子ども食堂の開設準備を進める川東さん=珠洲市飯田町

 珠洲市内で初めての子ども食堂が20日、市中心部の飯田町にオープンする。英会話教室の講師で飯田生まれの川東敬子さん(53)が能登半島地震で人通りが減ったふるさとに誰もが集える場所をつくろうと、津波に襲われた教室の建物を改修した。教室を閉じることも考えていたという川東さんは「教え子に背中を押されて準備を進めた。震災の爪痕が残る中、少しでもほっとできる空間にしたい」と意気込んでいる。

 子ども食堂は2階建てで、「憩いハウスNicomaruPan(ニコマルパン)」と名付けた。30席ほどを設け、食事や軽食を提供する。県によると、県内の市町のうち、これまで珠洲市には子ども食堂がなかった。

 川東さんは20年前から英会話教室を運営する傍ら、同じ建物でカフェ開店の準備を進めてきた。しかし、昨年元日の地震で建物は半壊し、津波で床上約50センチまで浸水した。

 泥まみれの建物を見て、カフェの断念や教室の閉鎖もよぎったが、教え子が「いつ始まるの」と教室再開を楽しみにしており、思い直した。飯田町では更地が増え、住民の多くも仮設住宅に移ったことから、子どもから高齢者までが交流を深め、何かできる場所をつくろうと、子ども食堂を開設することにした。

  ●しんどい気持ち切り替える場に

 20日は子どもたちや住民を招待し、桜餅作りやバルーンアートショーなどを開く。子ども食堂以外にも、幅広い年代の人たちが集うことのできる場所として開放する。川東さんは「まだまだしんどい気持ちの人もいると思うが、今日も一日頑張ろうと気持ちを切り替えられる場所にしたい」と話した。

無断転載・複製を禁じます