傍聴の記録1
訴訟当事者、管轄裁判所、開廷日時
原告 党首ネキ、党首ネキのパパ
被告 YouTuber
静岡地方裁判所浜松支部 2号法廷にて
令和6年9月2日 13:10 第1回口頭弁論 開廷
※登場人物は全て仮名。東京地裁より移送された事件。
訴訟当事者の出廷確認
原告の代理人弁護士、及び、復代理人弁護士がweb会議にて出廷(zoomのような手段で審理に参加)。
法廷に液晶モニターが置かれ、そこに当該弁護士2名が映し出された。
被告は仕事のため欠席。ただし、答弁書が提出されているため、陳述擬制(裁判で主張をしたものとして扱う)とされた。
原告の訴えの確認①
≪裁判官≫
「原告は『謝罪”動画”』の掲載を請求しているが、『謝罪"広告”』の請求と異なるものということでよいか?『謝罪"動画”』を認めた判例があれば提示してほしい。」
≪原告≫
「謝罪"動画”を請求する。謝罪"動画”が認められたという判例は無い。」
原告の訴えの確認②
≪裁判官≫
「(被告が原告を誹謗中傷した)動画の削除を請求しているが、今現在もその動画は掲載されているのか?当該動画が削除されていた場合の原告の対応は?」
≪原告≫
「当該動画が削除されているかは、まだ確認していない。すぐに確認する。削除されているようであれば、訴えの一部(当該動画の削除請求)は取り下げる。」
被告の答弁書について
≪裁判官≫
「被告の答弁書には、原告の請求の棄却を求める主張のみがされていたが、当該棄却を求める具体的な理由(※)が一切提示されていない。被告に連絡を取り、当該具体的理由を提示するように促すこととする。」
※『当該棄却を求める具体的な理由』という箇所は、記憶が曖昧なので、この表現が適切なのか自信が無い。
※後ほど調べて考えたが、被告は原告の請求の棄却を求めているが、原告の請求の全てについて争うのか?一部について争うのか?そこが具体的に書かれていないので裁判官も困っている…ということだと思う。
つまり、こんな答弁書では被告に全く勝ち目はないと裁判官は示唆しているのだろうと筆者は感じた。
"請求の棄却を求める”旨の答弁書については以下参照。
https://qr.paps.jp/z2Sqf
https://www.progre-law.com/sosyou-kojin/
次回期日、答弁書提出期限、弁論準備手続き
次回は、10月21日(月)13:10を予定。被告との調整がつけば期日が確定する。
答弁書の提出期限は10月7日を予定。
次回の審理は【弁論準備手続き】となる。
これは、当事者が申し出た場合を除き、原則【非公開】での審理となる。
参照:弁論準備手続きとは
https://www.yokohama-roadlaw.com/glossary/cat2/post_582.html
傍聴した筆者の感想
◆予想はしていたが、原告の弁護士はweb会議で出廷だった。最近は遠方の弁護士さんは電話で出廷することやweb会議で裁判をすることが多いのだという。次回も原告はweb会議にするだろうと予想。
◆被告が出廷しなかったのは意外。次回は出廷しないと被告がボロ負けする。次は、非公開の弁論準備手続きなので、傍聴人はいない。形だけでもいいから謝罪した方が良いのでは。
原告が勝ち誇る姿を見たくないし、何よりも被告の事が心配。最悪の場合、被告の住んでいる建物が差し押さえられるのではないか?
◆謝罪"動画”が認められるかは微妙なところだと感じた。認容されれば、初めての判例になるのでは。
◆被告の動画は、8月初旬くらいから非公開になっていたと筆者は記憶している。裁判官も当該動画が非公開になっているのを知っているように感じた。おそらく動画の削除請求は取り下げになると思う。
◆肝心の訴額が全額認められるのかは判決が出るまで不明。
被告が、次回の弁論準備手続きで、どういう主張をするかによって決まると思う。
裁判官の様子を見て、被告に対し「このままでは、被告はボロ負けするよ」と、遠回しに配慮しているように感じた。
余談
裁判の期日は、訴訟当事者の氏名さえわかっていれば、管轄裁判所に問い合わせれば、すんなり教えてくれる。実際、筆者がこの事件の期日を知ったのは、静岡地裁浜松支部に問い合わせたから。事件番号も教えてほしいと尋ねたら教えてくれた。


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