ロシアの裁判所、ウクライナ戦争を批判した19歳女性に実刑判決 反戦訴えて収監234人に
ロシアの裁判所は、ウクライナの詩を書いたポスターを掲示したり、彫刻に抗議メッセージを書くなど反戦活動を行っていたダリヤ・コズィレワさん(19)に対し、懲役2年8月の実刑判決を言い渡した。 裁判を傍聴したロイター記者によると、コズィレワさんは18日、「繰り返しロシア軍の信用を失墜させた」として有罪判決を受けた。公園の広場にウクライナの詩を引用したポスターを掲示したほか、ラジオ自由欧州のロシア語サービスのインタビューに応じたことが、その理由とされる。 独立系メディアがまとめた裁判記録によればコズィレワさんは無罪を主張し、この裁判は「完全なでっち上げ」だと訴えたという。 コズィレワさんは2022年12月、サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館の外に展示されている彫刻に、黒いスプレーで「殺人者たち、お前らが爆撃した。ユダめ」と書いた。この彫刻は、ロシア軍によって壊滅状態に陥ったウクライナの都市マリウポリとサンクトペテルブルクの結びつきを象徴するものであった。 コズィレワさんは昨年、ウクライナに関してネット上に書き込みをしたとして約5万1000円の罰金を科されたほか、通っていたサンクトペテルブルク国立大学の医学部からも退学処分を受けた。 ノーベル賞を受賞したロシアの人権団体「メモリアル」の集計によれば、反戦を訴えて収監されたのはコズィレワさんを含めて234人に上るとみられている。 18日に出廷したコズィレワさんは「私に何の罪もない。良心はまったく晴れやかだ」と語った。