俺は所謂転生者って奴だ。前世を散々楽しみ尽くした。嫁にも子供にも孫にも、アニメやら漫画とかラノベまで布教したおして、皆立派なオタク(?)に染めて大往生した身である。
日本人だった自分には割かし馴染み深い極東の山間にある寒村に産まれ、
何てことを思いながら刀背負って山ん中駆けずり回ってたら、いつからか自分の中の魔力? とかそこら中に漂ってるそれっぽいのをコントロール出来るのに気付いた俺は「いけるか?」と色々試し、それらを弄ってなんちゃって
んで18歳になったある日の事、ノリで「都会で一旗揚げてくるわ!」と
なんでかって?
オラリオ到着直後にフレイヤ様とエンカウントしたからだよ
いや、ポイントを押さえて見れば悪い神じゃないよ? 伴侶探してるけど見つからなくって、恋を知らぬが故にちょっっっっっと拗らせまくってて、性に奔放なヤンデレってだけで……こうして挙げてくと、思った以上に酷いな?
「初めて目にした輝きだったから欲しくなったの。ダメかしら?」
ダメに決まってんじゃん!? そう言うのは
「僕は
何で知ってんだと言わんばかりの視線の圧に「外じゃ割と有名です」って言っといた。
それこそミアハ様やヘスティア様んとこぐらい零細(失礼)なら自由に出来るけど、ここじゃ毎日殺し合いで出会いどころかダンジョン無ェのと一緒じゃん!? 出会いもダンジョンも皆無の
口を開けば女神様かめでてー連中だな頭お花畑かお前らそんなんだから都市最強しか絶対悪に並べねーんだよバーカバーカ!!
とか錯乱してたら突如後頭部に衝撃、意識は即ブラックアウトした。本音が口から零れたんかな……大丈夫? 頭から脳味噌零れてたりしない? そん時ゃ残念無念また来世って事で……。
で、気付いたら豪華な天蓋付きベッドの上にいた。
気配を感じてそちらに目を向ければめっちゃイイ笑顔のフレイヤ様と、めっちゃ殺気立っている幹部様方。いやオッタルさんは何か熱っぽいと言うか……。腹黒ド畜生眼鏡師匠ことヘディンさんに至っては、血走った目ぇカッ開いて俺を……と言うか、背中をガン見してらっしゃる。視線で穴でも空けるつもりでいらっしゃる?
ハハハまさかハハハ……。つーか何で半裸なん? これ完全に掘られて……もとい、刻まれてるよね? フレイヤ様謹製の『
「改めて宜しくね?
微笑みながらフレイヤ様がこちらに紙を差し出した。あぁやっぱり……と穢された気分で紙を受け取り、そこに記されたモノに目を通す。
ところでいつまで跨られてたらいいんですかね? もうちょっとこのままで? そうですか。
オザキ・琥珀
Lv.1
力 :I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
《魔法》
【デア・ヴァナディース】
・広範囲回復魔法
・
・短文詠唱
・光属性
・詠唱式【我が背の君に
【】
【】
《スキル》
【
・詠唱式を無視して魔法を発動可能。
・魔法効果減少。消費精神力増加。
【
・周辺魔力を収束、制御する。補正効果は魔力に依存する。
・周辺魔力を吸収、精神力を回復する。
・スキル発動時、発展アビリティ【精癒】の一時的発現。
・補正効果はLv.に依存する。
【
・スキル発動時、精神力を消費する。
・攻撃時、力に高補正。補正効果は力及び魔力に依存。
・防御時、耐久に高補正。補正効果は耐久及び魔力に依存。
【
・精神力を消費し、周辺魔力から武器・戦闘衣を作成する。
・装備の等級は魔力及びLv.に依存する。
【】
【】
どう見ても滅却師です本当にありがとうございました
ってあれ? 飛廉脚が無いな。精隷の説明的に、こっちに統合されたのかな……。つーかしれっと魔力版の霊子兵装が生えてんな。Lv.1時点じゃ大した事ないか? そこら辺検証してみないと分からんちん。
地味にフレイヤ様由来の魔法生えてるけど……ヘイズさんにキレられかねん効果だな? 一粒で二度美味しいとかってレベルじゃねぇぞこれ。要らん所で敵増やしそうで嫌過ぎるんだが。
「おい愚物」
「何ですか?
青筋を立てるのが一人、肩を震わせるのが一人、ニヤニヤしてるのが四人、表情が変わらないのが二人と。
我らがご主神様はと言うと、俺の腰に跨ったままクスクスと笑っていらっしゃる。
「このスキル数と効果について説明しろ」
「どれも子供ん時からやってた事なんで、それがスキルとして生えたんじゃないですかね? 母親が
狐人は魔法じゃなくって妖術だったっけ? どっちにしろ実際んとこは知らん。
ここまで来たら斬魂刀も再現出来ねぇかなぁ? 10年以上使ってる刀なら持ってるけど、何度も打ち直ししてもらってるし、そもそも普通のんだから無理か。万が一神秘が生えたら、銀筒とか
「……ごめんなさいね?」
「えっ、あっ、声に出してました? すいません。けど、この先楽しみなのは間違いないし、田舎でアレコレしてたのを
ご主神様の苦笑にそう答えると、身を離してくれた女神様に続いてベッドから下りてその場に両膝を付けて向き直る。所謂正座だ。
「では、改めまして……。不肖、オザキ・琥珀。これより女神フレイヤ様の眷族が一人として、その神意に報いるべく、精進致しますので、何卒宜しくお願い致します」
言って深く頭を下げる。拉致られたけどお世話になるのだし、幹部連中に目ぇ付けられるのを避ける意味でも、礼儀の要る所ではちゃんとしとかんと五月蠅そうだしなぁ。特にド畜生眼鏡のエルフとか。
……いやまて、拉致られる時に大概な暴言吐いてるし今更か? ……なるよーにしかならんか。
色々言いたい事もあるけど、刻まれたら一年はどーしよーも無いしなぁ
大抗争から大体6年経ってるし、来年にはベル君がオラリオに来てフレイヤ様の興味はそっちに向けられるだろう。そうなれば俺はもう見向きもされんし、実家に帰らせてくれるはず。
幸い回復魔法生えたんだし、
うん、こうして考えると悪く無いな、ヨシ!
なんて事を考えながら、俺は与えられた部屋で眠りに就いた。
そして翌日。俺は救護班担当頑張るぞーと、フレイヤ様とオッタルさんに挟まれて『
「さぁ琥珀。改めて貴方の輝きを魅せて頂戴?」
……えっ?
ご主神様の愉しげな声に視線を向けるよりも先に軽く、されど力強く背中を誰かに押される。
「御方の寵愛に応えて見せろ」
……何……だと?
やけにゆっくりと時の流れる中、視界を埋める様に殺到する先輩方を見ながら昨夜の自分に問い掛けた。
一 体 い つ か ら 自 分 が 安 全 だ と 錯 覚 し て い た ?