醸造用精米機メーカーの新中野工業(岡山県岡山市東区)が4月20日に発刊した日本酒専門誌『酒蔵萬流』第44号(※)に執筆参加しました。
(※)4月24日時点、上記サイトに44号の情報が掲載されていません。
掲載され次第、リンク先をあらためます。
「酒蔵紀行」では白鶴酒造(白鶴=兵庫県神戸市)と玉櫻酒造(玉櫻=島根県邑智郡)を、「想い紡ぐ」では丸田酒舗(大分県大分市)の取材執筆を担当しました。
ご協力くださった取材先の皆様、制作スタッフの皆様、今号もお世話になりました。
ありがとうございました。
今号の詳しい内容や購入方法については『酒蔵萬流』のサイトをご参照ください。
▼酒蔵萬流サイト
https://sakagurabanryu.com/
『酒蔵萬流』(冊子)は、一般の方も上記サイトからのご購入が可能です。
また、有料会員に登録することで記事をオンライン上でお読みいただくこともできます(但し冊子とコンテンツ内容が異なります)。
担当した記事については以下で簡単に振り返っています。
よろしければ、ご覧ください。
【酒蔵紀行】
■白鶴酒造(白鶴=兵庫県神戸市)
白鶴酒造は2015年夏号(006号)から約10年を経ての本誌再登場となりました。
前回は、「まる」をはじめとするレギュラー酒の造りを通して 同社の卓越した技術や品質管理体制を中心に紹介したのに対し、今回は昨年9月にオープンした「HAKUTSURU SAKE CRAFT」をメインに展開。
嘉納健二 代表取締役社長、櫻井一雅 専務取締役執行役員、伴光博 執行役員技師長 兼 生産本部醸造事業部長 に再びインタビューを行ったほか、取締役執行役員 経営企画室長 兼 海外事業部担当の松永將義氏からは海外事業について、農業事業部長の古谷能紀氏には白鶴ファームの取り組みについて話をうかがうことができたおかげで、厚みのある記事になりました。
取材では、白鶴酒造が「HAKUTSURU SAKE CRAFT」を設立したと聞いた時の驚きや、それに伴いふつふつと湧いてきた関心を思い切ってぶつけてみました。
それに対する答えをそれぞれから伺う中、根底に宿る経営理念や事業スタンスは今なお一貫していることをあらためて実感することができました。
灘という地で高品質な酒を安定して醸し、世界へと届けるという変わらぬミッションの中、「HAKUTSURU SAKE CRAFT」での取り組みが今後いかに機能していくのか。
また、同社が開発した酒米「白鶴錦」から造られる最高峰銘柄の「天空」や「翔雲」をはじめとする白鶴ブランドの酒が世界の市場にどんなインパクトをもたらし、日本酒文化拡大に寄与するのか。
話を聞くにつれてそれぞれの取り組みが線となり、面になっていった過程を、記事にも反映したつもりです。
■玉櫻酒造(玉櫻=島根県邑智郡)
玉櫻酒造といえば、社長で杜氏の櫻尾尚平氏と専務で蔵人の櫻尾圭司氏兄弟をクローズアップした記事が多い中、本記事では最終章で父の定氏や母の玲子氏、そして蔵人などにも言及。
”人”あっての「玉櫻」であることを強く感じた取材時の印象を、この章に落とし込みました。
おどろいたのは、取材時に何げなく会話した蔵人のひとりが あの広島の燗酒の名店「いぶしぎん」のオーナー小牧尚博さんだったこと。
同じ蔵人の井上英司さんも「いぶしぎん」の常連客だったそうで、ともに縁あって邑南町に移住し、大好きな酒造りに関わられていることに感慨深いものを感じました。
記事ではまた、清らかな水と冷涼な気候に恵まれた風土とともに、地域の生産者と取り組む栽培契約についても紹介。
地域の恵みをシンプルに活かした酒造りに徹する一方、技術のアップデートや工夫改善にも貪欲な醸造姿勢にも迫っています。
純米酒、燗酒銘柄として全国に根強いファンを持つ「玉櫻」ですが、そこに至るまでには紆余曲折もありました。
その過程も赤裸々に語ってくださった尚平さん。
信念を貫いた末に得たものは、人と人とのかけがえのないつながりだったのではないかと、あらためて理解したところです。
【想い紡ぐ】
■丸田酒舗(大分県大分市)
今から約17年前、代表の丸田俊和さんがコンビニエンスストアから業態転換を図り、開業した地酒専門店を訪ねました。
取材では、俊和さんと 息子で店長を務める晋也さんにインタビューを敢行。
地域では後発の地酒専門店だけに、なみなみならぬ覚悟で1点1点の酒を大切に売ってきたと、熱い想いを語ってくださいました。
その強い信念を象徴する設備が、丸田酒舗にはあります。
それは、隣の敷地に建つ大型貯蔵庫の存在。
建屋内には-3℃、-5℃、-8℃の冷凍庫を擁し、品質管理には絶対の自信を誇ります。
しかも、商品によっては蔵元の了承を得たうえで3タイプの温度帯を駆使して貯蔵。
貯蔵にあたっては事前にテイスティングをした上で酒質の伸びしろを予測し、飲み頃を迎えるまで徹底管理する姿勢には驚きました。
息子の晋也さんも、お酒の品質管理にこだわり抜く父の心気を受け継ぎつつ商品陳列など工夫をこらし、顧客のニーズに120%応える品ぞろえと提案力で 販売拡大に貢献しています。
地方の地酒専門店でここまでやるか!を紹介した記事、必見です。