ベッカムやパッキャオが広告塔だったのに…ユーザーたちの50億円を”ゴミ通貨”に変えた悪質FX業者「怪しすぎる実態」
関係者が口にする「A氏」
そもそもGEMFOREXは海外法人が運営するFX取引所ということになっていた。代表者として登録されていたのも外国籍の人物だ。しかし、ある業界関係者は首をかしげる。 「確かに、登記上は海外法人がGEMFOREXを運営していましたが、実質的な経営者は日本人のA氏という認識でした。おそらく出金遅延トラブル発生時も裏で指揮を取っていたのはA氏ではないでしょうか」 GEMFOREXとA氏の関係をつぶさに調査してきた被害者のひとり、三上隆宏さん(仮名・52)が補足する。 「私もA氏と面識のある業界関係者に話を聞いていますが、やはりGEMFOREXの運営会社トップはA氏という認識だったそうです。実際、GEMFOREXの運営会社の代表だった外国人B氏は、かつてA氏が代表を務める別会社で部下として働いていました。そうした関係性を示す当時の写真も確認しています。 そもそもGEMFOREXを立ち上げたのは、2010年にFX自動売買ソフトの無料提供サービスを始めたPという会社。このP社のサイトには酷似した社名が記載された資料が掲載されており、A氏の名前が代表取締役として明記されていました」 P社が設立されてまもなくの頃、A氏と一緒に仕事をしたことがある別の業界関係者も認識は同様だ。 「当時A氏はP社の代表を名乗っていた。『会社を始めたばかりで名刺はない』とのことでしたが、その後A氏が送ってきたセミナーの案内資料には名前と共に『代表』の文字が記載されていました」
資金はいつ戻ってくるのか
さらに三上さんの調査によれば、A氏は2020年1月、GEMFOREXの運営元とほぼ同じ名前の法人を香港で設立。しかし、2023年11月下旬に登録抹消の届出を提出している(会社は2024年4月に解散)。 「A氏はGEMFOREXの出金遅延が明るみになった後にSNSのアカウントも削除しています。それにGalaxy DAOへの問い合わせメッセージにA氏の名前が含まれていると送れない仕様になっている。被害者の大半は、A氏がGEMFOREXと深い関わりがあったのではないかと考えています」(三上さん) 業界関係者や被害者のあいだでGEMFOREXの中心人物として名前が挙がっていることについて、A氏の代理人に質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。 GEMFOREXのユーザーだった被害者たちは、現在も多額の資金を出金できずに苦しんでいる。泣き寝入りするまいと彼らは各地の警察署で被害届を出しているというが、いまなお事件化には至っていない。 果たして被害者にお金が戻る日は訪れるのか。
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