発達障害扱い炎上の本 著者の肩書を修正 「心理カウンセラー」に
発達障害の当事者を動物のイラストで表現して「職場の困った人」として取り上げ、発売前にSNS(交流サイト)上で批判が殺到した書籍「職場の『困った人』をうまく動かす心理術」(三笠書房)について、出版社が著者の肩書を修正した。24日にも通販サイトなどで発売される。 【写真】肩書が修正される前の本の表紙 この書籍を巡っては、12日に著者の神田裕子氏が書籍見本をX(ツイッター)上に投稿したことをきっかけに、批判が噴出した。表紙や目次などで、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の当事者を職場の「困った人」と表現し、ナマケモノなどの動物のイラストで記載している。当事者団体が「差別的表現が含まれている」として抗議声明を発表。発売差し止めを求める署名活動も起きている。 毎日新聞が18日までに入手した発売前の書籍では神田氏の肩書は「産業カウンセラー」と表記されていたが、出版元の三笠書房のホームページと通販サイトでは、23日までに「心理カウンセラー」に変更されていた。 産業カウンセラーの資格試験を運営している日本産業カウンセラー協会によると、現在は神田氏の産業カウンセラーとしての登録はないという。 この試験は、1992年に旧労働省認可による技能審査となったが、2001年に厚生労働省が公益法人などによる技能審査の認定を廃止し、現在は民間資格となっている。 産業カウンセラーは商標であり、これを使用して活動するには協会に登録する必要がある。 ◇三笠書房「商標権に関するトラブルを避けるため使用を控えた」 三笠書房は23日、毎日新聞の取材に肩書の変更を認め、産業カウンセラーの商標権者である日本産業カウンセラー協会から使用を禁止する警告を受けて「商標権に関するトラブルを避けるために使用を控えた」と経緯を説明した。 神田氏は99年1月に旧労働省の認定資格だった「産業カウンセラー」資格には合格しており、「著者は同協会が商標を登録されるはるか前から、約30年間この資格を表示して」きたことを踏まえ、今回の出版でも当初この肩書を使用したという。 書籍のタイトルなどに用いていないことなどから、「商標権の侵害にはあたらない」としつつ、「引き続き法律の専門家と協議検討する」とした。【待鳥航志】