意外?当然? 30代と80代は重複なし 読者が選んだ昭和の名優(女性部門)世代別発表

プレイバック「昭和100年」

70代

①吉永小百合 236票

②岩下志麻 178票

③倍賞千恵子 169票

④樹木希林 167票

⑤●浅丘ルリ子 164票

⑥夏目雅子 162票

⑦大原麗子 141票

NHKテレビドラマ「新坊ちゃん」キャスト発表、(左から)大原麗子、柴俊夫、林寛子=東京・渋谷のNHK放送センター
NHKテレビドラマ「新坊ちゃん」キャスト発表、(左から)大原麗子、柴俊夫、林寛子=東京・渋谷のNHK放送センター

⑧松坂慶子 126票

⑨●池内淳子 125票

⑩八千草薫 118票

80代以上

①●有馬稲子 54票

②●淡島千景 52票

③●高峰秀子 46票

映画「名もなく貧しく美しく」の高峰秀子(左)と小林桂樹
映画「名もなく貧しく美しく」の高峰秀子(左)と小林桂樹

④岩下志麻 40票

⑤●浅丘ルリ子 37票

⑤●乙羽信子 37票

⑤●京マチ子 37票

⑧大原麗子 34票

⑧●岸惠子 34票

⑩●新珠三千代 31票

⑩●池内淳子 31票

全体

映画「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の一場面。渥美清(左)、吉永小百合=オフィシャル写真・日本映画放送提供、©1974 松竹株式会社
映画「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の一場面。渥美清(左)、吉永小百合=オフィシャル写真・日本映画放送提供、©1974 松竹株式会社

①吉永小百合 863票

②夏目雅子 780票

③樹木希林 695票

④岩下志麻 625票

⑤大原麗子 604票

⑥倍賞千恵子 524票

⑦松坂慶子 484票

⑧大竹しのぶ 448票

⑨市原悦子 434票

⑩八千草薫 418票

NHK大河ドラマ「徳川家康」出演者発表。左から武田鉄矢、夏目雅子、滝田栄=東京・渋谷のNHK放送センター
NHK大河ドラマ「徳川家康」出演者発表。左から武田鉄矢、夏目雅子、滝田栄=東京・渋谷のNHK放送センター

30代までの世代では、全体で2位になった夏目雅子さんがベスト10外に。夏目さんが27歳で亡くなったのは昭和60年。この世代にとっては目に触れる機会が少なかったためでしょうか。代わりに黒木瞳さん、原田知世さん、沢口靖子さんらがランクインしました。元宝塚歌劇団月組トップ娘役の黒木さんは、61年に「化身」で映画主演デビュー。平成以降も「失楽園」「仄暗い水の底から」「20世紀少年」シリーズなどで印象深い役柄を演じ、現在も第一線で活躍中です。

フジテレビドラマ「抱きしめたい Forever」完成披露試写会、浅野ゆう子(左)と浅野温子=2013年
フジテレビドラマ「抱きしめたい Forever」完成披露試写会、浅野ゆう子(左)と浅野温子=2013年

30代までの8位に浅野ゆう子さん、40代の6位と50代の7位には浅野温子さんが入りました。同学年の二人は「W(ダブル)浅野」とも言われ、バブル期のトレンディードラマで時代を席巻しました。浅野ゆう子さんは13歳のときにアイドル歌手としてデビューし、日本レコード大賞新人賞を受賞。水着キャンペーンモデルなどで活躍した後、昭和末期に女優業を本格化させました。浅野温子さんは高校在学中にドラマ出演したのを皮切りに、数々の作品でキュートな魅力を振りまいてきました。昭和時代の代表作は角川映画「スローなブギにしてくれ」「汚れた英雄」などです。

映画「野生の証明」製作発表の薬師丸ひろ子(左)、高倉健=昭和43年3月30日、東京・帝国ホテル
映画「野生の証明」製作発表の薬師丸ひろ子(左)、高倉健=昭和43年3月30日、東京・帝国ホテル

50代の4位には薬師丸ひろ子さんが選ばれました。30代まで、40代ともに14位となり、全体でも12位と存在感を示しました。中学1年生のときに角川映画「野性の証明」のヒロイン役に選ばれ、「セーラー服と機関銃」「探偵物語」などでは自らが歌う主題歌も大ヒット。平成中期以降は母親役が似合うようになりました。女優と歌手、二つの顔で誇る屈指の表現力は健在です。

「寅次郎忘れな草」の制作発表に臨む渥美清(左)と浅丘ルリ子=昭和48年
「寅次郎忘れな草」の制作発表に臨む渥美清(左)と浅丘ルリ子=昭和48年

70代と80代以上の5位には浅丘ルリ子さんがランクインしました。昭和15年、旧満州国出身。30年に「緑はるかに」で銀幕デビューした後、日活の看板として活躍。日活退社後は「男はつらいよ」シリーズに4回出演し、マドンナのクラブ歌手「リリー」役を熱演しました。舞台作品や歌手もこなすマルチな才能を兼ね備え、昭和を代表する「大女優」と呼ぶにふさわしい存在です。全体の順位は惜しくも11位でした。

「東京暮色」で原節子(左)と有馬稲子
「東京暮色」で原節子(左)と有馬稲子

80代以上ではベスト10の顔ぶれがガラリと変化。トップ3は有馬稲子さん、淡島千景さん、高峰秀子さんで、世代を象徴する名優が並んだ格好です。有馬さんは7年生まれで、24年に宝塚歌劇団に入団。4年後に退団し、役者として活動の幅を広げました。舞台女優としての地位も確立しています。淡島さんも宝塚の元娘役トップスター。映画デビュー作「てんやわんや」で、いきなりブルーリボン主演女優賞を獲得しました。「麦秋」「夫婦善哉」「螢火」などの名作出演で歴史に名を刻み、平成24年に87歳で亡くなりました。子役スターだった高峰さんも小津安二郎、豊田四郎、五所平之助といった巨匠監督の作品など300本以上の映画に出演。引退後はエッセイストとして活動し、平成22年に86歳で人生の幕を下ろしました。

調査は昨年12月下旬から1月上旬にかけて実施。男性1850人、女性1009人で、年齢別では80代以上142人、70代669人、60代1008人、50代643人、40代266人、30代以下131人。

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