福島県内公立小中学校…多機能トイレ整備43.1%、全国ワースト2位

2025/04/04 07:30

 福島県内の公立小中学校573校のうち、校舎に多機能トイレを整備しているのは昨年9月時点で43.1%に当たる247校にとどまり、全国ワースト2位だった。2025年度中に整備予定の学校を含めても44.5%の半数以下にとどまり、25年度末までに避難所に指定されている全学校に整備するとの文部科学省の目標に届いていない。

 文科省が昨年度実施した学校施設のバリアフリー化に関する調査で明らかになった。多機能トイレは、車いすの人や乳幼児を連れた人など、誰もが使いやすいように設計されている。多機能トイレ以外の整備率は、校門から校舎までの段差を解消するスロープが70.3%(前回比13.3ポイント増)、校舎玄関から教室までのスロープは40.3%(同9ポイント増)、エレベーター(1階のみの学校を整備済みとして含む)は16.9%(同1ポイント増)だった。

 25年度中の整備予定を含めると、校舎までのスロープ70.5%、教室までのスロープ40.5%、エレベーター17.5%となる見込みだが、いずれも国が掲げる目標を下回っている。

 県教委は、本県の整備率が低い状況について「市町村の財政状況や生徒がどれくらい困っているかなどの点で判断し、必要な部分に絞って整備しているのではないか」と分析。その上で「職員向けの研修会でバリアフリーの推進を呼びかけるほか、国の交付金を活用できるように制度の仕組みを丁寧に説明したい」(財務課施設財産室)とした。

 バリアフリー法は20年度に改正され、一定規模以上の新築などを行う場合にバリアフリー基準への適合義務の対象となる「特別特定建築物」に、新たに公立小中学校が位置付けられた。改正法の付帯決議には、既存の学校施設であっても数値目標を示し、バリアフリー化を積極的に進めることが盛り込まれた。

 全国では、74.3%に当たる2万325校だった。前回22年度時点の調査より3.9ポイント増えた。

 他の設備の整備率は、校門から校舎までの段差を解消するスロープが84.7%(前回比2.5ポイント増)、校舎玄関から教室までのスロープは65.2%(同4.1ポイント増)。エレベーター(1階のみの学校を整備済みとして含む)は31.2%(同2.2ポイント増)だった。

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