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転職エントリ(DX推進部を辞めてきました)

みなさん、お疲れ様です!

だいぶ時間が経ってしまいましたが、新しい職場も落ち着いてきたので、退職エントリを書こうと思います。

前職でのお仕事や転職活動において、フォロワーの皆さんや同僚の方々にはたくさん助けていただき、本当に感謝しています。ありがとうございました!

今回は、キャリアアップ等のポジティブな理由で、現職に残るという選択肢も含めての転職活動でしたので、単なる不平不満はなるべく避けて、良い部分と悪い部分の両面について触れようと思います。

が・・・

結局、悪い部分を容赦なく書いてしまいました💦

しかも、どうやら元同僚にこのアカウントがバレてる気配があるので、関係者の皆さまはそっとブラウザを閉じることをおすすめします…w

1.前職でどんな業務をしてきたか

改めまして。私は先日、東証一部上場の不動産会社を退職しました。

社内では情報システム部に所属し、社内SEとして企画系の仕事をメインに担当していました。いわゆる「コードを書くSE」ではなく、企画立案・プロジェクトマネジメント・ベンダー折衝など、ビジネスに近い立ち位置での業務が中心でした。

具体的には

  • システム導入の企画書作成

  • プロジェクトマネジメント

  • ビジネス部門のサポート

です。

企画書を作るときは「そもそも何が問題なのか?」を考えるところから始まり、システム導入ありきではなく、課題解決のための手段としてITをどう活かすかを常に意識していました。なので、業務のスタイルは「社内SE」よりも、少し「経営企画部寄り」だったかもしれません。

印象的だったのは、億単位の予算がついたプロジェクトをリードさせてもらえたこと。責任も重かったですが、間違いなく自分のキャリアの中でも大きな転機になりました。

その後は、情報システム部からDX推進部に異動し、次のような業務を担当しています。

  • 新規事業の企画・立ち上げ

  • 既存業務のDX化推進

  • 社外向けのPR活動(メディア対応など)

  • 経産省の「DX認定」取得対応や申請業務

DX推進部では、より「変革」や「ビジネス全体」に関わる業務を担当するようになりました。

ちょうどコロナ禍で、世の中全体が「DX!DX!」と騒ぎ出した頃だったこともあり、変化の真っただ中で仕事ができたのは、貴重な経験だったと思います。

2.前職の良いところ

ネガティブな面は後ほど書くとして、まずはポジティブな面を振り返りたいと思います。

(1)ボトムアップでチャレンジできた

部の仕事は基本的にボトムアップで進めていたため、DX推進に関する戦略の策定や企画の立案を、自分たちで考え、主体的に進めることができました。その点は非常に良かったと感じています。メンバーには一定の裁量が与えられており、最終的には上長や役員の承認が必要ではありましたが、企画の中身については任せてもらえる環境でした。

(2)新技術を知る機会が多かった

DXを推進するにあたり、さまざまなソリューションや技術について情報収集を行う機会がありました。加えて、スマートハウスやスマートロック、RPAなどを活用したプロジェクトもいくつか進行しており、新しい技術に触れるチャンスは多かったと思います。

また、単に技術的な視点にとどまらず、地方の過疎化や少子高齢化、労働人口の減少、感染症の拡大、自然災害、戦争といった外部環境の課題を踏まえながら、ビジネスをどう変革していくか、そしていかにして収益を伸ばすかという視点を持てたことも、大きな学びでした。

(3)部門目標に対する意識が高い

半期ごとに設定される部門目標に向けて、誰が何を、どのように進めるかが明確に決まっており、毎月の部門定例では各自が進捗を報告する形式でした。そのため、目標達成に向けては常にスピード感をもって取り組む必要がありました。

また、個人目標と部門目標がしっかりと紐づいており、それぞれの責任範囲や担当者もはっきりしていたため、目標が未達成だと高い評価を得にくい仕組みになっていました。こうした背景もあり、「やりきる」ことへの意識は全体的に高かったように思います。

(4)仕事環境・福利厚生が良い

年次有給休暇の取得率は80%以上と高く、その他にも各種休暇制度が整っていました。また、リモートワークやフレックス制度も利用しやすく、自分の働き方を柔軟に選べる環境だったと感じています。

残業時間については、月45時間と80時間を超えないようチェックはされていましたが、特に繁忙期などはある程度自由に調整できる余地がありました。

(5)キャリアロンダリングできた

テレビCMも放映しているような知名度の高い企業だったため、「東証一部上場企業でDXを推進する人材」という肩書きをキャリアとして得られたのは、大きなポイントでした。

最初に勤めた会社は、三次請けのSES事業が中心だったこともあり、確実にステップアップできたのは、自分にとって幸運だったと感じています。また、大企業ならではの文化や、上程資料の作成方法、プロジェクトマネジメント、さらにはDX戦略・戦術に至るまで、実践を通じて身につけることができたのは非常に大きな経験だったと思います。

(6)DXの戦略・戦術・推進を経験できた

DXはバズワード的な側面もありますが、本質的には、かねてより重要視されてきた「ITによるビジネス変革」であり、その業務に実際に携われたことは、自分にとって非常に大きな経験だったと感じています。

さらに、経営陣への報告が必要なレベルで部の戦略立案に関わることができたことで、部長クラスの視点や考え方にも触れることができました。戦略・戦術の構築から、企画立案、プロジェクトマネジメントまで一通り経験できたことで、「DX人材」としてのスキルセットが身につき、転職活動においても大きな強みになったと思います。

3.前職の悪いところ(退職判断した理由)

あくまで自分の感覚ですが、前職のDX推進部は、ちょっと組織としては課題があったかなと思います。

組織というのは、部や課、チームのことを指しますが、個人的にはその中でも特に「①、④、⑥、⑦」の部分に少し改善の余地があったように感じました。全体的にもう少しバランスが取れていれば、もっとスムーズに進んだのではないかと思います。

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表:前職 組織の課題点

① 目的・方向性の欠如

ボトムアップで戦略や企画を推進するのは良い点だと思うのですが、トップダウンからの意思があまり感じられなかったのが少し課題だったと思います。最初に方向性を示してもらえないまま進めるため、戦略や企画を練った後に「これでいいのか」「こうじゃダメなのか」と迷うことが多かったです。

手戻りを減らすために、事前に上長と考え方の骨子を共有して討論を試みましたが、「完成したものを審議するのが上位マネジメント層の仕事」というスタンスで、ディスカッションはあまり機能せず。結果的に、100%完成した資料を提出してから手戻りが発生し、再作成という流れが何度も繰り返されました。

また、会社の方向性や各施策の整合性についても整理が後回しにされることが多く、影響の大きい内容については後出しで指示が来ることがありました。そのため、メンバーの負荷が増えていったと感じます。

組織長とチームメンバーは、同じ方向を向いて協力して成果を出すというよりは、どちらかというと役員への「関所」のような位置づけになっていると感じることが多かったです。一緒に同じ方向を目指すのではなく、どこかで向かい風を感じることが多かったように思います。

そのため、「DX推進部として、組織長たちは一体どこに向かいたいのか?」ということが明確に示されていない(または示そうとしなかった)ように思います。

④ リーダーシップ不全

トップダウンによる意思が感じられなかった点は、普段の業務におけるマネジメントやリーダーシップにも見え隠れしていたように思います。

マネジメント層の役割は、「現場のチームや業務の成果に責任を持つこと」だと考えています。ですので、マネジメント層は、メンバーやステークホルダーと一緒になってプロジェクトを成功に導く姿勢が求められると思います。

その一方で、メンバーが相談を持ちかけても「自分で考えろ」と突き放されることが多く、方針や目標が頻繁に変わることで現場が混乱する場面もありました。また、結果だけを重視し、プロセスや努力を軽視するような言動も見受けられたと思います。進捗が遅れた時や成果が出ない時に「どうするの?」と問われ、その後に続くのは「何としても達成してください」だけ。状況を聞くだけで、具体的な支援や方向性が示されないことが多かったように感じます。

さらに、「どうするの?」と言われるタイミングが、期末に近づき、目標達成が厳しくなった頃であることが多かったため、余裕を持ってリスク回避することができず、その結果、一部の目標が未達となることがあったと思います。

また、厄介だったのは、「上席者の言うことは絶対」という文化でした。改善傾向にはありましたが、それでも無理な要求をする上席者と、それを受け入れる中間管理職、その結果としてメンバーに負担がかかるという構図ができていたのではないかと感じています。

⑥ 評価・報酬の不公平さ

人事考課については、どの企業でも完全に平等な評価は難しいと思っています。どこもある程度偏りが出るのは仕方ないことで、自分が評価されなかったとは感じていません。むしろ評価されていた方だと思います。ただ、相対評価が採用されていたので、多くの人が昇給も降格もないという状況だったのではないかと感じています。そのため、評価されることに緊張感を持ちながら成果を出そうとしていた部分はあったと思います。

感じていたこととしては、不公平というよりもどちらかと言うと「不満」に近かったと思います。給料が市場の相場より低かったので、残業をフルにこなしてようやく相場に近づくという状況でした。私は残業をあまりしたくなく、できる限り効率よく成果を出したいタイプだったので、昇格しないと給料が上がらない現実を感じていました。

退職する時点では、50代のベテラン社員がマネジメント層(部長や次長)を占めており、課長職にも40歳前後が増えてきていましたが、昇進のチャンスが限られていると感じていました。

昇格するには次の条件が必要でした。
・同じ職層の中でも、相対評価を勝ち抜いていること
・部長次長に一緒に仕事したい人材と思われること
・組織体制上の空きが発生すること

となると昇格して給料を上げられる期待値は、「上位者の昇格降格、定年退職、転職、病気による長期離脱」しかないので、5年なのか10年なのか、全く読めない状況でした。

その時すでに私は45歳で残り15年しかないので、時間はとても貴重です。そこで5年も10年も(いやもう1,2年ですら)待とうと思うことはなく、完全に諦めモードとなっていました。

同じ役職のまま給料を高くする方法はありました。例えば、長く務めて昇給限度の上限まで到達するという方法があります。それができれば、一部の管理職よりも高くなります。ただ、中途採用でこの方法はとれません。なので、なんだかんだで年功序列が強い企業形態となっており、堅実にお金を増やす手段はほとんどありませんでした。

そうなると転職して役職と給与を上げるのが手っ取り早いという考えになりますよね。

⑦ リリース不足・過負荷

先に述べた①目的・方向性の欠如、④リーダーシップ不全が続くと、次に出てくる問題はリソース管理や人材マネジメントがうまく回らなくなることです。

目的や方向性が定まっていないと、毎年どんな仕事を推進するべきかが見えなくなります。その結果、目標に向かって一生懸命頑張っても、長期的に見て方向がブレていると、結局は頑張った成果が不完全になり、仕事の中身が整合性を欠いてしまいます。

さらに、方向がブレるほど手戻りが増え、人手が足りなくなり、より高いレベルでのビジョンや戦略をまとめる必要が出てきます。ここで問題なのは、「部長や次長のレベルの仕事を若手に求める」という無理な要求が出てきてしまうことです。

その結果、どうなるかというと…「若手や経験が浅い人に回せる仕事がなくなる」という状態に。最年少で45歳という状況になっていましたが、中途採用で若手を入れるのも難しかったのではないかと思います。

そのためか、当時のDX推進部にはほとんど若いメンバーがいませんでした(今は少し改善されたようですが…)。

それ以外の転職理由

・DX推進部の予算が少ないこと
 DX推進部の予算が非常に少なく、正直なところ、大きなDX案件を進めたり、経験したりする機会がほとんどありませんでした。会社のビジネスモデル上、多額の収益や予算が安定的に供給される見込みが少なかったのも一因です。実際、億単位の大規模プロジェクトはビジネス部門の予算で進行していて、DX推進部はあくまで支援役にとどまっていました。

・慢性的な人出不足であったこと
 慢性的な人手不足が続いており、予算が少なすぎて外部に発注することもほとんどできませんでした。そのため、DX推進のスピードを外部ベンダーに頼んで加速させることができなかったのが大きな問題でした。社員は企画やマネジメントに集中できず、事務仕事も含めて何でもやらざるを得ない状況でした。

・少ない予算も全て役員報告が必要であること
 予算が少ない中、すべて役員報告が必要という状況でした。部長決裁で進められるはずのことも、ほとんどが役員報告に回されてしまい、負担が大きかったです。報告する話もなかったのに、急に『役員にご説明しよう』となった時は、なぜ?と感じていました。

・ずっと机上で計画を揉んでばかりで先に進まなかったこと
 「まずやってみよう」というスタイルがほとんどなく、常に机上で計画を練り続ける形が多かったです。その結果、DX企画がほぼウォーターフォール式になってしまい、ずっと資料を練りながら進めるだけの状況が続いていました。理論や計画を完璧に仕上げることが重視されすぎて、なかなか先に進まなかったのが正直なところです。

・部長次長で個別に相談した案件はしれっと進めていること
 メンバーの相談や共有もなく、部長と次長の間で話し合われた案件が突然進むことになり、チーム全体でメリット・デメリットを協議することなく、結果的に史上最大の予算がつけられることになったのが少し不思議でした。

・役員のDXに対する理解度、熱量がなかったこと
 役員のDXに対する理解度や熱量が欠けていたことが問題でした。経営計画書にはDXについて触れられているものの、実際にはビジネス部門を巻き込んで本腰を入れた推進ができていなかったように感じました。

・DX推進部の影響力がなかったこと
 DX推進部の影響力がなかった点も大きな問題でした。ビジネス部門の役員や部長たちが「自分たちの考えるDX」を独自に考え、中期計画を作成していたことがありました。DX推進部はその過程にほとんど干渉できず、影響力がほぼなかったことが現実でした。

4.おまけ 胸に刺さったセリフたち

「私は責任を取らないから、どうしてもやりたいなら、私の定年退職後に進めてください。」

「完成したものを審議するのが上位マネジメント層の仕事だと思ってるので、完璧なものを完成させて持ってきなさい」

「仕事が進まないなら君たちがもっと精進すればいい(お前たちの能力が低いから仕事が進まない)」

「この資料は3点。この資料は20点。これは50点」

「(DX戦略策定後にプロジェクトを進めるフェーズに入っているにも関わらず)DX戦略の資料を書き直そう、最新化して綺麗にしよう、もっと見やすくしよう」

「DX推進部の将来像や今後やっていきたい事は、ビジネス部門のやりたいことが決まってから決めよう」

「残業75時間をフルに使って、何としても目標を達成してください」

「(2,3カ月前に事前に進捗定例で期日を握ってたのに当月になって)間に合わないかもしれないから、期限を2週間前倒しにしてください」

5.新しい会社を選んだ理由

詳細はまた別に纏めようと思いますが、転職先を決めた理由は次の通りです。

・1社目から2社目を選んだ時は、「様々なことにチャレンジ」している企業だと感じたからです。

・2社目から3社目を選んだ時は、チャレンジに加えて「褒める」それと「笑顔」ですね。

仕事は気を引き締めて行う部分も必要ですが、全体的に心地よい環境で仕事した方がいいなと思い至った感じです。お互いを尊重し、高いパフォーマンスを発揮できるような環境は大事だと思います。

元同僚の皆さんも興味あったらご連絡くださいw

6.まとめ

色々と書きましたが、基本的には良い人が多かったです。退職後も繋がっている人たちがいるくらいで、人間関係は良好だったと思います。

おおよそ5,6年勤めましたが、厳しさや理不尽さも含めて学びになった部分が多かったと感じています。

私が経験した前職の環境は、1社目がかなり厳しかったので、2社目(前職)は比較的良い会社だったと思います。だからこそ、「もっと良い仕事ができたのに!」という思いが強くなったのかもしれません💦

ただやっぱり自分自身が「将来」を想像できるかどうかは非常に大事だと思っていて。今の仕事の延長や、キャリアプラン、給与など、それぞれに未来がなければ、現状を維持したまま黙々と仕事を続けるしかないと思っています。それが自分にとってはあまり好ましくなかったのが、結論だったかなと思います。

今後は、新しい事業会社に入社し、DX推進部隊を率いることになったので、これまでの経験を活かしつつ、新たな挑戦をしていけたらと思っています。

ご精読ありがとうございました!

皆さんも良き日々をお過ごしください。

1社目の退職エントリはこちら

その他、過去の記事をアーカイブにしています。良かったらどうぞ。






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むぎSE
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コメント

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転職エントリ(DX推進部を辞めてきました)|むぎSE
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