長谷川幸洋「ニュースの核心」

クリントン元米大統領はロシアの侵攻を12年前から知っていた! プーチン氏の意図を見誤った米国「リベラリズム」の罪

それなら、なぜ米国は万全の対応をしなかったのか。

クリントン氏を含めて、米国の歴代政権が「プーチン氏の意図と決意を甘くみていた」からだ。

プーチン氏は08年4月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でも、「クリミア半島は1954年に旧ソ連からウクライナに移譲されたが、法的手続きは一切なかった」と発言していた。

クリントン発言を報じた5月5日付の英ガーディアン紙によれば、会議に出席していた当時のダニエル・フリード米国務次官補(欧州・ユーラシア問題担当)は、思わず「いまの発言を聞いたか」と、隣にいたポーランドの大統領顧問と顔を見合わせた。

フリード氏は「(ロシアは)ウクライナに手をかけるつもりだ」と理解して、直ちに当時のコンドリーザ・ライス国務長官や、スティーブン・ハドリー大統領補佐官に連絡した、という。

つまり、米国は今回の侵攻が起きる10年以上も前から、「プーチン氏の意図」を察知していたのだ。

米国がロシアを甘く見た根本原因を探れば、私は「米国のリベラリズム(理想主義)にある」と見ている。彼らは「自由と民主主義を世界に広げることが米国の使命」と信じるあまり、NATOの加盟国が国境に迫るロシアの恐怖心を見誤ったのだ。

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