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神田裕子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

神田 裕子(かんだ ゆうこ)は、北海道札幌市出身の心理カウンセラー。オフィスレアリーゼ代表。カサンドラ・ラボ代表。

ルーテル学院大学臨床心理コース卒業。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了。

TV、ラジオ、雑誌等のメディア出演歴を持ち、北海道放送北海道文化放送ではそれぞれ数年間コメンテーターを務めた。今年藝大に入学する娘1人・事実婚の夫と3人暮らし。

経歴

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藤女子大学文学部、20代から一般企業秘書を経て、労働省認定産業カウンセラー資格(当時)取得。精神対話士(当時)・心理相談員資格取得後、30代で起業し、開業カウンセラーになる。

1989年、神田が所属していた心理学研究所の派遣により、札幌市内の専門学校・短期大学において教鞭を取り、学生相談室のカウンセリング業務に従事する。

1996年、札幌市後援によりアメリカ・ポートランド市にて市民の意識と実態に関するカウンセリング調査に携わる。帰国後、同年3月に 『ゆうカウンセリングオフィス』を設立。

1998年より北海道庁メンタルヘルス講座・調査を担当。その後、北海道各地の官公庁や全国の一般企業を対象に講演・研修の活動を開始した。[注釈 1]。2001年に法人化し『ナチュラルハート』設立。2004年、心理カウンセラーを養成するスクールを北海道各地についで熊本、東京に開校し、EAP事業を開始した。

自身で決めていた50歳定年制を実施し、2014年に会社を譲渡[1]。同年『オフィスレアリーゼ』を設立[2]上智大学グリーフケア研究所所属。また、同年、ルーテル学院大学臨床心理コースに社会人編入学し、2019年春卒業時に成績優秀賞受賞。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科(博士前期課程)に進学。

2019年8月、バウムクーヘンプロジェクトを発足。写真集「BAUMKUCHEN 私たちは今、ようやく素直に美しい」をプロデュースし、同年12月に株式会社ユサブルより出版した[注釈 2][3]

2021年春、立教大学大学院修士号取得。同年4月、発達障害グレーゾーン、そのパートナーや家族、同僚等のカサンドラ症候群を支援する団体『カサンドラ・ラボ』を立ち上げる。7月より団体にて語りの場『カサラボカフェ』と勉強会『スライバーズクラブ』をオンライン運営し、講演会や研修会を実施、リアル東京会、リアル札幌会も設置された。2023年4月から、発達障害とカサンドラがともに学ぶ、異文化交流&学びの会員制サロン『つばらつばら』に統合している。

2025年4月、三笠書房から刊行予定の著書『職場の「困った人」をうまく動かす心理術[4]』について、表紙カバーや目次が公表された段階で、発達障害精神疾患のある人を「困った人」と表現し、動物に擬人化したイラストで描くなどの内容が、偏見や差別を助長するのではないかとSNSや報道で批判が相次いだ[5][6]。本書は、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、愛着障害トラウマ障害うつ病自律神経失調症更年期障害適応障害不安障害パニック障害などを持つ人々を「真面目ないい人」を苦しませる「職場の困った人」としてタイプ分類し、それぞれの特徴や対応策を「戦わずして勝つためのテクニック」として紹介している[7]。この表現に対し、障害者団体や専門家から「障害に対する誤解や差別、偏見を助長する」との指摘があり、日本自閉症協会は公式声明を発表、発達障害当事者協会も出版社に質問状を提出した[5][8]。また、出版差し止めを求める署名運動も起きた[9]。イラストを担当したイラストレーターは、編集部の指示で動物キャラクターに描き直した経緯を明かして謝罪した[10][11]。神田は「差別意識はなく、人間ではなく愛されるキャラクターとして動物に見立てた」と説明している[12]。三笠書房は「ご不快な思いをさせてしまったことに対してお詫び申し上げる」と謝罪し[5]、著者や家族への誹謗中傷が発生していることから、法的措置をとる方針を示した[13]

著作

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  • 『はじめての「自分で治す」こころの教科書―ひとりでできる、心のワークブック14日間』 Clover出版、2016年6月、272ページ、ISBN 978-4-7825-9007-2, 4-78-259007-5
  • 『最高の「考え方」:「自分が好きになる」心理アプローチ大全』 Clover出版出版、2019年8月、272ページ、 ISBN 978-4-9080-3331-5, 4-90-803331-5
  • 『BAUMKUCHEN 私たちは今、ようやく素直に美しい』監修、バウムクーヘンプロジェクト2019著、ユサブル出版、2019年12月、96ページ、ISBN 978-4-9092-4927-2, 4-90-924927-3
  • 『5分でわかる友だち術 (小学生実用BOOKS)』監修・指導 上條正義、菅原徹、はっとりみどり、橘皆無、吉永安里、橘皆無 共著、学研プラス出版、2021年2月、160ページ、ISBN 978-4-0520-5272-9, 4-05-205272-2
  • 『パートナーが発達障害かも?と思ったときに読む本』 単行本 すばる舎出版、2023年4月、256ページ、ISBN 978-4-7991-1089-8, 4-79-911089-6

活動

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公職・資格

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  • 経済産業局アントレプレセミナー「ビジネスアイディアコンテスト審査員」(H14年度)
  • 広報広聴推進委員(H13・14年度)
  • 北海道地方活性化員(H12・13・14年度)
  • 北海道人事委員会 「北海道職員等採用上級試験における人物試験の評定員」(H13~)
  • 札幌市経済局「札幌市新商品・新技術開発審査委員会委員」(H16・17年度)
  • 北海道経済部「北海道産業政策アカデミー委員」(H15年度)
  • 北海道女性起業家ネットワーク代表(H11~15年度)
  • 北海道産業保健推進センター特別相談員
  • 日本カウンセリング学会会員
  • 日本社会デザイン学会会員
  • 認定心理士
  • 中災防認定心理相談員
  • 厚生労働省認定産業カウンセラー
  • 日本アンガーマネジメント協会認定シニアファシリテーター
  • NLPサンタフェ認定マスターコース修了

脚注

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注釈

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  1. ^ 高校時代から演劇に打ち込んで東京の劇団に所属した経験を持つ神田は、その発声法や話術を講演・研修へと活かし、”元気づける”と、全国よりリピートを含め300回以上もの『神田節』への依頼を受ける年もあった。
  2. ^ 同写真集では19名の50代中心の女性をプロデュース対象としており、女性の社会的課題を多くの人に提言していくことを目的に写真を通して課題を表現しようというプロジェクトであった。クラウドファンディングでは、目標金額の200万円を大きく上回り300万円出資に成功した。なお、そのうち、最後に残った50万円を日本赤十字社に寄付した。

出典

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  1. ^ “メンタルカウンセリングのナチュラルハート創業者、神田裕子氏が来春にも会社譲渡 婚活・終活のグループ会社を新たに起業|北海道リアルエコノミー|地域経済ニュースサイト”. リアルエコノミー. (2013年12月9日). https://hre-net.com/syakai/syakaibunka/9194/ 
  2. ^ “ナチュラルハート前社長の神田裕子氏が出産・育児、婚活のカウンセリング・専門家養成「オフィスレアリーゼ」立ち上げ”. リアルエコノミー. (2014年6月16日). https://hre-net.com/syakai/syakaibunka/11039/ 
  3. ^ 「脱ぐ」をテーマに女性たちへのエンパワメントを広めたい!写真集出版プロジェクト - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)”. CAMPFIRE. 2023年6月5日閲覧。
  4. ^ 職場の「困った人」をうまく動かす心理術”. 三笠書房. 2025年4月17日閲覧。
  5. ^ a b c 「困った人」本、障害者を動物で表現 著者「差別意識ない」”. 朝日新聞デジタル (2025年4月18日). 2025年4月20日閲覧。
  6. ^ 自閉症やADHDの人を動物で表現、職場の「困った人」扱いに批判”. J-CASTニュース (2025年4月17日). 2025年4月20日閲覧。
  7. ^ 自閉症はナマケモノ、ADHDはサル、発達障害や精神疾患を動物で分類し「職場の困った人」扱い「うまく動かす心理術」カウンセラーの新刊「差別を助長」と物議”. まいどなニュース. Yahoo!ニュース. 2025年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月17日閲覧。
  8. ^ 「困った人」本に自閉症協会が意見書を公表「大事なことは差別意識の有無ではなく、社会にどう影響するか」”. ハフポスト (2025年4月19日). 2025年4月20日閲覧。
  9. ^ 発達障害者などを「困った人」扱いで「炎上」の書籍、出版差し止め求める署名開始 当事者「深く傷付き落胆」”. J-CASTニュース (2025年4月18日). 2025年4月20日閲覧。
  10. ^ 芦野公平 (2025年4月17日). “装画に関するご報告と経緯のご説明”. note. 2025年4月17日閲覧。
  11. ^ 「障害者を動物扱い」「差別助長」物議の新刊、イラストレーターが謝罪「深くお詫び」当初案は人間キャラ→動物に置き換える指示で描き直し”. まいどなニュース (2025年4月17日). 2025年4月20日閲覧。
  12. ^ 「差別意識なかった」「障害者を動物扱い」物議の新刊著者カウンセラー「愛らしい表現に」”. 神戸新聞NEXT. 話題. 神戸新聞社 (2025年4月17日). 2025年4月17日閲覧。
  13. ^ 三笠書房「お詫び」も書籍内容変更に言及せず「差別を助長」批判の新刊、読めば「ご理解いただける」誹謗中傷には「法的措置をとる」”. まいどなニュース (2025年4月19日). 2025年4月20日閲覧。

外部リンク

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