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コリドラスの薬問題(9) プラジプロ(prazipro)




「コリドラスに関係していたり、していなかったりする諸問題を地味にディープに探究する」と銘打って、このブログを立ち上げたのは2018年1月の事だった。
以来、500余りの記事をポストして来たのだけれど、有用かもしれない情報がその他の記事に埋もれて見付け難くなるという現象が起こっている。
これは「ブログ」という媒体の構造上の欠陥でもあると思う。
いずれは何か手を打たなければならないのだけれど、取り敢えずいくつかの記事を加筆修正して再掲するという応急処置で済ませる事にした。
こう見えて、結構忙しいのだ。



そんな訳で、本日から数回に渡って、埋もれてしまった記事の発掘を行う。
一回目となる本日は、寄生虫駆除薬のプラジプロ(prazipro)について。



これね。
Prazipro(2020.10.22-1)
プラジプロ(prazipro)
新世代の寄生虫駆除薬としてプラジプロを紹介したのは2020年の事。
外科手術によって取り除くしかなかった吸虫(クリノストマム)を、生体に負荷を掛けずに駆除出来る画期的な新薬として取り上げたのだ。



クリノストマムと呼ばれる吸虫が寄生している状態がこれ。
プルケール7・吸虫
一見すると体表が盛り上がっている様に見えるのだけれど、鱗板の内側に寄生しているから外科手術では駆除が難しい。
トロピカルNやリフイッシュは吸虫には効かないから、これまでは寄生虫と分かっていても放置するしかなかったのだ。
特にプルス川に生息するコリドラスに多く見られる症状で、プルケール、スーパーシュワルツィ、セミロングノーズ・スーパーシュワルツィ、ロブスタスは寄生されている前提で対応すべきかもしれない。
TwitterやInstagramのタイムラインを見ていると、明らかに吸虫が寄生しているケースが散見される。
顎の下側や胸鰭の付け根などにある「おでき」の様なのがソレなのだけれど、表面から見えない吸虫は放置されてしまうから、体内を喰い荒らされてコリドラスのダメージは蓄積して行くと思われる。
飼育しているコリドラスの突然死の原因の一つは、この吸虫によるダメージなのではないかと考えている。



プラジプロは、体内に潜んでいる吸虫も強力に駆除してくれる。
ロブスタス1(吸虫)
画像は、プラジプロによる駆虫を終えたロブスタス。
エロモナス症の内出血にも似た感じだけれど、ここから吸虫が這い出して来た。
プラジプロで薬浴するまで気付かない深い位置に寄生していたから、外科手術では取り除く事が出来なかったはずだ。
この症例はプラジプロが無ければ駆除出来なかったと思われる。



プラジプロの使用方法について説明しておく。
15リットルに対して1mlが規定量だから、600×300×360規格水槽の場合は4mlという事になる。
ボトルに書かれている説明を読むと、薬効は一週間。
続けて薬浴する場合には、3日間は間を空ける様に指示されている。
また、薬浴する際には「換水して新しい水にするのが好ましい」との事だから、もしかすると酸性の飼育水を用いた薬浴では効果が落ちるのかもしれない。
魚類だけでなく、エビ、貝、濾過バクテリア、水草への負荷が殆ど無いから、本水槽を丸ごと薬浴出来る。
流通量の多い16ozボトルの場合、600規格水槽ならば118回分になるからコスト/パフォーマンスも非常に優れている。



優れた寄生虫駆除薬であるプラジプロだけれど、現状では問題点が二つ。



一つは入手の難しさだ。
このプラジプロ、株式会社キョーリンがHikariブランドの寄生虫駆除薬として米国で生産・販売しているのだけれど、薬機法の絡みなのだろうか、正規ルートでの輸入は行われていない。
その為、e-bayを使って個人輸入するか、ヤフーオークションやメルカリを利用するしかないかもしれない。
私はamazonで普通に購入したのだけれど、現在は取り扱いがないようだ。
念の為に確認した所、個人が使用する分には薬機法(旧薬事法)に触れる事はないけれど、転売している個人・法人は黒っぽいグレーではないかとの事。
また、小分けにして販売されている物は、使用期限を含め何の保証もないから注意しなければならない。
諸々を考えれば、やはり正規に販売されるのが望ましい。



もう一つは、吸虫を駆除する事でダメージを与えてしまう事だ。
吸虫3
画像はプラジプロによって吸虫を駆除した結果、死んでしまったビファシアータス。
Twitterでフォローさせて貰っている、色抜け(@akamushi62)さんから提供して戴いた。
薬浴させた時点で目が窪んでいたとの事だから、寄生によるダメージが進行していたものと思われる。
見ての通り、右側面だけでも3~4匹は寄生しているから、相当数の吸虫に寄生されていたのだろう。
この様に、吸虫の数や寄生されている場所によっては、駆除する事で却って寿命を縮めてしまう事もあり得るのだ。



気持ち悪いけれど、出て来た吸虫がこれ。
吸虫2
左側のは寄生虫の卵だろうか?こんなのが体内に蠢いていると思うと、何とも言えない気持ちになる。
放置していても、いずれは致命的なダメージを与えるだろうし、プラジプロで駆除する事で寿命を縮める可能性もあるから、薬浴をさせるか否かの判断は慎重に行う必要があるだろう。
特に体内に寄生しているケースでは、外観からは判別が出来ないから、ある意味では「賭け」になってしまうのだけれど、私は新規に導入するコリドラスはプラジプロによる薬浴を行っている。
放置しておいても、いずれは死んでしまうだろうから、治療出来る可能性に賭ける事にしている。



新世代の寄生虫駆除薬プラジプロ。
生体や水草に負担を掛けず、安全性が高い寄生虫駆除薬だけれど、当然だが万能ではない。
今の所、以下の症例での効果の有無が分かっている。

①「Tapeworm(条虫)」「Flukes(吸虫)」「Turbellarians(繊毛虫)」を強力に駆除する。
②コリドラス線虫(いわゆるピロピロ病・マクロギロダクチルス)には即効性がある。
③吸虫(クリノストマム)は強力に駆除する。
④スーパーアーク等に見られるゼリー状の付着物には効果がありそう。
⑤ツリガネムシ(寄生虫ではなくバクテリアの一種)には効果が無い。
⑥カラシン線虫には効かない。
⑦ディスカスのエラ病(ダクチロギルス)には効果がある。

当たり前だけれど効果のある物とそうでない物があるから、闇雲に薬浴させるのはお勧めしない。
まだ新しい薬でもあるので、他に症例があればお知らせ戴きたい。



最後に。
プラジプロの主成分はプラジカンテルだと思われるのだけれど、プラジカンテルを主成分とする寄生虫駆除薬が国内でも販売されている。
バイエルン薬品株式会社のハダクリーン。
まだプラジプロを持っているから価格を調べていないのだけれど、500g単位だからそれなりの値段になりそうではある。
養殖魚用の経口投与薬だから、コリドラスが食べるのかは未知数だ。
また、スズキ目の魚類以外には使うなとの事だから、これもコリドラスに使えるかは分からない。
ただ、某・専門家が「知っとるけ?」的にDMを送って来たから、もしかすると使える目途が立っているのかもしれない。
こちらは情報が集まり次第、お知らせする。



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プロフィール

ざうらー

Author:ざうらー
アクアリウム趣味を始めて以来、ずーとコリドラスと一緒。
好物はライン系のセミロングノーズ・タイプ。
コリドラスに関わる森羅万象が知りたい。
将来の夢はコリドラスになる事ですが、なにか?

・2021年1月1日
カテゴリーの整理を行いました。
・2021年4月7日
タイトルをカタカナ表記からアルファベット表記に変更しました。

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