ダルマシーラ、密伝ラマ占星要門( 副題 密教秘奥占星術、曼荼羅(マンダラ) 弥勒、ミトラ信仰(星辰信仰))
ダルマシーラ、密伝ラマ占星要門は、古代から伝えられてきた『鴉鳴観察』や『摩登伽経』などに見られるような、占星術の伝統を継承するとともに、チベット、インド、中国などの国々の生活・風俗などを効果的にとりいれることによって、より実際的なものとした占星術実践の書です。
また、密教秘奥占星術として、曼荼羅(マンダラ)を用います。
チベット仏教において、仏教占星術は、密教の根源を目指す空楽無二、空悲無別の神聖な術であり、宇宙観です。
したがって、その占術者は、神聖な聖人に至る道を辿らなければ、なりません。
人々の苦楽をともにし、その原因となった因と縁を和合し、その本質の実相をよく知り尽くさなければ、事の本質は解決しません。
宇宙のさだめ、動きを正確、確実に知り、占星者として、また、効用功徳を一曼荼羅(マンダラ)に描き、計算します。
曼荼羅(マンダラ)、絵図は、そのような道具であり、祈りの場です。
「ダルマシーラ、密伝ラマ占星要門」以後、「宿曜経」、「摩鄧女経」、「摩登女解形中六事経」、「摩登伽経」、「二十八宿経」、「阿難門事仏吉凶経等」の経典があります。
「占星術宝蔵略集清淨鏡」は、占星術書です。
多少、理論的となっています。
ダルマシーラ、密伝ラマ占星要門の構成は、つぎのとおりです。
1(章).先行方便
2.数の解説
3.占星術定義
4.作業と成就
5.五支
6.五浄成就総説
7.色と目と足
8.羅睺星
9.五星
10.五星法
11.計都星
12.日月と羅睺星との関係
13.地と軌道
14.四季
15.誕生時
16.遊星の境と時など
17.三カ日
18.確実儀軌
19.確実な生起方法
20.ダルワ
21.羊眼増大
22.リーツの離と結合
23.占星の果
23章は、応用品であり、実践品ですので、多少、詳しく説明しますと
1(節).総説
2.占星の意義
3.母音のはたらき
4.遊星の果
5.星宿の果
6.各星別の取捨
7.市場品による星宿の果の概説
8.相合の占いとその果
9.十一行
10.縁起の果
11.十二支の果
12.吉凶の取捨
13.聚と反対の果
14.空門の果
15.慾望の果
16.果の略説
17.直日と果
18.時合の果
19.時と天
20.勝利の占い
21.羅睺星の果
22.食糧の果
23.若人の利
24.過去年の儀軌
曼荼羅(マンダラ)は、仏教のなかでもとくに秘密を重んじる密教(みっきょう)という宗派で用いられる絵画類です。
密教の考え方によると、もっとも大切な真理はことばだけでは表わしにくく、絵画などの図形の助けを必要とします。
そのひとつがまた(マンダラ)です。
マンダラということばはインド語です。
漢字で書くと「曼荼羅(マンダラ)」とか「曼陀羅(マンダラ)」となります。
古代インドを起源とする曼荼羅は、当時崇められていたバラモン教やヒンドゥー教でも、神や仏の世界を図形やシンボルで描いていました。
これが密教にも取り入れられたと考えられています。
曼荼羅のルーツは、古代インドで土壇と呼ばれる土に描かれたイラストとされています。
土壇は、説話(仏教の教えを広める会)の会場の目印であり舞台です。
星曼荼羅は、古代の星占いだったのです。
300年頃から650年頃の大乗仏教は、中期に分類され、哲学的学問的な研究が行われ、哲学理論のうえからすれば最も優れた哲学を造り上げたものの、信仰実践という面がおろそかになったために、仏教自体は衰退していったようです。
これを再び宗教的に復帰させようとして、7世紀ころから興ったのが密教と呼ばれる、後期大乗仏教だったのです。
なお、大乗仏教は、途中の伝搬経路から、弥勒、ミトラ信仰(星辰信仰)に少なからず起因しています。
他宗教との比較という点では、日本では以前から大乗仏教の弥勒信仰がインド・イランのミスラ信仰に由来することが論じられてきたが、宗教形態の違いから、むしろ近年ではミトラス教と比較されることがあります。
密教では、中期の哲学的な内容を象徴によって表現し、宗教的な実践と併せようと試みています。
密教の宇宙観を伝える曼陀羅のうち、日本にも伝えられた「大日経」に基づく胎蔵界曼陀羅などを見ると、密教が実にたくましくインドの神々(アスラ神)をも取り込みながら、平易に仏教の哲学を広めていった様を想像することができます。
しかし、やがて逆にこの密教も再興して来た婆羅門教(ヒンドゥー教)という、インドの民間信仰のなかに飲み込まれ、13世紀の初頭頃にはついにインド本土からは姿を消すことになりました。
なお、最後に、密教はチベットにも伝えられ、多くの密教教典が翻訳されているほか、チベット仏教としてのラマ教を生みました。
タンカの中で特徴的な曼荼羅とは、チベット仏教の世界観、宇宙観を、尊格を幾何学模様に当てはめることで図示したものです。
日本に伝えられたのは中期密教の「大日経」で説く「胎蔵曼荼羅」と、「金剛頂経」で説く「金剛界曼荼羅」で、その後「両界曼荼羅」となり、日本の仏教や文化に多大な影響を与えました。
「【胎蔵界】曼荼羅」は、大日如来と400余の仏 の関係が示され、祈り が集まり、慈悲が広がる様を表しています。
「【金剛界】曼荼羅」は、 9種類の曼荼羅を並 べたもので、悟りへ至 る道程、 また衆生救済の過程を表しています。
密教占星術は、祈りにより、済民に生かす密教の教えとも綿密に繋がっていました。
したがって、現代社会においても、影響力は、依然として小さくないといえます。
当方では、簡単な冊子を用意しています。ご希望の方には、頒布します(ただし、別サイトです。また、有料です。)。
また、別に主要なものには、解説書もあります(ただし、別サイトです。有料です。また、この場合、占い秘伝、秘伝書に属する事項もあります。個別に相談となります。)。
なお、せっかく仏教が出たので、多少、大乗仏教について、補足すると
インドで西暦紀元後に興起した新しい形態の仏教です。
サンスクリットでマハーヤーナMahāyānaという。Mahāとは「大きい」の意、yānaとは「乗物」を意味します。
それ以前からあった保守的な仏教(いわゆる小乗仏教)では修行僧が独善的になる傾きがあったのに対して、ひろく民衆のための仏教であることをめざします。
諸仏・諸菩薩を熱心に信仰して念ずることを強調するために、多数の仏像が製作されました。
その製作の中心地は、ガンダーラGandhāra(パキスタン北部)とマトゥラーMathurāとでありました。
民衆のあいだに根強かった呪術的要素をとりいれることによって、一般民衆のあいだにひろがり、多数の大乗経典が編纂されました。
また、従前の仏教諸派の超世俗的態度を排斥して、『維摩経(ゆいまきょう)』や『勝鬘経(しょうまんぎょう)』は、世俗的な在家の生活のうちにあって真の仏道を実践すべしという態度を表明しています。
『華厳経(けごんきょう)』は、菩薩の道を説いていますが、一切のものは互いに入りまじり影響し合って成立しているという道理をくり返し表明し、唯心説までも述べています。
浄土経典(『阿弥陀経』『大無量寿経』『観無量寿経』など)は、阿弥陀仏を信仰することによって極楽浄土に生まれることをすすめます。
『法華経』は、その前半においては、仏教のいろいろな仕方の実践がどれも完成に達するための原因であるといって、種々の実践法の存在意義を認め(一乗思想)、後半においては、究極には久遠の本仏が存することを説いています。
また、五術との関係では、中国南部揚子江南岸地方の密教信者たちは、表立って寺院などを持たず、在家居士として秘かに密教を奉じ、法灯を守り続けました。
中国南部、つまり、南華地方の密教なので、これを「南華密教」と呼びます。
『西遊記』とはそのような密教信者らが「南華密教」の秘儀を比喩や暗喩の形でまとめ、密かに怪奇小説の中に閉じ込めたものです。
「南華密教」の内容は、「経典」「功夫」「実学」「秘術」の四部門からなり、『西遊記』にはこれらの四部門がすべて網羅されており、比喩や暗喩で「南華密教」が説明されています。
