クリントン元米大統領はロシアの侵攻を12年前から知っていた! プーチン氏の意図を見誤った米国「リベラリズム」の罪
ロシアによるウクライナ侵攻から1年3カ月が過ぎた。ロイター通信は4月、ネット上に流出した米国機密情報に両軍合わせて最大35万4000人が死傷したとの記述があると報じた。民間人の犠牲者も多いが、ウクライナ軍は今後、領土奪還を目指して大規模な反転攻勢を仕掛けるという。こうしたなか、ビル・クリントン元米大統領が12年前、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した際、ウクライナ侵攻を示唆する発言を聞いていたという。米国は苛烈な戦争を防げなかったのか。リベラリズムとクリントン政権の罪とは。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が迫った。
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米国のクリントン元大統領が最近の講演で、2011年にロシアのプーチン大統領と会談し、ロシアがウクライナに侵攻するのは「時間の問題と分かっていた」と証言した。2人は一体、何を話していたのか。
講演によれば、11年にスイスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で会談した際、プーチン氏から「自分はブダペスト覚書に合意していない。この覚書はロシア国会で批准していない。われわれにも極端な民族主義者たちがいる。私は覚書に縛られることはない」と聞かされた、という。
そのうえで、クリントン氏は「私はこの日以来、それ(ウクライナ侵攻)は時間の問題と分かっていた」と語ったのである。
ブダペスト覚書とは、1994年に米国とロシア、英国、ウクライナの4カ国が結んだ「紳士協定」だ。
ウクライナが保有する核兵器を手放す代わりに、米英露がウクライナの安全を保障した。ただし、違反した場合には「協議する」としか定めていなかった。プーチン氏は「覚書には縛られない」と言ったのだから、クリントン氏が「彼はいずれ侵攻するつもりだ」と受け取ったのは、当然だろう。