二桁の数の掛け算はどのように計算するでしょうか。多くの方は電卓を利用したり、筆算をしたりするのではないでしょうか。
しかし、少しの工夫をするだけで誰でも暗算で答えが求められるようになります。今回は、暗算するための工夫を紹介します。
問題
次の計算をしなさい。
23×29
単純な掛け算ですが、暗算で答えを出せるでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「667」です。
どのように計算をしたのか、順に解説をしていきます。
今回の計算は「23×29」であり、これは「23を29個分」の合計を求める計算です。「29個分」という数が中途半端で、計算しにくくなっています。
そこで、まず「30個分」を考えます(23×30=690)。ここから「1個分」を引き、「29個分」に戻します。(690−23=667)
したがって、「23×29=667」となります。
数学的な式変形
今回の計算は、数学的には以下のように考えることができます。
23×29
=23×(30−1)
=23×30−23×1
=690−23
=667
29を「30−1」として、分配法則を利用しています。
<分配法則>
A×(B+C)=A×B+A×C
「23×30−23×1」の式が「30個分から1個分を引く」という計算を表していますね。
まとめ
筆算の計算をすると難しい問題でも、うまく工夫をすると暗算でも答えを求めることが可能になります。その中でも「分配法則」を利用した工夫は、よく使うので覚えておくと良いでしょう。
ぜひ繰り返し練習し、日常生活でも活用してください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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