世界シェア1位! ニッチな市場をガッチリつかむ企業セット

世界シェア1位! ニッチな市場をガッチリつかむ企業セット

株はテーマで斬れ! 日興フロッギー編集部山口 洋佑

2017.4.26

「ものづくり大国日本」と聞くと、思い浮かべるのはやっぱり自動車や機械が多いのではないでしょうか。実はこれ以外にも、日本には世界トップの企業がたくさんあります。意外な分野で、世界を制した日本の企業をみてみましょう。

意外な地域でウィッグ・カツラがバカ売れ中!【カネカ】

世界のなかで、ウィッグ(カツラ)が欠かせないアイテムとなっている地域があります。実はアフリカでは、ウィッグが大流行しています。アフリカは、髪質がカールの人が多いため、ウィッグをつかって別の髪型を楽しむのです。

そんなアフリカ市場で50%以上ものシェアを獲得し、世界でもトップを維持しつづけている会社が「 カネカ 」です。カネカは、人間の髪にかぎりなく近いタンパク繊維を、世界で初めて開発しました。この製品がすぐれているところは、ほかの合成繊維と異なり、燃えにくい点。おかげで、料理などの家事も安心してできるようになりました。また、これまでの合成繊維ではできなかった、ヘアアイロンでのカールセットもできるようになりました。

地球上最後の巨大マーケット、「最後のフロンティア」として注目されるアフリカ。そんな魅力的な地域のニーズをガッチリつかんだカネカの今後が楽しみです。

紫外線からお肌を守る! 微粒子酸化チタンで世界一【テイカ】

これからの季節に欠かせない日焼け止めですが、金属の粉から作られているのをご存知ですか? 実は多くの日焼け止めには「微粒子酸化チタン」が入っています。紫外線を遮断し、透明性も高い、魔法のような金属です。

この微粒子酸化チタンで世界シェアトップを誇るのは、「 テイカ 」です。1951年から酸化チタンの製造を開始し、独自の技術を蓄積してきました。酸化チタンの粒子の大きさや形状を工夫することで、この分野の発展をリードしてきました。しかも、微粒子酸化チタンのすごいところは紫外線カットにとどまりません。無毒性、安定性、耐久性に優れており、自動車の塗料やカラーコピー機のトナー、プラスチック、ゴム、繊維と幅広い製品に使われています。

現在テイカは、新技術も開発中。たとえば、化粧崩れの原因となる皮脂を今まで以上に吸着できるパウダーを作っています。長年蓄積してきた技術を駆使して、どんな新製品を生み出してくれるのかわくわくします。

高級ヘルメット界の王者! 世界シェア50%以上【SHOEI】

一流レーサー達のヘルメットに記されている「 SHOEI 」の文字。世界がトップブランドと認める日本の会社で、世界の高級ヘルメット市場の50%以上のシェアを占めています。

SHOEI は、MotoGPやスーパーバイク選手権をはじめ、モトクロスやトライアルなどで活躍する世界のライダー約50人と契約。その中には2016年のMotoGPチャンピオン、マルク・マルケスも名を連ねます。世界のライダーにとって、SHOEIのヘルメットを持つことが誇りでありステータスなのです。レーシング分野だけはありません。SHOEIは、特殊な専門分野向けのヘルメットも製造しています。自衛隊向けに航空機用や戦車用、警察向けに白バイ用のヘルメットを提供しているのです。

そんなSHOEIのこだわりは、Made In Japan。日本メーカーの最高素材を使用し、国内の工場で一貫生産しています。日本でつくられたヘルメットが、MotoGPのレースや航空自衛隊といった世界の極限の現場で活躍しているなんて嬉しいですね。今後も日本の技術で世界の人の命を守ってくれることでしょう。

倍率100万倍のミクロのエース!【日本電子】

科学技術の進歩を支える大事な研究ツールの1つに、電子顕微鏡があります。約100万倍と、なんと原子レベルまで拡大して観察が可能できます。小学校の理科の授業で使っていた光学顕微鏡の最大倍率は約1000倍ですから、あのさらに約1000倍というわけです。

この電子顕微鏡で世界のトップは、「 日本電子 」。さまざまな世界的な研究で活用されています。たとえば「はやぶさ」。人類で初めて、月よりも遠い天体から地表の物質を回収することに成功した小惑星探査機です。この宇宙から持ち帰った微粒子を分析したのも、日本電子の電子顕微鏡なのです。

量産型電子顕微鏡を世界で初めて開発し、研究者の「見える」世界を広げ続けてきた日本電子。世界の研究者が求める製品をつくり続ける日本電子から目が離せません。

ディープなワイン好きなら知っている? リンゴ酸で世界シェアトップ【扶桑化学工業】

リンゴ酸というのはご存じですか? リンゴやブドウに多く含まれる成分です。爽やかな酸味があり、ワインにも含まれていて風味を大きく左右すると言われています。

このリンゴ酸の製造で世界一のシェアを誇るのが「 扶桑化学工業 」です。世界シェアは約5割。リンゴ酸、クエン酸といった果実にたくさん含まれる「果実酸」の、世界で唯一の総合メーカーです。扶桑化学工業がリンゴ酸を作り始めたのは1962年。最初はジュースの酸味料としてでした。そこから50年以上たった現在は、果実酸の用途は、化粧品、農業、精密産業にまで広がっています。たとえば、土壌改良剤。果実酸が含まれる液体を土にかけると、トマトの糖度やカルシウムがアップすることがわかっています。また、海苔の養殖でも重宝されています。海苔に付着した雑菌をとる効果があるのです。

今年の秋には、リンゴ酸を一貫して生産できる設備が着工予定。扶桑化学工業のさらなる競争力の強化が期待できそうです。

いかがでしたか? 普段は気に留めることもない分野にも、世界一の日本企業が隠れています。知る人ぞ知る市場で、しっかりと戦う企業を応援してみるのもいいかもしれません。

今回のテーマで取り上げた上場企業

カネカ
テイカ
SHOEI
日本電子
扶桑化学工業
本サイトは、原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
中学から株一筋で3億の億り人〜かぶ1000さん後編

中学から株一筋で3億の億り人〜かぶ1000さん後編

リアル投資家列伝・本質的価値を見極める投資スタイル かぶ1000

2017.4.25

自分なりの方法論を確立させた後は、かぶ1000さんの資産は安定的に増えていきました。ポートフォリオ全体をひとつの会社に見立てる考え方や銘柄との付き合い方など、これから投資を始める人にも参考になる話を教えてくれました。
中学生での株デビューから資産3億円〜かぶ1000さんインタビュー【中編】を読む

年間でマイナスとなったのは1回だけ

ネットネット株の概念を獲得したかぶ1000さんの資産は急増していく。2000年に600万円で再始動すると2011年には累積利益が1億円を突破、さらに2015年には3億円を超えた。

「1億円までに10年以上かかっているように、僕のやり方だと派手なパフォーマンスは望めません。しかし、地道に稼いでくれ、暴落時にも資産を急減させないで済むことが強みです。さすがにリーマンショックで日経平均が7000円割れまで急落した2008年はマイナスでしたが、それ以外、マイナスとなった年はありません」

ゆっくりと、しかし着実に資産を築いていこうと考えている人に、かぶ1000スタイルはうってつけかもしれない。

「株式投資を長年続けてきて思いますが、会社の業績を正確に予想することはできない。まして世界経済の先行きを読むことなんてなおさら難しい。リーマンショックにしてもブレグジットにしても、誰も予想できなかったでしょう。そんな世界で個人投資家がお金を減らさず投資を続けていくためには、会社の本質的価値に着目するしかないんです」

夢の国で探す有望銘柄

本質的価値に比べ割安に評価されている銘柄、どう探すのだろうか。

「実は明日、東京ディズニーリゾートに行くんです。長時間並ぶこともあるでしょうが、“コレ”があれば大丈夫。いい会社がないか探していれば待ち時間は苦になりません」

そう言ってかぶ1000さんが取り出したのは会社四季報だ。

「人間が不安になるのはわからないことがあるからです。それは株でも同じ。少し株価が下がっただけで不安になるのは、その会社のことをわかっていないからです。株を買うにはその会社のことをよく知る必要があり、四季報を読むのはその第一歩です」

真っ白な四季報から始まった30年の付き合い

株式投資の定番ツールである四季報。かぶ1000さんにとっても欠かせないツールであり時間の経過を忘れさせてくれる愛読書でもある。

「最初に手にしたのは証券会社に入り浸っていた中学生の頃でした。自分で買うのではなく、証券会社に備えてあったものを読んでいました。だから、僕にとって四季報の表紙は“白い”んです」

店頭で売られている四季報は季節ごとに赤や緑、オレンジなど鮮やかに彩られている。しかし、証券会社に配られるものは広告がなく、白い表紙だった。

「新しい号が出て不要になった古い号をもらっていました。自分で最初に買ったのは1992年の第1集。それ以来、毎号欠かさず購入し、すべて保存してあります」

会社を知るための第一歩である四季報。これをきっかけにかぶ1000さんは企業への理解を深めていく。

会社を80%理解するために必要な3つのステップ

「まずは四季報で会社の概要を見る。これで会社のことを20%は理解できると思っています。気になる会社なら、その会社のサービスや商品を実際に利用してみる。これでプラス10%。さらにホームページで有価証券報告書を過去15年分さかのぼって目を通します」

有価証券報告書とは、投資家向けに企業が開示する書類。損益計算書や貸借対照表などの財務諸表などが含まれている。

「この“有報”を15年さかのぼれば、いい時期も悪い時期もある。リーマンショックのようなことがあって、その間に企業の業績がどう移ろったのか、おおよそ理解できます。ここまでやることで企業への理解度を80%まで高められると考えています」

過去15年というと楽な作業ではないだろうが、大切な資金を託すのだから、そのくらいの努力は必要なのだろう。

「80%まで理解していれば投資判断をくだすのに十分でしょう。残り20%は株主総会に出席したり、IR(株主や投資家に対する広報活動)の部門へ電話したりと、会社と直接触れ合わないと理解できない部分です。僕の場合、そこまでして理解しようとするような会社はすでに株を買っていることが多く、さらに買い増すかどうかの判断に使うというイメージですね」

バフェットも取り入れた「ルックスルー利益」とは

こうした話を聞くと、かぶ1000さんの投資スタイルは少数銘柄への集中投資を想像するかもしれない。「そこまで調べるなら、惚れ込んだ数社に資金を集中するのだろう」と。

「僕の場合、よくも悪くも銘柄に惚れ込むようなことはありません。僕が見ているのは『どれだけ割安か』だけ。もっと割安な銘柄があれば、すぐにスイッチングします。とくに株価が急落するようなことがあると、割安度が急に高まる銘柄が出てくることもあるので気をつけています」

ある銘柄に対する割安度のモノサシとして使うのがグレアム流のネットネット株だったが、ポートフォリオ全体に当てはめているモノサシが「ルックスルー利益」だ。

「ウォーレン・バフェットが取り入れている考え方です。たとえば10室のマンションのうち、2室を持っていたとします。この場合、マンション全体の賃料収入に対して自分の利益は20%ですよね。同じように会社全体の利益に自分の保有株比率をかけたものがルックスルー利益です」

株価情報のページを見ていると「EPS」(1株あたり利益)が出ているから、それに自分の持ち株数を掛け算することで簡単に求められる。

「今はポートフォリオ全体で年間2000万円ほどのルックスルー利益になります。それに対して投じた資金は1億8000万円ほどです。なるべく小さな資金で、ルックスルー利益を高めることが目的のひとつとなります」

ポートフォリオをひとつの会社に見立てる発想

資産についてもルックスルー利益と同じ発想で考えられる。

「ポートフォリオ全体をひとつの会社と見立てると利益が年間で約2000万円、資産は4億円強。そんな会社を1億8000万円で買えたと考えるとお得ですよね。この発想でより少ない資金で、ルックスルー利益や資産を増やしていくことをめざします」

ポートフォリオ全体の本質的価値を高める発想、ともいえるだろう。幼少期の中古ファミコンソフトの売買、フリマでのアービトラージ、そして今のネットネット株――投資対象は変わっても、かぶ1000さんが行なっているのはすべて「本質的価値」に比べ割安な値札がついたものを売買する行為だ。

「日本株には異常に割安な銘柄がまだあります。割安株を狙うという行為は、適正価格に引き上げることにつながります。適正な株価になれば経営者も従業員も株主もハッピーになる。今はNISAという有利な仕組みもありますから、まずは100万円くらいで割安株ポートフォリオを組んでみてはいかがでしょうか」

「四季報」について詳しく知りたい方は、ひふみ投信のファンドマネージャー・藤野さんの連載もチェック!第7回では、四季報でまず見るべき箇所、注目すべき見出しなどが紹介されています。

「豪華な本社ビルを建てたら売り」

「豪華な本社ビルを建てたら売り」

FROGGY COMIC・朝倉世界一のひとコマ格言 日興フロッギー編集部朝倉 世界一

2017.4.24

これはあくまで例えだから、あなたが買った個別銘柄の本社が豪華でも、がっかりしないでね。でもわかるでしょ? この感じ。調子がいいときに、やたらと豪華な本社ビルを建てちゃうのって、経営者の単なる「見栄」や「驕り」が背景にあることが多い。もちろん、社員のモチベーションをあげるとか、働き方を変えるためとか、きちんとした目的があれば問題ない。そうじゃなくて、「なんだかバブリーだな」と引いちゃうような、不相応に豪華な本社を建て始めたら、要注意。往々にして、業績や株価もそのときがピークで、ビルが完成したころには失速している……というものだ。一言でいうと、「短期的な利益に浮かれる社長を信用するな!」ってことかな。