謎めいた広告が伝える70年代のアヴァンギャルドー「あいだ に あるもの」展 資生堂ギャラリーで7月30日まで
| あいだ に あるものー1970年代の資生堂雑誌広告からー |
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| 会場:資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座 8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下 1階) |
| 会期:2023年6月6日(火)~7月30日(日) |
| 休館日:毎週月曜(月曜日が祝日にあたる場合も休館) |
| 開館時間:平日 11:00~19:00、日・祝 11:00~18:00 |
| 入館料:入場無料 |
| 詳しくは(https://gallery.shiseido.com/jp/)へ。 |
1970年代、ananや平凡パンチなどの人気雑誌を彩った資生堂の広告クリエイティブ約150点を紹介する展覧会「あいだ に あるもの ー1970年代の資生堂雑誌広告からー」が、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催されている。現代の広告に求められるわかりやすさとは対極にある、グラフィックとキャッチコピーのギャップといったクリエイティブの「余白」を味わう内容となっている。7月30日まで。
高度成長期は若者向けのファッション誌やライフスタイル誌が次々に創刊され、大胆なクリエイティブを年間にわたって連続出稿する「シリーズ広告」が企業のブランド認知の手法として流行。資生堂も商品そのものをアピールするのではなく、強烈なビジュアルイメージとキャッチコピーでインパクトを狙った個性的な広告を各誌に展開した。
■男性向けに草刈正雄さんらを起用
当時はまだ駆け出しだった俳優の草刈正雄さん、団時朗さん(今年3月22日に死去)をメーンキャラクターに起用した男性用化粧品「MG5」は、ロードムービーの一場面かのように二人が浜辺で遊んだり、荒野を歩いたりする白黒写真に「束縛からのがれる」「まい日、髪は誕生日」「ハートが大きくなってくる」といった、若々しさや青春を意識させるようなコピーが寄せられている。
現在も販売されている女性用化粧品ブランド「シフォネット」では、しなやかでエレガントな女性像を「大胆かつ超現実的に創造する」インパクトのある広告が多数作られた。「心理学者フロイトは美人の夢を知っていたか?」というコピーとともにジャンプするボディービルダーと女性モデルが共演する広告は、社内でも意見が割れた結果、幻となった初公開作品だ。
■わかりやすさの対極に
男性化粧品では当時珍しく香りにこだわった「ブラバス」は、男性の表向きの頑張りと裏に潜む哀愁をテーマに、ユーモアあふれるシリーズとなっている。ダダイズム、シュルレアリスムといった前衛的な表現を意識したような謎めいた文言・グラフィックや、野球にまつわるコピーも多く、当時の時代性を感じさせる。
丸毛敏行学芸員は「現代の広告はわかりやすさが重視されるが、この時代は背伸びをして意味や意図を見るものに考えさせるような尖ったクリエイティブが全盛だった。シリーズ化して見せることで読者にブランドの意図や個性を知ってもらいファンを固定化するという、今よりも長い時間軸で広告が企画されており、今回は特に想像の『余地』、あるいはグラフィックとコピーの『ギャップ』が楽しめるものを選んだ。ゆっくり時間をかけて味わっていただきたい」と話していた。
入場無料。開館時間は平日午前11時〜午後7時、日曜・祝日午前11時〜午後6時。月曜休館。当時のクリエイティブディレクターらによるトークイベントや、広告をモチーフにしたカクテルをバーで提供する関連イベントも。詳細は公式サイト(https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/6201/)へ。
(ライター・ミライ、写真も)