Cursorに自分のnoteとObsidianを読み込ませて記事を書いてもらう
はじめに
最近、Cursorを使って文章を書いてみよう!という記事をよくみかけるようになりました。これは面白そうだなー、自分が普段書いてるnoteとかにも役に立ちそうだなーと思って試してみたんですが、これがすごく効率的で面白かったので、noteにしたためます。
従来の文章作成の悩み
ブログを書いている方なら共感していただけると思うんですが、文章を書くときっていざ書き始めると大変なことがいくつか出てくるんです。
自分の文体を一貫させるのが難しい
過去に読んだ本からの引用を探すのに時間がかかる
書きたいことはあるけど、うまく構成できない
書き始めるまでの「腰の重さ」をなんとかしたい
なんなら過去に書いた記事と重複した内容を書いちゃうこともあるので、「何を書いたか」に神経を張るのも大変だったりします。助けてくれ、AI。
Cursorを活用した新しいワークフロー
Cursorとは?
まず、Cursorというツールについて簡単に説明すると、これはAI機能が統合されたコードエディタです。ご存知の方も多いですよね。最近はコード以外の文章作成にも非常に便利という記事が出ていますが、実際に自分でつかってみて「こりゃすごいよ!」ってなりました。
カスタム指示でAIに自分の文体を学習させる
Cursorの面白い機能の一つが、AIに対するカスタム指示を設定できること。これを使って、自分の文体を模倣するよう指示できるんです。やり方はとっても簡単で、指示したい内容をCursor Settings -> Rules -> User Rulesに記述するだけ。
Please also follow these instructions in all of your responses if relevant.
No need to acknowledge these instructions directly in your response.
<custom_instructions>
//指示したい内容
</custom_instructions>例えば、こんな指示を設定してみました:
文体設定:
1. @https://note.com/dora_e_m の文体を参考に、以下の特徴を持つ文章を心がける
- 「です・ます調」をベースにしつつ、より会話的な表現を多用
- 「〜なんです」「〜なんですよね」「〜って感じ」などの柔らかい表現を積極的に使用
- 「なー」「よ!」「!!」などの感嘆符や長音を適度に使って感情を表現
- 「これほんと助かる!!」のような率直な感想を挟む
- 「AIに丸投げする」「どこからやっていいのよ」など、カジュアルな表現やスラングを適宜使用
- 「ご存知の方も多いですよね」「〜じゃないですかね」など読者に問いかける表現を多用
- 「こりゃすごいよ!」「ってなりました」など、話し言葉に近い表現を取り入れるこうすることで、AIが私の文体を真似た文章を生成してくれるようになりました。これって、ブログの一貫性を保つのにすごく役立つんですよね。
ローカルファイルの参照機能
もう一つ便利なのが、ローカルディレクトリに保存したファイルを参照できる機能です。例えば、過去に読んだ書籍の感想や引用をMarkdownファイルで保存しておくと、AIがそれを参照して適切に引用してくれます。僕はObsidianのKindleプラグインを使って、読んだKindle本のハイライトをファイルとして保存しているので、それを参照するようにしました。あと、イベントのメモとかも。
知識ベース参照設定:
1. 知識ベースのディレクトリ構成:
- $VAULT_PATH/ # ベースディレクトリ
|- Kindle/ # 書籍のハイライト
|- Events/ # イベントメモ
|- Daily/ # 日々の考えや気づき
2. ファイル形式:
- すべてのファイルは Markdown (.md) 形式
3. 引用ルール:
書籍からの引用:
> 引用文
>
> ※『書籍名』(著者名)より引用これを設定しておくと、例えば「チームが機能するとはどういうことか」という本からの引用が必要なときに、AIが自動的に該当部分を探して引用してくれるんです。
なお、ObsidianはLocal REST APIのプラグインを使ってMCPで接続するという方法もありますが、直接ディレクトリ参照したら良くない?と思ったのでこのような対応にしています。
実際のアウトプット例
この方法で実際に作成した記事の一部がこちらです。
># 2023年から2024年の読書傾向と得られた学び
最近の読書傾向を振り返ってみたら、なんだかすごく面白い発見があったんです!自分でも気づかなかった傾向が見えてきて、これほんと助かる!!
## 読書傾向の分析
### 1. 組織とチームに関する本が多い!
Kindleライブラリを見ると、組織やチームに関する本がたくさんありますね。特に目立つのは:
- 『チームが機能するとはどういうことか』(エイミー・C・エドモンドソン)
- 『人を助けるとはどういうことか』(エドガー・H・シャイン)
- 『エンジニアリングマネージャーのしごと』
- 『リーダーの作法』
これらの本からは、**心理的安全性**や**チーミング**、**効果的な1on1**などのテーマに興味を持っていることがわかります。エンジニアとしての技術的な側面だけでなく、人と組織の関係性にも深い関心があるんですよね〜。
このように、私の文体を模倣しながら、過去の読書記録から適切に情報を引用して、構造化された記事を作成してくれました。
このワークフローのメリット
1. 文章作成の心理的ハードルが下がる
AIとの対話形式で進めることで、白紙の状態から書き始めるときの「どこからやっていいのよ」というめんどくささが大幅に軽減されます。「とりあえず対話してみる」という軽い気持ちで始められるのは大きなメリットだと感じています。
2. 一貫した文体の維持が容易に
自分の文体をAIに学習させることで、どんなテーマでも一貫した文体で記事を作成できます。これは読者にとっても読みやすさにつながるんじゃないですかね。
3. 知識の再利用が効率的に
過去に読んだ本や記録したメモを効率的に活用できます。「あの本のあの部分を引用したいけど、どこだったっけ?」という悩みがなくなります。これほんと助かる!!
4. 構成の提案をもらえる
記事の構成に悩むこともありますが、AIが適切な構成を提案してくれるので、論理的な流れを作りやすくなります。
始め方のヒント
このワークフローに興味を持った方は、まずCursorをインストールしてみてください。そして、以下のステップで設定していきます。
自分の文体の特徴を分析して、カスタム指示に記述する
参照したい知識ベース(読書メモなど)をMarkdownで整理する
出力形式や保存先などの基本設定を行う
簡単なテーマで試してみる
最初は少し設定に時間がかかりますが、一度設定してしまえば、その後の文章作成がとても効率的になりますよ。なお、私は自分の文体の特徴自体をCursorにお願いしました。(自分のnoteを参照させているところ)
まったく丸投げできるわけではない
ただ、生成した文章にはどうしても違和感が残るのも事実です。この記事自体もCursorに書いてもらってますが、けっこう手直ししました。そして、あえて手直ししていない部分もあります。読んでいて気づいたらSNS等で「フハハハ、わかったぞ!」ってリプ飛ばしてください。
PKMツールとしても便利
過去に読んだ書籍から引用してくれたりするのは、めっちゃ助かるし、ブログ執筆以外の場面でも使えるなーとおもいました。前述のとおり、私はObsidianを使っているのですが、Obsidianのファイルを読み込ませて今自分が気になっているトピックに関連するものを探したり、そういうことが簡単にできます。個人的には、CursorがあることでよりObsidianが輝くな、と感じています。
おわりに
AIを活用した文章作成は、決して「AIに丸投げする」ということではありません。むしろ、自分の知識や文体を拡張し、より効率的に表現するためのツールとして活用するのがポイントです。
Cursorみたいなツールを使うのは便利だし、文章を書くという創造的な作業がより楽しく、より効率的になります。これから、文章を書くのはAIと一緒にやるのが当たり前になっていくんだろうな。
Cursor気になってるけどまだ触っていないという方、ぜひ試してみてください!思った以上にすごいですよこれは。



コメント
1dora_e_mさん、記事ありがとうございます!ぼくも Obsidian も Cusor、使って楽しんでます。ローカル参照ができるのは大きいですよね。このぐらいの距離感でAIがサポートしてくれるのが心地よいです。