第十話
うっうーん。あれ?ここは…そうだ。俺はあの冒険者を倒して、急に激痛が走ってきたから眠ったんだった。
取り敢えず今の状況を確認しよう。
「うーん。…ん?」
あれ?何だこの声。周りに人間は?いないよな…えっ?
「何だ。幻聴か…」
いや、聞こえる。というか俺の声?
…えっ⁉︎俺って喋れるようになったの⁉︎何故⁉︎
……原因として考えられるのはあれしかないだろう。あの人間の強者。おそらくレベル4、5のアイツ。アイツに噛み付いた時に噛み付いたからか?それとも強者を倒したから?
…分からない。けど今までモンスターを食べても何もなかったし、人間しかだめなのか?
「うん。分からん」
まぁ、人と話せるようになるだろうこれは都合がいい。というか前の鳴き声も出せるのかな?
「キュキュー」
いけるな。けどなんか能力って感じじゃないんだよな。なんか喉が変わったっていうか…。取り敢えず住処に帰るか。
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うん、なんか早くない?明らかにいつもの走ってるスピードじゃない。
そりゃ、あんだけの激闘の後だ。成長の一つや二つしていてもおかしくはない。
でも、いくら何でもこれはおかしいだろ。心当たりはあるにはあるがモンスターの成長方法が魔石の吸収やドロップアイテムとか、大体が食べることだとしてもただの人間をただの人間を食べて成長するなんて聞いたこともない。
だとすれば何だ?強者だったから?それともダンジョン…母が何かしたのか?
…うん、それも関係はあるかもだがなんか少し違う気がする。何だこれは?
………考えても分からないな。けど、大体こういう相手の能力をコピーするのって大体何かしらの条件があるはずだ。
まず、ありそうなのがコピー対象の体を食べること。これはおそらくあってる。
次が強敵であるかどうか。…だけどこれに関しては俺の感が微妙に違うと言っている。
取り敢えず試しに他のモンスターで試してみよう。
どこかにいないかな?おっハーピイーとセイレーンだ。そういえば今まで戦ったことなかったな。
空中戦になるけど前のように結界を足場にすればいいし、今の素早さと新技の復習もしたいしやるか。
早速、結界を足場に空中を駆け上がる。素早さが上がっているからかジャンプ力も上がっているから登りやすい。
とっ近付いたから奴らも気づいたな。すぐさまハーピイーが接近戦のために近づいてきた。するの俺の鼻に何やら異臭を感じ取った。
「臭っーさ‼︎」
そのあまりの異臭に驚いた俺は、結界の足場を踏み外して落ちてしまった。
いや、本当に臭い。俺は鼻も良いからなあのことキツイ。思わず前足で鼻を押さえた。幸いすぐに姿勢を立て直して、そこまで高度は高くなかったから地面に着地したが危なかった。
というか何だこの異臭は、アイツらか⁉︎そういえばダンまちのハーピイーとセイレーンは糞尿のような匂いがするって言ってたな‼︎鼻がいい俺には劇薬だわ‼︎
取り敢えずあまりの匂いに鼻が慣れてきたけど(単純に鼻が麻痺しただけ)地上にいる状態だとやりずらいな。
「キーー」
「ピーピー」
ハーピイーが鉤爪をむけて急降下で攻撃してきて、セイレーンが怪音波を放ってくる。
ハーピイーの攻撃は普通に躱せるが、セイレーンの音の攻撃は躱すことができない。
今もハーピイーの攻撃を躱そうとしたが怪音波のせいで動きが鈍ったせいで結界で防御せざる得なくなった。結界じゃ音は防げない。…あの技を使うか。
そうして俺は、また突撃してきたハーピイーの羽に狙いを定めて…
「解」
と行って結界を展開した。板状の結界は、ハーピイーの羽を真っ二つに両断した。
それによって飛行できなくなったハーピイーは、勢いよく地面に顔面から強打して死んだ。
今のは、板状の結界を相手の体に展開することで結界のある空間に空きを作ることで斬撃のようにする新技だ。あの冒険者を倒すのにも使ったアイデアの技で威力は折り紙付きだ。
だが、これにも弱点がある。
まず、魔力の差が大きすぎる相手には効かないであろうことだ。この技は、相手の体に結界を展開をするという荒技だから相手の魔力に妨害されると結界が展開できないだろうからだ。
あの冒険者に通じたのは、冒険者の魔力が低かったからだ。おそらく魔導師やエルフならこんなことはできなかったはずだ。
次に、座標の指定が難しい点だ。相手が動き回る相手ならその動きについていけなくちゃ狙いが定められない。
最後に大きさの調整だ。大きさが小さければ労力の割に効果は小さくなるし、大きすぎると無駄に魔力を食う。
まぁ、これらの欠点は練習を重ねればちょうどいい塩梅もわかるようになるだろうから、まとめるととメイン火力になりうる優秀な技だろう。
…さて、検証はこれくらいにしよう。すでにこれで厄介な前衛は、殺した。後はセイレーンだけだ。というかこいつら本当に臭いな…こんなんある意味忘れられない思い出だよ。
この後は、残ったセイレーンたちを結界を足場にした空中戦の練習台に使って、そのまま地に落として勝利した。
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さて、何度かハーピイーとセイレーン。それと他にもモンスターと戦ったがやっとドロップアイテムを手に入れた。手に入れたのはハーピイーとセイレーンの羽、そして巨大蚊の針だ。
…ちなみに羽はわずかに異臭もするが… これも俺の力の実験のためだ……覚悟を決めよう。因みに生きたまま噛みついて飲み込んだりもしたがその時は何もなかった。
「それじゃあ…いただきます」
パクッ…モシャモシャ………おえーー。
〜しばらくお待ちください〜
失礼しました。けど気絶はしなかったが二つ能力を得た感覚を得た。一つは分からないが、もう一つは『超音波』を放つ能力だ。
…そうだ。おそらくこれはセイレーンの能力だろう。もう一つも実は分かっていてもおそらくそちらはハーピイーのドロップアイテムを食べた時にその感覚が来たから、おそらくハーピイーの能力だ。
これで条件を満たした敵を食べた時にその能力に近しい能力を得ることが確定した。だが、その条件は何だ?蚊だって同じモンスターだ。そこまで差はないはずだ。
違う点としてはセイレーンとハーピイーは異臭があって、巨大蚊は大きさ以外は殆ど蚊と同じだ。……記憶に強く残るかどうかか?
確かに巨大蚊は、見た目ただのでかい蚊だしそこまで強くない。けど、あの2羽は……あの匂いのせいで忘れようにも忘れられない。
あの冒険者も、初めて俺が倒した冒険者の強者として強く印象に残っている。
…そういえば、何で俺は共通語を理解してたんだ?本来なら日本語じゃないんだからできないんじゃないのか?
……ふむ、俺の記憶にはこういうのを転生者特典というのか。ならこの仮称『記憶に強く残る対象の能力コピー』もそのうちのひとつか?
何というか使いにくい能力だな。おそらくこれは意識的に使えるものじゃない。
だが、逆にいえば強敵という記憶に残りやすい存在なら能力を得ることができるのだろう。
疑問としては、何で俺が人間の言葉を話せる奴になったのかとかがあるがそれは置いておこう。
さて、こんな能力があるならアンフィスバエナとも戦ってみるか。そのためにも強くならないとな。