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最速1ヶ月で黄チャート完全攻略|1日9~25問ペース公開+得意/苦手別メソッドでラ・サール式数学I〜Cを制覇!

ラ・サール式 黄チャートを1周する時間と効率的な進め方【数学学習のポイント解説・2025年版】

黄チャートを1周する時間は個人差がありますが、効率的に進めるための目安やラ・サールでの進度を共有します。

ラ・サールでは、黄チャート1冊を一周する目安は1か月です。
というのも、新高1の入学式の直後(4月7日~10日頃)に実施されるテストでは、黄チャート(数I+A)の各1冊全体が出題範囲となっているためです。

そのため、新高1になる春休みの期間中に黄チャート(数I+A)を一通り終わらせておくことが求められています。

 

なお、黄チャートの進め方については、河野玄斗さんも同様のスケジューリングを提案しており、非常に参考になります。河野さんのYouTubeの切り抜き動画を以下に貼っておきますので、ぜひご覧ください。

www.youtube.com

河野玄斗さんもYouTube動画で黄チャートの効果について言及しているように、早めに取り組んでおけば後々の学習が格段に楽になります。
ここの点に関しては、ラ・サールの勉強スタイルと河野玄斗さんの学習法が完全に一致していますので参考にしてください。

例えば、河野玄斗さんは黄チャートを「鬼のスケジューリング」として、数Ⅰや数Aをそれぞれ1か月で1冊終わらせるペースを提唱していますが、数Ⅰや数Aを1冊あたり1か月で終わらせるスケジューリングは、まさにラ・サールのペースと同じです。

実際、ラ・サールでは新高1の入学式直後(4月7日~10日頃)に行われるテストの範囲として、黄チャートの数Ⅰおよび数Aの全範囲が宿題として課されます。つまり、黄チャートを1冊あたり1か月で一周するというスケジューリングは、ラ・サールの現実的かつ標準的な学習速度なのです。

 

このように、先取りして黄チャートを計画的に進めておくことは、大きなアドバンテージになります。ぜひ、河野玄斗さんの勉強法も参考にしながら、自分の学習に取り入れてみてください。

 

黄チャートを1か月で一周する勉強法【各教科ごとの問題数と目安】

黄チャート(『チャート式 解法と演習数学』)は、基礎から応用まで幅広くカバーされている定番の参考書です。1か月で一周するには、どれくらいのペースで進めればよいのか、各分野ごとに問題数を整理し、1日あたりの目標問題数を算出しました。

 

数I(数学I)

  • 例題:157問(基本123問+重要26問+補充8問)

  • CHECK & CHECK:53問

  • Practice(PR):157問

  • Exercise(EX):132問

  • Research & Work:23問

合計:522問 → 約18問/日(522問 ÷ 30日)


数A(数学A)

  • 例題:138問(基本98問+重要37問+補充3問)

  • CHECK & CHECK:35問

  • Practice(PR):138問

  • Exercise(EX):118問(A問題76問+B問題42問)

  • Research & Work:10問

合計:499問 → 約17問/日


数II(数学II)

  • 例題:225問(基本172問+重要48問+補充5問)

  • CHECK & CHECK:77問

  • Practice(PR):225問

  • Exercise(EX):186問(A問題103問+B問題83問)

  • Research & Work:19問

合計:732問 → 約25問/日


数B(数学B)

  • 例題:80問(基本62問+重要18問)

  • CHECK & CHECK:24問

  • Practice(PR):80問

  • Exercise(EX):70問(A問題43問+B問題27問)

  • Research & Work:10問

合計:264問 → 約9問/日


数III(数学III)

  • 例題:181問(基本123問+重要56問+補充2問)

  • CHECK & CHECK:39問

  • Practice(PR):181問

  • Exercise(EX):148問(A問題70問+B問題78問)

  • Research & Work:6問

合計:555問 → 約19問/日


数C(数学C)

  • 例題:150問(基本114問+重要34問+補充2問)

  • CHECK & CHECK:49問

  • Practice(PR):150問

  • Exercise(EX):137問(A問題81問+B問題56問)

  • Research & Work:14問

合計:500問 → 約17問/日


黄チャートを1か月で一周するには1日あたり9問(数学B)〜25問(数学II)を解く必要があります。自分の得意・不得意や進度に応じて、以下のような工夫をすると効率的です。

  • 得意な分野はPR・EXを中心に進める

  • 苦手な分野は例題→CHECK & CHECKを丁寧に解く

  • 時間が限られている場合は例題中心に絞る

  • 週末にまとめて復習・調整日を入れる

ラ・サールでは、1日25問程度を暗記するペースで進めています。1問あたりの暗記にかかる時間は人によって異なるため、上記の時間はあくまで目安として参考にしてください。

ラ・サールでは、1冊を1か月で仕上げるペースです。

 

※ラ・サールでの目安

  • 中3卒業~高1入学前までに、黄チャート 数Ⅰ+数Aを暗記しておくことを推奨します。(理由:入学式直後のテスト範囲が黄チャート 数Ⅰ+数Aだから)

  • 高1の間に黄チャート 数Ⅰ+数Aを完璧にするまで繰り返し復習します。

  • 高1終了~高2直前までに、黄チャート 数Ⅱ+数Bを暗記しておきます。(高1と同様のペースで進めます)

  • 高2の間に黄チャート 数Ⅱ+数Bを完璧にするまで繰り返し復習します。

  • 高2終了~高3直前までに、黄チャート 数Ⅲ+数Cを暗記しておきます。(高2と同様のペースで進めます)

  • 高3の間に黄チャート 数Ⅲ+数Cを完璧にするまで繰り返し復習します。

注意点:

ラ・サールの定期考査・実力考査・週テストでは、与えられた教材(ここでは黄チャート)の全てがそのまま出題範囲となります。

テストの問題も、基本的には黄チャートの例題・PRACTICE・EXERCISESの数字だけを変えたような形式で作られており、しっかりと対策していれば確実に得点できる内容です。(これは、テストの回数が非常に多く、教師側も毎回オリジナル問題を作るのは難しいため、「数字違い問題」を中心とした効率的な出題スタイルが採られているという背景もあります)。

そのため、黄チャートを全ページこなしている生徒は100点や98点といった高得点を当たり前のように取ります。一方で、義務自習の時間中にも全く手をつけていない生徒もおり、そういった生徒は0点、あるいは5点程度の極端に低い点数を取ることも珍しくありません。成績は毎回、最高点・平均点・最低点・校内順位という形で開示され、得点分布は非常に広くなります。平均点は概ね50〜60点前後ですが、生徒ごとの取り組み方次第で結果は大きく分かれます。

さらに特徴的なのは、これらの成績表が、生徒自身が宛名を書いた封筒に入れられ、保護者宛に郵送される*1という点です。

ときに、「息子からの手紙」として保護者のもとに届くこの成績表には、本人の点数だけでなく、最高点・平均点・最低点・校内順位までが明記されており、家庭においても現在の学習状況を明確に把握できるようになっています。ラ・サールでは、このような仕組みを通じて、生徒自身に自律的な学習姿勢を育むことが意図されています。

 

ラ・サールでは義務自習の時間には、一人で黄チャートを暗記します*2

もちろん、黄チャートを一冊丸ごと暗記するのは簡単なことではありません。

しかし、実際にそれをやり切って100点を取る生徒も存在します。逆に、何もやらなければ0点や1ケタの点数になるのも現実です。挫けず、地道に取り組み続けてください。

※舎監(寮の監督者)は主に門限や生活指導を担う体育系の教員が兼ねており、英語や数学といった学習指導は行いません。そのため、義務自習時間に何をどう勉強するかは生徒自身の判断と責任に委ねられています。

 

義務自習って何?

ラ・サールでは、毎晩「義務自習」という時間が設けられています。これは、19:30までに風呂と夕食を済ませ、19:30から22:00までの間、全員が自習室のような環境で勉強するというものです。

この時間帯は、主に「暗記」などのインプット学習に集中します。黄チャートの例題や解法を、まるで英単語を覚えるかのように暗記する生徒も珍しくありません。しかも、多くの生徒は義務自習が終わった後も義務自習室で勉強を続け、消灯となる24:00まで机に向かっています

この学習習慣は、スマホのアラーム機能を使えば、自宅でも同じリズムを再現できます。

たとえば、毎晩19:30に「ラ・サール 義務自習開始」のアラームをセットしておくだけで、ラ・サールの義務自習と「同じタイミング」で勉強を始められます。スマホをペースメーカーとして活用することで、あなたの生活にもラ・サール式義務自習を取り入れることが可能です

「何時になったら勉強を始めよう…」と迷うことが減り、リズムが整ってくると、自然と学習の質も上がっていきます。ぜひ、自分なりの「義務自習」をカスタマイズしてみてください。

 

黄チャートで予習が必要な理由と授業での活用方法

ラ・サールでは、黄チャートでの暗記が終わったら数研出版の教科書教科書傍用問題集「4STEP」または「メジアン」を授業でやります。
教科書→黄チャートの順番と思われがちですが、ラ・サールでは先に黄チャートで解法を暗記します。
黄チャートは基本的な解法を網羅しているため、黄チャートを先に暗記することで、教科書の説明を理解しやすくなります。
その結果、速いスピードで教科書の説明が進む授業でもスムーズに追えるようになります。
また、教科書の説明を待たずに問題にも取り組めるため、学習能率が向上します。
 

黄チャートの後に教科書傍用問題集で解法パターンを演習+増やす

教科書と教科書傍用問題集「4STEP」「メジアン」は略解しかなく、詳しい解き方が記載されていないため、ラ・サールの授業ではこの傍用問題集の問題を一度に5~7人ほど指名し、同時に黒板の前で問題を解かせる形式が取られます。*3*4
そのため、予習として黄チャートで解法をあらかじめ暗記しておく必要があります。
なぜなら、黄チャートで解法暗記をしていないと、黒板の前で何も書けずに立ち尽くすことになり、「こいつ、できない奴だな」と周りに思われてしまいます。そうなると、寮生活の中で軽く見られたり、学校生活の中でも肩身が狭くなったりして、精神的にもきつくなるため、黄チャートで予習は半ば必須なのです。

※同様の形式は数学だけでなく現代文の授業でも見られます。東大型の記述問題を題材に、5~7人を同時に黒板に当てて解答を書かせ、それに対して教師がその場で講評を加えるというスタイルが取られています。

 

入学前に黄チャートをやる指示があるように、チャートの解法暗記は自分で行う必要があります
義務自習でも黄チャートの解法暗記は自分で行う必要がありますので、入学までの間に黄チャートを1問でも多く暗記しておきましょう。

また、青チャートでなくて大丈夫かと思われる方もいると思いますが、ラ・サール式では黄チャートを完璧にすることで「典型問題」をつぶし、数学における“基礎力の完成”=最低ラインの突破を狙っています。
そしてそのラインを超えたところから、本格的な演習や応用へと進んでいく、という考え方です。

以前は、黄チャートを中途半端に終えたまま本番に突入する受験生も少なくありませんでした。
しかし最近では、黄チャートでしっかり基礎を固めることの重要性が見直されてきていると感じます。

 

青チャートと迷っている方は、下記の記事をご覧ください。

lasallelasalle.hatenablog.jp

青チャートはたしかにレベルの高い問題集です。しかし、「到達レベルが高そうだから」という理由だけで安易に飛びつくのは危険です。

まずおすすめしたいのは、黄チャートのExercise(章末問題)を本屋などで立ち読みしてみる*5こと。
もしそれらがスラスラと解けるようであれば、黄チャートの内容はすでに十分身についているはずです。その場合は、自分に合った難易度の問題集(青チャートでも赤チャートでも)を選ぶとよいと思います。黄チャートのExercisesがスラスラ解けている状態なら、いきなり、「1対1対応の演習」や「教科書傍用問題集」を始めても、十分解法を理解できるレベルに達しています。

一方で、Exerciseに取り組んでみて「ちょっと詰まる」「考え込む」ような感覚があれば、まずは黄チャートをしっかり仕上げることを強くおすすめします。

※ 青チャートを強く推す人を見かけると、少し引っかかることがあります。
もちろん本人は良かれと思って勧めているのかもしれませんが、「数学に時間をかけさせて、他の科目の勉強時間を削らせるような結果になっていないか?」と考えてしまうのです。

受験は、情報戦でもあります。青チャートで消耗している間に、自分は黄チャートでサクサクと解法暗記を進め、他の受験生より一歩リードしていく。
まるでRPGで、敵と無駄な戦闘を繰り返しているライバルを横目に、自分は最短ルートでラスボスに向かっているような感覚です。

黄チャートは、「解法暗記」という観点から見れば、受験数学における“攻略本”のような存在です。
青チャートのように網羅性は高くなくても、必要なアイテム(典型問題とその解法)はしっかり揃っていて、効率よくステータス(学力)を上げられるのです。

受験数学というこの“点取りゲーム”で勝ち抜くためには、どの武器(参考書)を使うかが重要。
そして黄チャートは、「時短で基礎〜標準をマスターし、応用への足場を作る」という点で、非常にコスパ・タイパが良い教材です。

 

黄チャート後の学習ステップ

学習の流れ

  1. 黄チャート: 解法の暗記(基本)

    • 週テストの範囲となる教材(義務自習で暗記。授業で解説はしない)

    • 新課程 チャート式 解法と演習数学I+A

    • アフィリエイトリンクは一切使用しておりません。こちらは出版社の教材紹介のURLです。ぜひ、Amazonや街の本屋さんで実際に手に取って、黄チャートのExerciseが解けるかどうかをご確認ください。

  2. 教科書と教科書傍用問題集「4STEP」: 生徒が授業で解いて教師が解説

  3. 1対1対応の演習(東京出版): 解法の暗記(応用)

  4. 実戦 重要問題集(数研出版): 高3で使用 ※新課程版は解説が充実しているので義務自習で暗記(定着したかを図るため授業で解かせて解説)

  5. 新課程数学の構成 入試問題集(数研出版): 高3で使用 ※新課程版は解説が充実しているので義務自習で暗記(定着したかを図るため授業で解かせて解説)

  6. 新数学演習(東京出版): 週テストの範囲となる教材(授業で解説はしない)

    2024年9月増刊 新数学演習 - 東京出版の公式直販オンラインショップ 東京出版WEB STORE

高3での転換

高3では模試が増え、インプットよりもアウトプットが重視されます。それまでに黄チャートなどでしっかり基礎を固めておく必要があります。

 

焦らず、着実に。河野玄斗さんが「鬼のスケジュール」というように、黄チャートを完璧にするのは挫折することが多く、ラ・サールでも挫折者が多いですが、東大や医学部に合格している生徒はみんな黄チャートを仕上げています。黄チャートを完璧に仕上げれば、必ず数学の学力はラ・サール上位レベルに達します。一歩一歩、着実に積み重ねてくださいね。

参考になりましたら幸いです。

*1:全く同じ成績表が2枚配られると同時に、封筒も配られます。生徒はこの封筒に成績表を入れ、保護者の宛先を書いて教師に返却します。

*2:舎監(寮の監督者)は主に門限や生活指導を担う体育系の教員を兼ねており、英語や数学といった学習指導は行いません。そのため、義務自習時間に何をどう勉強するかは生徒自身の判断と責任に委ねられています。

*3:授業の進度や時間の都合上、すべての問題を扱えない場合は、*印が付された問題を中心に演習が行われます。

*4:同様の形式は数学だけでなく現代文の授業でも見られます。東大型の記述問題を題材に、5~7人を同時に黒板に当てて解答を書かせ、それに対して教師がその場で講評を加えるというスタイルが取られています。

*5:もしも立ち読み防止のためにビニール包装されていて中の問題を確認できない場合は、購入を前提として『黄チャートか青チャートか、どちらかを買う予定なので、数問だけ中身を確認させてほしい』と書店員さんに伝えてみましょう。たいていの場合、快くビニールを外して見せてくれます。もし相手が少し頑固そうなら、このページをスマホで見せて説明するとスムーズかもしれません。遠慮せず、黄チャートのExerciseが自分にとって適切なレベルかどうか、しっかり確認して選びましょう。親切な書店では、黄チャートのExerciseだけを立ち読みできる専用コーナー(黄チャートか青チャートか選ぶための)を設けていることもあるかもしれません。もし私が書店員なら、きっとそうすると思います。

ラ・サール式 黄チャート活用法マニュアル

〜最速で基礎を固め、入試レベルまで到達する学習ロードマップ〜


【第1章】学習の基本方針

🔰 ラ・サール式を参考にした3つの原則

  1. 先に暗記 → 後から理解

    • 教科書よりも先に黄チャートで「解法パターンの暗記」を優先。

  2. 1ヶ月で1冊完了

    • 黄チャート1冊(数学I/A/Ⅱ/B/Ⅲ/C)を約30日で終えるスピード感。

  3. 復習こそ本番

    • 解けなかった問題・うろ覚えの問題は3回以上解き直して完全定着。


【第2章】1日の学習スケジュール例

時間帯 内容 備考
朝(30分) 前日やった例題の復習(5~10問) アウトプット重視
午後(1〜2時間) 新しい例題20~30問を学習 インプット重視
夜(ラ・サールでは義務自習19時~22時(24時まで延長可)) 新しい例題20~30問を学習・今日の解けなかった問題を再確認 インプット重視・間違えた理由をメモする

※時間が取れない日は「復習重視」でOK


【第3章】黄チャート活用のステップ

📌 ステップ1:準備(使用教材)

  • 黄チャート

  • チャート専用ノート(必要に応じて)

  • 教科書 or 4STEP(必要に応じて)

  • 1対1対応の演習(応用パターンの解法暗記、後半で使用)


📌 ステップ2:1周目(インプット重視)

手順 内容
各章の「要点チェック」で基本知識を確認
例題だけを解く(Exerciseは後回し)
解けなかった問題には ✅印と解法メモを記録
解答を見て、**「なぜその式が出るのか」**を考える

→ 重要:この段階では完全暗記を目指す必要なし


📌 ステップ3:2周目(定着)

手順 内容
✅印をつけた問題を中心に再挑戦
今回も解けなかったら再度✅+✕(ダブルマーク)
似た問題を横展開して理解を広げる

📌 ステップ4:3周目以降(仕上げ)

  • ✅✕問題を 完答できるまで繰り返す

  • 自分で時間を測ってアウトプット練習(テスト形式)


【第4章】月間スケジュール例(数学Ⅰ)

期間 進捗目標例
1〜10日目 例題を1日20問ずつ学習(計200問)
11〜20日 残りの例題を進めつつ、前半の復習
21〜25日目 苦手例題の再挑戦+整理
26〜30日目 テスト形式の演習(予備日)

【第5章】応用ステップ

🔄 ステップ5:1対1対応の演習へ進む

  • 黄チャートで基礎固め完了後は、1対1で応用パターンの解法暗記

  • 例題→演習問題という流れが黄チャートに近く、自学に適している


【第6章】学習を定着させる工夫

✅ 解法記憶ノート

  • 自分が苦手な問題だけをピックアップした「解法パターンノート」を作る

  • 各問題ごとに「考え方・使う公式・解法の型」を整理して記録

✅ テスト形式の練習

  • 週末に10問程度を時間制限ありで実施

  • 解けなかった問題は再度ノートにまとめて分析


【第7章】よくある失敗と対策

失敗例 対策
解説を読んだだけで「わかった気」になる 必ず自力で手を動かすこと
苦手問題を放置する ✅マークを使って明示し、後回しにしない
1問に30分以上かかる 時間制限を設け、わからない時は潔く解説へ

【第8章】Q&A

Q. 黄チャートだけで本当に大丈夫?

ラ・サールでは、黄チャートを完璧にすることで「典型問題」をつぶし、数学における“基礎力の完成”=最低ラインの突破を狙っています。
そしてそのラインを超えたところから、本格的な演習や応用へと進んでいく、という考え方です。40年以上にわたり、ラ・サールは黄チャートの全問を完璧に仕上げて東大・国立医学部に合格させているのが何よりの証拠です。また、河野玄斗さんも、「黄チャート1冊を1か月で1周する」学習法を推奨しています。

Q. 学校で青チャートが配られたんだけど?

→ 青チャートは理解に時間がかかることも。テンポよく進めたいなら、黄チャートで例題〜Exerciseまで全問解き切る方が早く到達できる。暗記する解法パターンの数はさほど変わらない。ラ・サール式では青チャートは不要で、黄チャートを完璧にすれば十分です。

Q. 自分は黄チャートをやるべきか、青チャートをやるべきかわからない

→ 以下の記事をご覧下さい。

lasallelasalle.hatenablog.jp

 


🔚 まとめ:黄チャート活用で得られる3つの力

  1. パターン認識:典型問題を瞬時に見抜く力

  2. 再現力:同じ問題を確実に解ける「型」の定着

  3. 計画力と継続力:日々の積み上げによる学習習慣

黄チャートだけで十分?ラ・サール式勉強法と青チャートの違いを徹底解説

〜青チャート沼にハマる前に、立ち止まって考えてほしいこと〜

青チャートを強く推す人を見かけると、少し引っかかることがあります。
もちろん本人は良かれと思って勧めているのかもしれませんが、「数学に時間をかけさせて、他の科目の勉強時間を削らせるような結果になっていないか?」と考えてしまうのです。

受験は、情報戦でもあります。青チャートで消耗している間に、自分は黄チャートでサクサクと解法暗記を進め、他の受験生より一歩リードしていく。
まるでRPGで、敵と無駄な戦闘を繰り返しているライバルを横目に、自分は最短ルートでラスボスに向かっているような感覚です。

黄チャートは、「解法暗記」という観点から見れば、受験数学における“攻略本”のような存在です。
青チャートのように網羅性は高くなくても、必要なアイテム(典型問題とその解法)はしっかり揃っていて、効率よくステータス(学力)を上げられるのです。

受験数学というこの“点取りゲーム”で勝ち抜くためには、どの武器(参考書)を使うかが重要。
そして黄チャートは、「時短で基礎〜標準をマスターし、応用への足場を作る」という点で、非常にコスパ・タイパが良い教材です。

 

青チャートはたしかにレベルの高い問題集です。しかし、「到達レベルが高そうだから」という理由だけで安易に飛びつくのは危険です。

まずおすすめしたいのは、黄チャートのExercise(章末問題)を本屋などで立ち読みしてみる*1こと。
もしそれらがスラスラと解けるようであれば、黄チャートの内容はすでに十分身についているはずです。その場合は、自分に合った難易度の問題集(青チャートでも赤チャートでも)を選ぶとよいと思います。黄チャートのExercisesがスラスラ解けている状態なら、いきなり、「1対1対応の演習」や「教科書傍用問題集」を始めても、十分解法を理解できるレベルに達しています。

一方で、Exerciseに取り組んでみて「ちょっと詰まる」「考え込む」ような感覚があれば、まずは黄チャートをしっかり仕上げることを強くおすすめします。

ラ・サールでは、黄チャートを完璧にすることで「典型問題」をつぶし、数学における“基礎力の完成”=最低ラインの突破を狙っています。
そしてそのラインを超えたところから、本格的な演習や応用へと進んでいく、という考え方です。

黄チャートを完璧にした後は、志望校の過去問、教科書傍用問題集、新スタンダード演習、やさしい理系数学、プラチカ、重要問題集(数研出版)など、自分の目標やスタイルに合った演習教材に取り組めば十分です。

以前は、黄チャートを中途半端に終えたまま本番に突入する受験生も少なくありませんでした。
しかし最近では、黄チャートでしっかり基礎を固めることの重要性が見直されてきていると感じます。


ゲームにたとえるなら、こんな感じです

黄チャートを飛ばしていきなり青チャートから始めるのは、ゲームでいうなら次のような状況に似ています。ピンときたゲームがあればいいのですが…

  • ポケモン:最初の草むらでレベル上げ(黄チャートでの解法暗記)もせず、いきなりジム戦に挑む(青チャート以上に取り組む)ようなもの。まずは野生ポケモン相手に経験値を稼ぎ、タイプ相性や基本戦術を覚えるところから始めましょう。それが黄チャートでの解法暗記です。

  • スプラトゥーン:エイム練習も立ち回りもできていないのに、Xマッチで勝とうとするようなもの。まずはナワバリバトルで基礎を叩き込みましょう。それが黄チャートでの解法暗記です。

  • マリオ:操作方法も覚えていないまま、いきなりクッパ城に挑戦するようなもの。まずは1-1から、少しずつステージを進めていきましょう。黄チャートは1-1から始まります。青チャートは4-1から始まるようなものです。

  • Apex Legends:リコイル制御も連携もわからないまま、いきなりランク戦に挑むようなもの。ボコボコにされてモチベーションを失ってしまいます。最初はカジュアルマッチで感覚を身につけるのが基本。それが黄チャートでの解法暗記です。

  • Minecraft:木も切らずに、道具も作らずに、いきなりエンダードラゴンに挑むようなもの。まずは木を切って、斧や剣を作るところから。黄チャートでの解法暗記はその“最初の木こり”にあたります。


保護者の方へ(ドラクエ世代の皆様に)

黄チャートを飛ばして青チャートに手を出すのは、ドラクエIIIで言えば、レベル3のままアリアハンを出てロマリアに向かうようなものです。
準備不足のまま強敵と戦えば、当然のように全滅してしまいます。

まずはアリアハン周辺でレベルを8まで上げ、装備を整えてからロマリアへ向かうのが王道ですよね?
それと同じように、アリアハン(黄チャートでの解法暗記)で基礎を固めてから、次のステップへと進んでほしいと願っています。

ラ・サールでは、高1入学式直後のテストは「ロマリアに行く」ことを意味します。そのため、高校入学までの春休みのうちにアリアハン(黄チャート数Ⅰ+A)で少なくともレベル8あたり(黄チャート数Ⅰ+Aをそれぞれ一周すること)までレベルを高めておく必要があるのです。


おわりに

黄チャートは、決して“簡単すぎる問題集”ではありません。
基礎から応用への橋渡しとして、しっかりと作り込まれた一冊です。

今の自分に必要なのは「より難しい問題」か、それとも「確かな基礎の積み上げ」か。
冷静に自分の実力を見極めながら、最適な選択をしてほしいと思います。

焦らず、着実に。黄チャートを完璧に仕上げれば、必ず数学の学力はラ・サールレベルに達します。一歩一歩、着実に積み重ねてくださいね。

 

参考になりましたら幸いです。

*1:もしも立ち読み防止のためにビニール包装されていて中の問題を確認できない場合は、購入を前提として『黄チャートか青チャートか、どちらかを買う予定なので、数問だけ中身を確認させてほしい』と書店員さんに伝えてみましょう。たいていの場合、快くビニールを外して見せてくれます。もし相手が少し頑固そうなら、このページをスマホで見せて説明するとスムーズかもしれません。遠慮せず、黄チャートのExerciseが自分にとって適切なレベルかどうか、しっかり確認して選びましょう。

ラ・サール式 現代文・古文漢文の学習法

ラ・サールでは、生徒たちが現代文の授業でより深い理解を得られるよう、独自の教育方法を採用しています。
この記事では、その授業スタイルや使用される教材、演習方法についてご紹介します。

授業スタイル

ラ・サールの現代文授業では、数学の授業と同じく、黒板を使ったインタラクティブな学習スタイルが取り入れられています。

現代文の授業では、東大型の設問を教師が出題し、生徒が5~7問ずつ黒板の前で解答を書きます。

生徒は黒板に向かって自らの答案を書き、その場で教師からの添削と解説を受けます
この方法により、生徒は即座にフィードバックを受け、理解を深めることができます。

このプロセスを通じて、生徒はその場で添削を受けることができ、また、同じレベルの生徒同士で解答水準を比較することが可能になります。

 

教材

授業では、教科書や評論・小説のプリント、そして学校が採用している演習問題集が使用されます。
これらの教材は、他の一般的な学校で使用されているものと大きな違いはありませんが、時代に応じて更新され、最新の情報に基づいています。

 

古文漢文のアプローチ

ラ・サールの古文漢文授業の取り組みは、多くの方が想像する伝統的なスタイルを踏襲しています。すなわち、教科書を中心に読解を進め、教師が詳細な解説を行うことで、生徒たちは古典文学の理解を深めています。

 

教材

古文漢文においては、新しい教材の方が有益であることが多いため、ラ・サールでは最新の教材を採用しています。これらは市販のものと大きな違いはなく、生徒たちにとってアクセスしやすいものです。教科書やZ会の市販の問題集のほか、「原色 小倉百人一首」(文英堂)が配布され、それらの文章や和歌から考査・週テストが出題されます。

古文漢文では、週テストの題材として「最強の古文 読解と演習50」(Z会出版)まで出題されることがあります。この問題集は非常に高いレベルを要求される内容となっています。

 

まとめ

ラ・サールの現代文授業は、伝統的な学習方法と現代的な教材を組み合わせることで、生徒たちの学習体験を豊かにしています。教師の即時のフィードバックと同級生との比較を通じて、生徒たちは自身の理解を深め、学習の質を高めることができます。

 

その他の科目については以下をごらんください。

lasallelasalle.hatenablog.jp

 

このシステムは本当に素晴らしいので、学校を信じて勉強を頑張ってください!

ラ・サール式勉強法:効果的な数学学習のポイント

ラ・サールの勉強法は伝統的なカリキュラムであり、数々の生徒を東大・国立医学部など名門大学に送り出してきた実績があります。この記事では、数学学習の基本から長期休暇の対策まで、ラ・サール流の勉強法を紹介します。

*なお、当ブログでは、「実戦 重要問題集」という表現は、一般的な意味ではなく、ここでは数研出版の教材「実戦 重要問題集」を指しています。同様に、「1対1対応の演習」という表現も、一般的な意味とは異なり、東京出版の教材「1対1対応の演習」を指しています。

1. 数学学習の基本1: 黄チャートからのスタート

数学学習の基礎となるのが、黄チャートです。
新高1に入学すると、チャート式 解法と演習 数学Ⅰ+A(通称・黄チャートⅠ+A)が必要とされます。
黄チャートでの予習は必須であり、春の学習が重要です。

2. 数学学習の基本2: 傍用問題集で解法パターンを演習

教科書傍用問題集「4STEP」(数研出版)は、学校側から配布されます。
授業で解かせるための教材であり、解答解説が簡略化されています。
黄チャートで解法のパターンを覚え、その知識をもとに演習を行います。

3. 数学学習の基本3: 黄チャート+傍用問題集で1対1対応の演習に取り組む

黄チャートと傍用問題集で解法パターンを暗記した後は、「1対1対応の演習(東京出版)」に取り組みます。
考査や週テストでは、問題の数字が変わって出題されますが、解法は同じです。
黄チャートと傍用問題集を使って解法パターンを増やし、1対1対応の演習に備えます。

4. 考査・週テスト

考査や週テストでは、黄チャート、教科書傍用問題集「4STEP」、1対1対応の演習、重要問題集(数研出版)から問題が出題されます。
解き方は同じで、数字を変えたものが出題されるため、解説が載っている教材をしっかり覚えることが重要です。

5. 長期休暇(夏休み、冬休み)

長期休暇の宿題は、進行中のチャートや教科書の問題全てに加えて、傍用問題集「4STEP」や「1対1対応の演習(東京出版)」、教員が適当とする問題集も含まれます。
これらの問題を1日30題程度暗記する必要があります。

具体的な勉強法や教材情報はこちら

lasallelasalle.hatenablog.jp

まとめ

ラ・サールの勉強法は伝統的なカリキュラムであり、数々の生徒を名門大学に送り出してきた実績があります。

このシステムは本当に素晴らしいので学校を信じて勉強を頑張ってください。