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lebeauphoto
信号待ちのウインカーが一致するとき。
夜、車の運転席に座って信号待ちをしている。
前には、2~3台ほどの車。
軽自動車とSUVと........
先頭の車は見えない。
どうやらどの車も左折するようで、左側のウインカーがチカチカしている。
(余談だが、”ウインカー”は通称で正式には”方向指示器”と言うらしい。)
ぼーっと前を眺めていたが、ふと気づく。
何回かに1回、前の車2台のウインカーが一致する瞬間があるのだ。
「カッチ、カッチ、・・・・・」
あ、また重なった。
どうやらそれぞれの車のウインカーの間隔は異なっているようなのだが、
最大公約数的に数回に1度、完全に一致する瞬間がある。
これはあの車とあの車だけのことじゃない。
きっと世の中のどの車を2台とっても、一致してしまうだろう。
こんなふうに、違うテンポのものでも必ず一致している瞬間が存在する。その一瞬だけを捉えてしまうと、一見まったく同じものと錯覚してしまう。しかし事実は、全く異なるテンポなのだ。こっちが1周目でもあっちは35周目かもしれない。ほとんどずっと違うリズムを刻んでいるのに、たったその瞬間を見ただけで、完全一致しているかのように見えてしまう。
一致しているように見えて、実は異なるリズムがたまたま重なった瞬間かもしれないということを、忘れてはいけないよ。
同じではない。気が合うわけではない。ただ偶然に起きた一つの交わりでしかないことを、忘れてはいけないよ。
趣味でも。仕事でも。人間関係でも。生き方でも。


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