40代前半・中盤の頃は、ズンドコに疲れていても気力でカバーして、やりたいことを無理してでもやれていた。
今は、週間単位で見て「限度」を超えると、頭痛やめまい、顔の痙攣、足腰の傷みなど、体の変調が顕著で怖いぐらいだ。
昨年暮れから週3回のランニングを習慣化している。
体力や回復力が上がればいいのだが、それは時間がかかる。
始めて半年も経っていない今は、まだ、走り続けること自体の負荷が大きいようだ。
根気強く続けて、長い目で見た先に、「体力収支」が〝黒字〟に転じるのを目指す。
今は〝赤字続き〟の日々だ。
4月に入ってから、仕事もハードになった。
昨今の人不足は、それがしの職場にも響く。
部署の新体制の中で、ベテランとして「実験台」を引き受けた。
通常の1.5倍のアウトプットを、なるべく少ない労力で品質を下げずにひねり出す。
日々実践しながら、工夫のPDCAを繰り返し、部署の上層へ還元する。
何ができて何ができないのかが明確になるよう、データを取りながら。
本当に1.5倍の仕事量で疲労困憊になる日もあれば、1.2倍ぐらいで済む日もあり。
第一優先は品質。疎かにしたら、それがしの存在意義はないと思っている。
なんて1週間を過ごし、土曜の出勤日にはズタボロになった。
夜にナンパ出撃、できるものか。
できやしないだろう。
そう思いつつ、出勤前にヒゲそり鼻毛カット。
昼間の仕事中、やはり体がガタガタだ。
土曜は比較的楽な作業内容のはずなのだが。
安堵感からか、張りつめていたものが一気に緩む。
無自覚に蓄積した分の疲労がのしかかり、のんびりというよりモタモタと乗り切った。
タイムカードを打刻して職場を出る前。
洗面所で歯を磨き、コンタクトレンズ入れ、ボサボサの髪を可能な限り整える。
死んだ魚の目が、鏡に映っておる。
この先、夜の繁華街へたどり着ける保証はない。
もちろん、ストリート出撃できるような保証もない。
出撃前の手順をこなすまでの努力はした。
という小さな達成感で満足だ。
省エネで夜の街を歩く。
省エネで缶ビール街角で飲み干す。
省エネで駅改札近くの地蔵する。
省エネで声かけしてみる。
1時間で9人まで声かけできた。
いずれも、直感的に「欲しい」と思える女だ。
2人ほど、飲み誘いのトーク粘れて、結果断られた。
そのうちの1人、結婚式参列帰りのステキなお嬢さんが
「ダンディーですから、きっといい人見つかりますよ」
と、褒めてくださった。
さて。
1時間ストリート出撃できた。
声かけ数は、「欲しい」女9人と、カウント外1人。
これを声かけ10人の実績として、満足して撤収しようか。
と思ったが、基本的に足取りが重い。
地蔵ポイントから帰宅の途に着くのすら、おっくうだ。
地蔵を続けたというよりも、身動き取れず10分余り立ち尽くしていた。
やがて、視界の片隅に、黒のロングスカート、黒ジャケット、白の上品なブラウス、黒髪ロングのシュッとした女性がのんびり歩く姿を認める。
帰ろうとするよりも、この女に声かけ挑む方が、まだ楽だ。
何もせずにいる状況からは脱したい。
帰宅を決断するよりも、声かけを決断する方が楽。
ということで声かけ。
女「怪しい」
と笑いの反応。
過去にもこういうパターン複数あったな。
悪くない。
この流れは、テンプレート流しやすいのだ。
顔立ちは、それなりに老けているが、オセロ中島似の美形。
それがしと同年代か少し上か。
でもステキだな。
と思いながら粘ったら、飲み連れ出し了解いただけた。
ワイン飲む店入り、1時間ほど楽しく話した。
この間、疲れは忘れられた。
トーク内容は、当たり障りのない互いのプロフィール掘り起こしと、そこから発展する世間話程度。
男女関係を意識してもらうような方向には持って行けなかったな。
後日飲みに誘えるようにLINE交換申し出たが、それはかなわず。
店を出て別れ際。
抱きしめ強行もキス強行も試さなかった。
そんなエネルギーは残っていなかった。
十分過ぎる成果だ。
もともとは、ナンパなんてできるはずのない一日と思っていたのだから。
1週間頑張り切った。
達成感しかない。