試合への意気込みを語る鈴木志乃＝静岡市駿河区

　「歌って踊って闘える」がコンセプトの4人組アイドルグループ「アップアップガールズ（プロレス）」に所属する静岡市出身の鈴木志乃が5月24日、市内で開かれる東京女子プロレスのスプリングツアーに参戦する。2023年にプロレスデビューし、故郷での興行は2度目。「互いのリスペクトによって成り立つ格闘技の魅力を知ってほしい」と笑顔でPRしながら、勝利へ真剣なまなざしを向ける。 　幼少期からアイドルに憧れていたが、短大卒業後に上京してバスガイドに。修学旅行生らを相手に「車内のアイドルを志した」。一方で夢は諦めきれず22年、「プロレスができる、できないはともかく、先輩方が上を目指せる環境をつくっていると感じた」という同グループの門をたたいた。 　加入するやいなや歌とダンスのレッスンと共に、プロレスの稽古がスタート。文化部出身で運動経験の少ない身には厳しく、ロープワークの練習であばら骨を折ったことも。トレーニングと食事で加入時から体重を5～6キロ増やし、現在ではアイドル活動よりプロレスの試合が多い生活を送る。「努力次第で注目してくれる人の数が増えていくのが分かる。リングに上がると『生きざまを見せてやる』とスイッチが入る」。ただ、これまでの勝利経験はわずか2回で、地元ファンの前での1勝に懸ける思いは強い。 　24年にはSBSラジオのパーソナリティーオーディションに挑戦し5組のファイナリストに選ばれたほか、バスガイド経験を生かしてバスツアーを企画するなど、精力的に活動の幅を広げる。「アイドルもプロレスも静岡にはなじみが薄いと思う。私の姿から『こんな道もあるんだ』と思ってもらえたらうれしい」 　（教育文化部・鈴木明芽、写真部・坂本豊） 　　　　　◇ 　スプリングツアーは午後1時から、静岡市清水区の清水マリンビルで。詳細は東京女子プロレスのウェブサイトへ。