任天堂が6月5日に日本や欧米で発売する家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の中国本土での発売を見送る。もともと4月2日に公表されたプレスリリースによれば、スイッチ2は「日本、北米地域、欧州地域、豪州地域、アジア地域(中国を除く)での発売を予定しております」と言及していた。転売ヤーの動きに影響はあるのか。

 日本語・国内専用版は4万9980円、多言語対応版は6万9980円となっている。抽選販売の応募は日本国内だけで約220万人を超え、任天堂は公式Xで「相当数のお客様が当選しないことが想定されます」として謝罪。当選者の発表は24日に行われる。

 世界的な人気を誇るスイッチの後継機だけに注目度も世界規模だ。しかし、中国での発売は今のところない。中国本土で発売しない決定には、ゲームソフトに対する中国当局の規制が厳しく、現行機の売り上げ台数も伸び悩んでいたことが一因となっているようだ。

 当局がソフトを審査するが、国家、指導者などを中傷すると解釈されるものは却下される。また、台湾や南シナ海などについて、中国が主張する国境と異なる地図で表現することも却下の対象となる。格闘ゲームなどには〝暴力〟の表現が不可欠となるが、当局は暴力を助長することを許さない。ソフトが自由に出せないため、ハードの売り上げも伸びないわけだ。

 中国事情通は「規制に対応したソフトしか販売できないので、現行機のスイッチは中国版ソフトが十数本ぐらいしか出ていないんじゃないでしょうか。それなら中国人も〝中国版〟スイッチは買わないでしょう」と指摘する。

 さらに今回、スイッチ2は、新しい機能として「ゲームチャット」を装備している。「ゲームをプレーしながら、離れた場所にいる最大12人のフレンドとチャットすることができます。当局が監視できない〝集会〟ができてしまう可能性があるので、当局としても苦々しかったでしょう」と同事情通。

 そうなると、日本語・国内専用版スイッチの需要があるかもしれない。かつて、中国人の〝転売ヤー〟は、現行機のスイッチを日本で買って、中国で高値転売していた。

「コロナ禍、スイッチ販売日となると、中国人転売ヤーが買い占めに走り、日本人の手に渡らないという状況が続きました。ある家電量販店は入荷したのに、店内に『スイッチ売り切れ』という紙を張り、ネイティブな日本語で店員に問い合わせてきた人には、こっそりと販売するという形を取っていました。その日本人を買収する中国人転売ヤーもいて、店としては同じ日本人に2台目を売らないという対応を取るはめになりました。とにかく日本人の手に入らないという事態が深刻だったんです」(同)

 しかし、スイッチ2はそうならないとみられる。スイッチ2は「リージョン(地域)ロック」がかけられているからだ。

「日本語・国内専用版のハードは、日本語版ソフトしか使えないということです。ロールプレーイングゲームなど、今の面白いゲームは大量の文章を読みながら進行しますから、日本語に堪能じゃないと遊べないということです。しかも、中国ではソフト規制が強い。その上、購入する際の抽選が厳格で、『現行機で50時間以上のプレー実績』など、中国人転売ヤーは手を出そうと思わないでしょう」と同事情通は話している。

 抽選に外れても転売ヤーがいなければチャンスはありそうだ。