不登校の子供たちに安心して学べる場を提供するため、神奈川県鎌倉市が同市由比ガ浜に、新たに「市立由比ガ浜中学校」を開校した。12日に開校セレモニーなどが行われ、15日には転入学式を実施。授業時間数を減らすなど、柔軟な教育課程で学習しやすい環境を作るなどして、生徒が自分らしく学び、成長していく学校を目指していく。
県内公立校で2校目
由比ガ浜中学校は、不登校の児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成できる「学びの多様化学校」で、県内の公立校では2校目。市立御成中学校の分校の形をとる。同市では、小中学生における不登校の児童生徒数が、平成25年度に104人だったが、令和5年度には382人になるなど増加傾向にあるという。
由比ガ浜中学校には、開校に合わせて1年生から3年生まで計31人が入った。12日に行われた開校セレモニーで、岩田明分校長は「子供たちの『通いたい』という思いの尊さを痛感してきた。一人一人の生徒のいいところをいっぱい探していきたい」と思いを語った。
登校時間遅めに設定
特徴は多岐にわたる。年間の授業時間は既存の中学校の1015時間に対し、由比ガ浜中学校は770時間に削減。生徒それぞれが自分のペースで学習活動をできるよう柔軟に対応できるようにした。
また、朝に時間のゆとりを作るなどするため、登校時間を遅めに設定。生徒だけでなく保護者へのサポートも充実させていく。「先生」などの呼び名を使わず、「分校長」も「リーダー」と呼ぶなど、安心して通える環境づくりを徹底してきた。
小学2年生から不登校だったという中学3年生の女子生徒は「これから1年過ごしていくのが楽しみ。居心地が良くて、縛られない感じ」と笑顔を見せた。
生徒は7日から、「プレ登校」をスタートさせてきた。3年生の保護者は「プレ登校が始まってから、(子供に)何年も見ていなかった笑顔が出て、それで感動した」といい、「『目からうろこ』的な体験をいっぱいしてほしい。いろいろ視野を広げてほしい」と期待を寄せた。