この記事を読んで、新幹線に限らず電車・列車などで女性の運転士さんというのはどれくらいいるのだろうと思い、インターネットで検索してみました。JR東海の在来線で2003年8月27日に5人、富士急行線で2003年8月26日に初めて一人、営団地下鉄銀座線で2003年3月14日から一人乗務を開始しています。「思っていたよりもたくさんいるんだな」と思いました。1999年の労働基準法改正で、女性の深夜労働が緩和されたため女性の乗務が可能になったようです。
◆運転士さんという職業は、2003年版「新一年生と親の就きたい職業、就かせたい職業」というアンケートでは男の子の就きたい職業2位に入っていて、過去3年間でいずれも上位に入っています。男の子の憧れる職業というイメージが強く、今も女性の進出などあり得ないと思われた分野だと思われがちですが、やはり男女雇用機会均等法以後着々と女性の社会での立場は変わりつつあるのでしょう。
◆逆に、以前は当然のように女性の職業というイメージだった看護婦・保母さんなどに男性が就くようになり、最近は、看護士・保育士と名称を変えることとなりましたね。男女間の雇用の格差をなくしていこうという努力の現れともいえると思います。
◆しかし、この記事の中で少し気になった点もあります。それは、JR東海に採用された女性社員が研修で運転士を務めたが、その後別の業務に就いているという点です。本人の意向で別の業務に就いたのであれば仕方ないことだと思いますが、イメージアップやPRの為に「女性運転士」というニュースが利用されたとしたら、少しがっかりしてしまいます。同じ女性として、腹立だしくさえ思います。
◆私がそんなふうに考えてしまうのは、均等法以後、「女性を積極的に採用する」というアピールが単に企業のイメージアップに利用されたと思われるケースも少なくないと感じたことがあるからです。これは、あくまでも私個人の体験からくる主観で、ちょっと物事を斜めに見すぎている点もあるかと思います。
◆でも、そんな私の心配はともかく、この記事に掲載されていた写真の女性運転士さんたちはうれしそうな笑顔、希望に満ちた表情をしています。その笑顔に私も励まされました。きっと、しっかりと「運転士の仕事」に取り組んでいらっしゃることでしょう。女性の活躍の場が広がっていくことは本当に喜ばしいことです。
◆もちろん、男性向き・女性向きの仕事というのは実際存在するとは思いますが、個人の適正というものがもっともっと尊重されるような社会になってほしいと願っています。現在3ヶ月の娘が就職する時代には、男女差別を感じないような社会を作れるよう、親として私もできる限り努力していきたいです。そして、本当に男女平等な社会というのは、このようなことが珍しくなく、記事にもならないような社会なのだろうなと思います。
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