“就職氷河期世代”支援強化へ初会合 住宅確保など支援策検討

いわゆる「就職氷河期」世代への支援を強化するための関係閣僚会議が初会合を開き、石破総理大臣は氷河期世代が今後、高齢化することを見据え、資産形成や住宅の確保などの支援策を検討するよう求めました。

総理大臣官邸で開かれた初会合には、石破総理大臣や担当する三原大臣らが出席しました。

この中で石破総理大臣は昨年度までの5年間、集中的に行ってきた支援について、「31万人の処遇改善がなされるなど着実に成果が得られてきたが、なおさまざまな困難を抱えている方々が大勢いる。ニーズに応じて適切かつ効果的な支援を行うことは待ったなしの課題だ」と述べました。

その上で、氷河期世代が今後、高齢化することを見据え、資産形成や住宅の確保などの支援策を検討するよう求めました。

さらに、リスキリング=学び直しの支援拡充や、公務員や教員への積極的な採用、それに農業や建設業、物流業の就労拡大などに取り組み、こうした施策を夏にまとめる「骨太の方針」に盛り込むよう指示しました。

三原担当相「石破首相の指示に基づき施策充実させたい」

「就職氷河期」世代への支援を担当する三原大臣は、閣議のあとの記者会見で「『氷河期』世代はバブル崩壊後の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行ったため、今もなお、賃金の増加が緩やかだったり保有する金融資産が少なかったりするなどの課題に直面している。詳細な実態調査や支援策の周知も課題として認識しており、石破総理大臣の指示に基づきしっかりと施策を充実させていきたい」と述べました。

福岡厚労相「わが国の将来に関わる重要な課題」

福岡厚生労働大臣は25日の閣議後の会見で「本日の関係閣僚会議において、総理からは就労処遇改善に向けた支援、社会参加に向けた段階的な支援、高齢期を見据えた支援という三本柱に沿って、関連政策の充実強化に向けた検討を行うよう指示があった」と述べました。

その上で「就職氷河期世代の方々への対応は、わが国の将来に関わる重要な課題だというふうに認識をしている。これまで取り組んできた就労や社会参加の支援に加えて今後は老後に対しての不安やいわゆる『8050問題』にも視野を広げ、従来の取り組みの成果や閣僚会議における議論も踏まえながら、必要な対策を検討して参りたい」と述べました。

国民 榛葉幹事長「さらに議論深める」

国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「政府の政策を見たら国民民主党のままだ。ただ抜け落ちていたのは年金問題をどうするかということだ。まだ議論しているところだと思うので見守りたいが、与野党を超えて就職氷河期世代の対策を考えることはすばらしいことであり、さらに議論を深めしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

就職氷河期世代の就労支援は

バブル経済崩壊後の雇用環境が厳しかった1993年から2004年ごろに就職活動を行っていた人たちを国は「就職氷河期世代」としていて、全国で1700万人以上いるとされています。

国は氷河期世代のうち、正社員を希望しながらパートやアルバイトなどの非正規雇用で働く「不本意非正規」の人、仕事に就けず悩んでいる人などを対象に2020年度から5年間、集中的に就労支援を行いました。

具体的には、全国のハローワークに専門窓口を設置し、従業員を非正規雇用から正規雇用に転換したり、派遣で働く人を直接雇用したりした企業への助成金を設けました。

また、仕事をしていない人を対象に「地域若者サポートステーション」でコミュニケーションやビジネスマナーを学ぶ講座などを通して就職に向けた準備から職場への定着までを一貫して支援してきました。

内閣府によりますと、こうした支援の効果もあり、去年までの5年間で、会社役員を含めて正規雇用の労働者は31万人増え「不本意非正規」の人は11万人減少したとしています。

就職氷河期世代は、社会に出ておよそ20年から30年がたち、現在、年齢は50代前半から30代後半になりました。

内閣府は「就職氷河期世代の人は賃金の上昇率が低く、金融資産も上の世代に比べて少ないことから、そこに焦点を当てて、今後の対策を検討したい」としています。

厚生労働省は今年度、ハローワークに設置する専門窓口について支援する人の対象年齢を59歳から35歳の人に広げるとともに、民間の事業者に委託して中高年の人たちがこれまでの仕事を振り返り悩みを共有することで、今後のキャリアを築きやすくするセミナーを開催するなどして、引き続き、就労支援を行っています。

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