地雷を見つけたら踏もう。
福岡在住の男性T様から「妻と二人で暮らしているので泊まりに来てください」とご連絡をいただいた。私の正しい使い方である。一週間前に私を知ったばかりだと言うT様から「落ち着きたいとは思わないのですか?」と聞かれた。新進気鋭の私は「落ち着きたくないか聞くってことは、私が落ち着いてなさそうに見えるってことですか?」と、極めて落ち着いた調子で聞いた。落ち着くとは何か。T様は「定住をしていて、安定した収入があること」と言った。その意味では、私は落ち着きがない。定住をしていないし、収入もない。
T様の奥様のR様は「私には、坂爪さんが予定も何も決まっていない未知の世界に飛び込めるのがすごいと思う」と言った。と、そのタイミングで玄関のチャイムが鳴った。時刻は深夜の一時。誰だろうと思ってドアを開けたら、私の存在をT様に教えてくれた男性K様と奥様のY様が、大量のお酒とつまみを持って遊びに来た。K様は「ご挨拶だけさせていただいたら、僕たちはすぐに失礼します」と言った。私は「時間があるなら一緒に飲みましょう」と言った。K様は「時間ならあります」と言って、急遽、五人の宴がはじまった。
K様の奥様のR様は「うちの旦那がこんな風になるのは珍しい。普段は絶対十時に寝る。それなのに終電に間に合うから俺たちも行こうと家を飛び出して、途中で寄ったコンビニでは坂爪さんこれを買ったら喜ぶかなとか、乙女みたいなことを言っていた。普段は静かな旦那がこれだけ興奮をして、満員電車の中でも『俺、坂爪さんが好きなんだよね』とか大きな声で言うからびっくりした」と言った。身近な人間が、普段見せない動きを見せてくれると、興奮する。R様はK様の激変に驚き、K様は私が目の前にいることに驚き、私は突然宴がはじまって眠れなくなったことに驚いた。
K様は「万難を排して来ました」と言った。K様の奥様のR様は「私は頭ばかり使っちゃうから、体の重心を頭ではなく腹に落としたい。坂爪さんは普段何処に重心を置いていますか」と言った。私は「どこにも重心は置いていない」と答えた後に、強いて言えば「相手の真ん中に重心を置いている」と言った。自分ではなく相手の真ん中に重心を置くことで、相手が嘘をついていることや、本当の望みとどれだけ一致をした動きをしているのかが、感覚的にわかる。一致している時は、会話を一緒に楽しむ。一致していない時は、多くの場合、そこに相手の地雷がある。地雷を見つけたら踏む。地雷を避けるのではなく地雷を踏む。率先して踏む。地雷を踏むと面白くなる。冷静な人が冷静ではなくなり、泣いたり、怒ったり、本性が剥き出しになる。そこに生身の人間を感じる。
地雷を踏みまくり、一通り場が荒れた後、T様の奥様のR様は「坂爪さんには愛がある。愛があるから落ち着いていられる。愛とか感謝とか言う人ほど、私には愛がないように見える。だから、愛を求めて彷徨うのだと思う。坂爪さんには愛がある。愛なんてどこにでもあると断言できるから、安心して恋を追えるのだと思う」と言った。素晴らしい総括である。結局、我々五人は一つ屋根の下で一緒に寝た。翌朝、K様から「有り金全部渡します」と言って、財布の中身を全部貰った。T様が運転するバイクの後部座席に乗って、福岡空港まで運んで貰った。別れ際、T様から「これ」と言って、お金を貰った。泊まっておきながら、お金を貰っている俺は一体何様なのだろうと思った。落ち着きはないが、臨時収入はある。臨時収入だけで生きている男は、これから横浜に行く。
おおまかな予定
4月27日(日)神奈川県横浜市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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