これもたびたび読み返す
後世にこれからも残るであろう名著だと思います
日本では村上春樹氏の1Q84で取り上げられ広まった。
その他にも1984年といえば作家ドストエフスキー、レディオヘッドの曲2+2=5、デヴィットボウイ
日本でも伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」「モダンタイムス」から
元マッドカプセルマーケットの上田剛士ソロプロジェクト AA=(AA EQUAL)
映画界からはギリアムの『未来世紀ブラジル』やキューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』ルーカスの『THX 1138』など現代でもテーマヤコンセプトとして扱われ、60年経った現在でも音楽や映像などで繰り返し言及され多大な影響を与えている
その中でも特に村上春樹氏の1Q84を読んでみて似てるなと感じたのは、エルサレムの受賞式で村上氏が語られた「壁と卵」の話の中での、システム=国家や権力で、それに抗う卵=弱者というストラクチャーの部分、二重思考で精神的に追い込む部分は1984にインスパイアされているなと感じた
”ビックブラザー”=リトルピープル
そしてその”リトルピープル”が”システム”を紡ぎだす=監視管理社会と個人的に解釈してます
この小説は絶望的で救いの無い未来を暗示するディストピア小説で、”ビックブラザー”率いる全体主義的近未来を描いた作品
もしも近い将来にソ連や中国や北朝鮮がそうであったように、共産主義、マルクス=レーニン主義が行き着く先の独裁体制恐怖政治国家がイギリスで樹立していたらという話
また作中の”ビックブラザーと反革命運動の指導者ゴールドスタインは、ソ連をモデルにしたと思われる「スターリン」と「トロツキズム」の模倣。
寒々とした街角のここかしこに張られた口髭の男のポスター
”ビックブラザーがあなたを見ている”
党は”ビックブラザー”を神格化してカリスマ像を作り上げ崇拝させる。
人々の行動や言動は作中のテレスクリーン(今でいう監視カメラ)によって24時間屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視され
そのほか個人の思考や言動などは思考警察のスパイなるものにより徹底的に監視され
(市民の中に紛れていて誰が思考警察のスパイなのか分からない。その多くは子供で自分の親ですら告発する)
そして国の権力や支配に邪魔なものは端正し洗脳していき、ある時は排除する
「戦争は平和である/自由は屈従である/無知は力なり」
そして歴史記録や新聞を党の都合のいいように最新のものに改変し、偽のプロパガンダで国民を扇動し、国家が情報を管理し統制をはかっていく
そんな虚構の世界で主人公は欺瞞を抱き始め、国家に対しての不満を日記に綴り始める。
そして仕事中あることがキッカケで、この世界のウソが確信に変わり、ある日この世界の真実が書かれた書物の存在に気づき、その虚構の世界からの脱却を図るべく動き出す・・
この小説の監視社会の部分や存在するのかハッキリしない”ビックブラザー”=システムの象徴(勝手に解釈)
そして『1984年』に登場する作家オーウェルの作った"架空の仕掛けたち"
『ニュースピーク』『二重思考』『犯罪中止』『憎悪週間』といった概念。
この4つの概念は党が定めた国家の規範でこれらによって党は市民を支配していく。
---------------------------------------------------------------------------------------------
☆『二重思考』
1人の人間が矛盾した2つの信念を同時に持ち、同時に受け入れることができる能力。
現実認識を自己規制により操作された状態でもある。
☆『ニュースピーク』
思考の単純化と思想犯罪の予防を目的として、英語を簡素化して成立した新語法。
語彙の量を少なくし、政治的・思想的な意味を持たないようにされ、この言語が普及した暁には、反政府的な思想を書き表す方法が存在しなくなる。
☆『犯罪中止』
党の主張や党の作った記録を信じなければならず、矛盾があった時は「犯罪中止」により
間違いを見抜かないようにし、万一間違いに気づいても「二重思考」で自分の記憶や精神の方を改変し党の言うほうが正しいということを認識しなければならない。
☆『二分間憎悪』
党員たちは毎日仕事を中断してホールに集まり、大きなテレスクリーンの前で、党と人民の敵(特にエマニュエル・ゴールドスタインとその一味ら)が登場する映像を見せられ、画面上の敵の姿や敵の思想に対してありったけの憎悪を見せなければならない。この「日課」が二分間憎悪である。
---------------------------------------------------------------------------------------------
これらは現代社会を生きる自分の世界にも重なる部分があり驚いた
『憎悪週間』『二分間憎悪』などは
北朝鮮の平壌放送だとか独裁国家での指導者への個人崇拝、米国メディアCNNのイラク戦争報道などは、徹底定期なプロバガンダによる洗脳に近いと思う
またANNワシントン支局・田畑正支局長は、
米国メディアFOXなどはバクダットがほぼ陥落し、フセインの銅像が引きずりおろされた際『暴君は今や倒され、バクダットは解放されました』と米国のプロパガンダ(宣伝)映像を流し続けたが、イラク側の爆破され、殺され、傷ついた犠牲者や遺体、女性や子供の映像は一切流さず、戦争の悲惨さ、血の匂いは画面から消し去られたと語っていた
そして91年の湾岸戦争当時のありもしない有名な「油まみれの水鳥」やフセイン銅像引き倒しのアメリカ政府のヤラセ報道も情報操作による世論誘導も1984年の世界と似ていてビックリした
そんなブッシュとブッシュ政権寄りのFOXは政府と報道が一体化したシステムを創り出し、9・11以降、国民の圧倒的な愛国心が真実への目を曇らせるなかで、ほかのメディア(CNNや3大ネットワーク)も巻き込んで愛国心の競争を一層過熱させ、『イラク戦争肯定』に向かわせる役割を果たした。
あとは"ブッシュ"や"小泉総理で有名な"「テロとの戦い」っていう語彙も、言葉が抽象概念的で、ほかのロジックが差し込めないように集約させ、まるでキャッチコピーみたいに流通しちゃっている現在の世界
この辺りが作品内の「戦争は平和である/自由は屈従である」という。。
スローガンや「ニュースピーク」1984年の世界にすごくよく似ている。
国家が情報を管理し統制をはかっていく「プロパガンダ型システム」の危険性
こんな時代をジョージ・オーウェルは60年も前に危惧し、批判的に描いていたんじゃないかと思う。
そしてこの小説をもっとも象徴するフレーズの一つの
”2+2=5”
主人公は洗脳される前は自分のノートに
「自由とは、2足す2は4だと言える自由だ。それが認められるなら、他のこともすべて認められる」と書く。
しかし党の中枢の幹部オブライエンに二重思考の必要性を説かれ厳しい拷問を受け
主人公は「2足す2は5である、もしくは3にも、同時に4と5にもなりうる」
ということを信じ込むことができるように洗脳(二重思考を強制)されてしまう。。
”自由意志は誤りを選択し、民衆は誤った投票をし、人々はありえざることを祈る・・”
インターネットの普及や科学技術の発展、街中は防犯カメラだらけで、世界中戦争は絶えることがなくどんどん進化していく。
近い将来2+2=4ではなく5になる世界が来るんじゃないか??
こうしたことをイロイロ考えさせてくれる1984年は素晴らしい本でした
おまけにジョージオーウェル関連バンドの音楽
元マッドカプセルマーケットの上田剛士ソロプロジェクト AA=(AA EQUAL)「FREEDOM」PV
バンド名は、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」から由来されている。
レディオヘッド 2+2=5
ブッシュ前大統領を皮肉った曲で、この物語をメタファーとして現代のグローバリズム、第3世界の搾取を批判したものらしい。(罠にかかり拷問され洗脳されるPV)
1984 George Orwell Movie Trailer (1984)