【甘口辛口】カバン芸を最後に都政から去った猪瀬氏…「五輪の闇」を暴く覚悟はあるか

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■11月14日

 5000万円の札束の模型をカバンに詰めようとしたが、チャックが閉まらない。都議会での「カバン芸」が世間の失笑を買い、道半ばで横道にそれて辞任した東京都の猪瀬直樹元知事だが、都政に対しては一直線だったようだ。12日に都内で開かれた小池百合子都知事の政経塾で講演し、その一端を披瀝した。

 「改革に立ちはだかる敵は誰か。東京の敵はドンであり、ドンと呼ばれる人が力をもつ構造が問題」と指摘。都議会の「ドン」といわれる内田茂・前自民党幹事長を名指しするなど、講演内容は過激だったようだ。猪瀬氏自身も副知事、知事時代に内田氏に接していて、その実態や力のそぎ方をレクチャーしたという。

 小池都知事もビデオメッセージで登場し「膨らむに膨らんだ各種予算を認めてきたのは都議会そのもの」と述べたという。なるほど最大3兆円超という東京五輪開催費も、ソロバンを弾くのは都の職員にしても都議会で承認されなければ出てこないはすだ。豊洲市場の盛り土問題と同じで巨大組織の闇の深さは底がしれない。

 開催都市の巨額財政負担で開催に手を挙げる都市も減っている現状で、3兆円超と聞いてはIOCも黙ってはいられない。費用圧縮に東京都、組織委、政府との4者会談を提案したのはほかならぬIOCだ。しかし、原点でもある都議会は何一つ傷つかず知らんぷりを決め込んでいる。

 猪瀬氏の講演は「人の悪口ばかり」と不満の声もあったようだが、当事者として内情をよく知っているはずだ。黒い金を一度は手にしたものの都政に対する心までは腐ってはいないと見た。「五輪の闇」を解くために、これからも公の場で語ってもらうしかない。 (今村忠)

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