モー娘。北川莉央さん裏アカ「流出させた人」に法的責任は?メンバーに対する「悪口」で活動休止に
●流出の責任を追及するような表現はなかった
一方で、今回の事務所の発表にも、本人のコメントにも、流出させた人についての責任を追及するような表現はありませんでした。 流出した内容が事実である以上は、流出させた人に対する責任追及を表明したとしても、ファンビジネスをしている芸能事務所やメンバーにとってメリットにならない、という経営判断と思われます。 また仮に所属事務所が指摘すると逆に「反省していない」「責任転嫁だ」と一部ファンから声が上がることを懸念した可能性があります。しかし、SNSに流出させた人の法的責任と、北川さんのアイドルとしての責任はまったく別です。
●メンバー間で対話を重ねることが糸口になる
所属事務所の発表では「北川が猛省し自身を見つめ直すための期間にするべく、活動をしばらくの間休止いたします」としています。 猛省により清廉潔白なアイドルに生まれ変わるというのはむしろ現実的ではない気がします。 そもそも今回アイドルとしての責任、つまり猛省の対象としては、具体的には(ⅰ)交友関係に気を付けること(ⅱ)SNSの使い方ということになるでしょう。ただ、これは誰にでも当てはまることです。 二人だけの会話だと思っていたら、相手が秘密に録音していてネットに上げるということは容易に起こりえますし、信頼できる相手を見極めるというのは容易ではありません。 また、「活動再開の時期については、改めてお知らせいたします」とし活動再開を前提としています。 今回の本質は、結果的に他のメンバーを傷つけたことである以上、直接傷つけたメンバーだけでなく、他のメンバーも含め、北川さんとの今後の活動を受け入れられるかだと思います。 つまり、ファンの中ではいつまでも活動再開についての賛否は分かれ続けるでしょうから、メンバーの理解と納得が得られるというのが、再開の条件ではないでしょうか。 一人一人に良いところもあれば、そうでないところもあるものです。すぐにとはいかないと思いますが、メンバー間での対話を重ねて、表面的なものではなく、お互いへの理解を深めていくことが糸口になってくるでしょう。 【取材協力弁護士】 河西 邦剛(かさい くにたか)弁護士 「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。「清く楽しく美しい推し活〜推しから愛される術(東京法令出版)」著者。 事務所名 :レイ法律事務所 事務所URL:https://rei-law.com/