過激ながらも芸術的な美を感じさせる一作となりました。

●『聖獣学園』

 映画『聖獣学園』が「一般映画」で公開されたのは、1974年のことでした。映画化を前提に制作された同名マンガが原作で、多岐川裕美さんのデビュー作としても知られています。

 タイトルには「学園」とありますが、物語の舞台は修道院です。主人公の「多岐川魔矢(演:多岐川裕美)」は、修道尼だった母の死の真相を探るべく修道院に潜入します。そこでは厳格な戒律のもと、修道女たちが過酷な作業や修行を強いられており、戒律に背いた者には容赦ない罰が下されていました。

 リンチや鞭打ちといった折檻の数々も衝撃的ですが、なかでも特筆すべきは水責めの場面でしょう。たくさんの塩水を飲まされた修道女の足元にはキリスト像が置かれており、わずかでもけがせば即刻有罪とされる設定です。

 極限まで追い詰められた修道女はついに耐え切れず、足元の像にむかって失禁してしまいます。そのシーンには単なるエロスやバイオレンスに収まらない、宗教的禁忌すら踏み越える危うさがはらんでいました。

(ハララ書房)

【画像】えっ? ポスターでもう「何も着てなくね」 こちらが最初から衝撃の「昭和の実写化」作品です

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