初心者がコードを書く前に知っておくべきファイル構成の基本と実践例
コードを書き始める前に適切なファイル構成を理解しておくと、後からの手戻りが減り、作業効率やチームでの共同開発が格段に改善します。
この記事では、初心者向けに「なぜファイル構成が重要か」「代表的なディレクトリ構造と役割」「言語別の慣習」「ベストプラクティス」をわかりやすく解説します。ぜひ参考に、あなたのプロジェクトで最適な構成を実装してください。
ファイル構成が重要な理由
プログラムが成長すると、ソースコードや画像、設定ファイルが混在して探しにくくなります。適切にフォルダを分けることで、以下のメリットがあります。
- 可読性が向上し、コードの意図をすばやく把握できる
- 変更箇所の特定が速くなり、バグ修正や機能追加がスムーズに進む
- 複数人で作業する際の衝突や誤解が減り、共同開発が円滑に進む
基本的なディレクトリ構成例
多くのプロジェクトで共通して使われる基本構造を以下に示します。
ディレクトリ名 | 主な役割 |
---|---|
src/ | アプリケーション本体のソースコード |
assets/ | 画像・スタイルシート・フォントなどの静的リソース |
config/ | 環境設定ファイル(例:データベース接続設定) |
tests/ | テストコード一式 |
docs/ | マニュアルや仕様書などのドキュメント |
scripts/ | ビルド・デプロイ用スクリプトなど |
各ディレクトリの詳細な役割
src/
:ソースの中心
実際に動作するプログラムコードを配置します。機能ごとにサブフォルダを切り、components/
やservices/
、utils/
といった区分で整理すると可読性が向上します。
assets/
:静的リソース管理
画像ファイル(.png
、.jpg
)、スタイルシート(.css
)、フォント(.ttf
)など、アプリケーションに組み込むファイルをまとめます。
config/
:環境ごとの設定
開発環境や本番環境で異なる設定値を管理します。development.json
やproduction.json
といったファイル名にしておくと便利です。
tests/
:テストコード
ユニットテストや統合テストを配置します。Pythonではtests/
、JavaScript系ではフレームワーク(例:Jest)により__tests__/
という命名規則が用いられることがある点に注意してください。
docs/
:ドキュメント
プロジェクト概要やAPI仕様書、設計書などをまとめます。README.mdをルートに置くほか、詳細な文書はdocs/
にまとめると見返しやすいです。
scripts/
:運用スクリプト
ビルドやデプロイ、自動生成処理を行うスクリプトをまとめます。定期実行バッチやCI/CD用の構成もここに置くと運用が楽になります。
言語別の慣習
JavaScript/Node.js
ルートにpackage.json
を置き、src/index.js
をエントリーポイントとして配置するのが一般的です。WebpackやBabelを使う場合はwebpack.config.js
をルートに置きます。
Python
従来はルートにパッケージディレクトリ(例:myproject/
)を置くことが多いですが、最近ではPyPAでも推奨される「src/
レイアウト」を採用するケースが増えています。
例:src/myproject/
でコードを管理し、tests/
と依存管理ファイル(requirements.txt
やpyproject.toml
)を併用します。
Java
MavenやGradleを使う場合は以下の階層を踏襲します。標準的な構成に従うことでツール連携がスムーズになります。
src/main/java/
:アプリケーション本体src/main/resources/
:プロパティファイルなどのリソースsrc/test/java/
:テストコード
ベストプラクティス
- 一貫した命名規則:ディレクトリやファイル名は小文字とハイフン、もしくはキャメルケースで統一する
- 機能ごとの分割:関連性の高いコードを同じフォルダにまとめ、責務を明確にする
- 設定ファイルの分離:環境変数や機密情報はコードから切り離し、
config/
フォルダや環境変数で管理する - READMEとドキュメント:ルートに
README.md
を置き、プロジェクト概要や起動手順を明記する - バージョン管理:
.gitignore
を用意し、以下のような代表的な無視対象を設定するnode_modules/
__pycache__/
.env
や*.local
- ビルド成果物やIDE固有ファイル(例:
.DS_Store
)
まとめ
初心者が押さえるべきファイル構成のポイントは、「目的ごとにフォルダを分ける」「言語やフレームワークの慣例に従う」「設定やドキュメントは別管理にする」の三点です。
最初にしっかり設計しておくことで、後からの修正や共同開発が劇的に楽になります。ぜひこの記事を参考に、あなたのプロジェクトで最適なディレクトリ構造を構築してください。