アメリカの大学で永く教授職に就いていた経験から答えてみます。少なくともアメリカでは1975年に年齢差別禁止法(Age Discrimination Act)と言う法律が制定されて以降、大学は年齢のみを理由に入学を拒否することが禁止されています。つまり、大学には何歳でも(若くても、年老いていても)入学が可能です。
法的には、10歳でも12歳でも大学に志願することはできますが、実際に大学に入学したケースは稀です。多くの場合は、若くとも16-17歳位(日本の高校1-2年生)で大学に入学している「飛び級」(早期入学)のケースは多くあります。これは、アメリカでは飛び級が一般的であり、高校卒業レベルの知識があるかどうかと言う一般教育修了証書(General Educational Diploma、GED)の試験に合格すれば、高校を途中でやめて大学に進学することが認められている為です。例えば、17歳で大学に入学し、20歳で卒業することも可能です。このような飛び級の制度を利用することで、早く大学教育を始めたい学生にとっては魅力的な選択肢となります。現実、アメリカの教育制度は日本に比べて柔軟性が高く、このような進路がより容易に認められています。
ただし、GEDに合格すれば、自動的に大学に進学できるわけではありません。GED合格は必要条件で、十分条件ではありません。大学にもよりますが、他の条件として次のことが考慮されます。
第1に、大学以前の学業成績の評価がされます。大学に志願するまでの中学、高校の成績証明書が必要です。アメリカの大学は、主に高校の成績を重視し、評定平均値(Grade Point Average, GPA)を評価します。
第2に、SATやACTといった標準化テストの点数も必要な場合があります。
第3に、推薦状とエッセイが重視されます。エッセイでは、何故大学教育を早く始めたいかに関しての自己アピールが必要です。これらは、学業以外の能力や個性をアピールするための重要な要素です。
そして、第4に、学生の年齢と成熟度が考慮されます。早期入学の場合は、年齢や情緒面での成熟度も考慮されます。
つまり、飛び級(早期)入学を目指す場合、SATやACTスコアは重要ですが、それに加えて他の学業成績や課外活動、推薦状なども考慮されるため、総合的な準備が求められます。結論として、早期入学の概念は、非常に優秀な学生に限定されるものではなく、特定の学業基準を満たす幅広い学生が利用できます。現実として、早期入学者の多くは、大学の同級生より1、2歳若いだけです。