函館 特養ホーム虐待を内部通報後に解雇 裁判が結審

函館市の特別養護老人ホームで、元職員が、施設で虐待が行われていると市に内部通報した後、懲戒解雇されたのは不当だとして、施設の運営法人を訴えた裁判が結審しました。
来月にも和解協議が行われる見通しです。

この裁判は、函館市の特別養護老人ホーム「恵楽園」に勤務していた元職員が、おととし、施設内での不適切な身体拘束などの虐待行為を市に内部通報したあと、懲戒解雇されたことをめぐり起こしたもので、運営法人に対し、解雇の無効のほか、慰謝料や未払い賃金など980万円余りの支払いを求めています。

裁判では、懲戒解雇に合理的な理由があるかどうかなどが争点になっていて、被告は全面的に争う姿勢を見せ、訴えを棄却するよう求めています。

22日、函館地方裁判所で開かれた口頭弁論で、被告側は「懲戒解雇は原告によるパワハラを理由にしたものだ」としたうえで、「内部通報は関係ない」などと主張しました。

これに対し、原告側は、通報が明らかになった翌日に懲戒解雇していることや、函館市の特別監査で懲戒解雇の手続きの不備を指導されたことなどに触れ、「合理的な理由はなく、報復感情に基づいて行われたものだ」などと主張しました。

裁判は結審し、来月にも和解協議が行われる見通しです。

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