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作:回忌
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それは、ある種の燃えカスで────


ホシノの居場所が分かった

先生独自の調査網で、調べることが出来たらしい

それにしては、何か苦虫を噛み潰したような顔をしていたが……

 

しかしそれについて聞くのも野暮であるし、ホシノの居場所がわかったのだ

情報源を聞く前にホシノを助け出しに行かなくてはならない

 

「ふむ、貴公らはそのホシノとやらを助けに行くという事だな?」

「あったりまえよ!勝手に退校しようとした借りは返して貰うわ!」

 

一眠りから目覚めたジークマイヤーが確認を取ると、怒号を上げながらセリカは答えた

因みについでにカイザーを"やっつける"という狙いもある

カイザーが攫いやがったのだ、その分の仕返しも受けてもらおう

 

「ガッハッハッ!その意気や良し!……では私も協力するとしようか」

「……もしかして、あの旅人さんと同じで不死人だったり…?」

 

豪快に笑った彼はよっこらせと立ち上がるとそう言った

それを聞いたアヤネは恐る恐る彼に質問する

あの旅人と同じように、不死人なのかと

 

「む?そうだが?何か問題でもあるのか?」

「俺も不死となってロードランを旅していた……まさかこの世界では不死が居ないというのか?」

「…えぇ、まぁ…どっちかと言うと禁忌というか……」

 

ジークマイヤーは当たり前のようにそう言った

逆に聞かれた本人が驚いているレベルである

ソラールも自身は不死だと明かし…そこで何かそれに対して問題があるのか察した

 

 

そこで初めてこの2人はキヴォトスが殺人が禁忌である場所、そして化学が発展し魔法など無い世界であることを知るのであった

そして、子供たちはヘイローの加護により生半可な攻撃では血すら出ないという事実に、更に驚愕する

 

この時2人はぶったまげた、無理も無い話だろう

自分たちが当たり前のように戦っていた亡者はおろか、飛龍モドキでさえ居ないのだ

それどころか剣で戦うのが古臭いと呼ばれる始末である

 

「そんな世界に来ていてたとは……このジークマイヤー、不覚だ…」

「仕方ないだろうジークマイヤー、何せ俺たちがここに来た経緯もよく分からないんだ

ㅤ…あちらに戻れるかさておき、こちらには慣れておかないとな」

 

はぁーっと簡単か、それとも落胆とも思えるため息をついた彼らはそう呟いた

当たり前のように亡者や敵を殺していたロードランとは違うのだと、思わなければ

 

「……よし、貴公にこれを渡しておこう」

 

少し頭を抱えていたソラールは数秒して顔を上げて、1つの小物を手渡していきた

先生はそれを受け取り、何なのか確認する

 

それは布が巻かれた白いろう石であった

何かを書く為のものなのか尖端が尖っており、また少し欠けている

 

「"これは?"」

「サインろう石だ、次元を越えて霊体を呼び出し協力する…まぁ、一種の対策というか…

ㅤ貴公らの世界、殺しが禁忌ということは恐らく血すらもあまり見たことがないのだろう?」

「ん、あまり見たことは無い」

「コイツを使って俺たちを呼べば、ドバッと血が出る事が無い、霊体だからな

ㅤ……後生身の人間が突っ込んでいくという、貴公らからすれば心臓に悪いことをしなくて済むだろう?」

 

それに対して一同はうんうんと頷いた

例えれば、あの旅人がセリカにぶっ飛ばされた時の事を敵側にやられるということだ

 

心に良くないなんてもんじゃない、寿命が数年縮まってしまう

 

「因みに、俺のサインは黄金色だからよく目立つと思うぞ!ワッハッハ!」

 

彼は誇らしげに、そう言った

何故サインが黄金になるという疑問はともかく…準備は整ったのである

 

後はホシノを助けに行くだけ、それだけである

 

 

「うぉおおおお!!!撃て!撃て!撃てェッ!」

「早く足止めしろ!」

 

数多の弾丸が交差する

撃っている本人達は必死の形相で引き金を引いていた

嵐のような弾丸が目標に飛んでいく

 

しかし、その目標は全く痛みを感じていないようであった

 

彼は低い唸り声を上げながらハルバードを振り回した

近くにいた哀れなオートマタ達がその回転攻撃に巻き込まれて吹き飛ばされる

そこから彼はハルバードの届かない範囲に居るオートマタに対して太陽の光の槍を投げる

 

それはオートマタを貫通し物言わぬ鉄塊に変える

 

「ば、化け物か…!?」

「相手はヘイローの無い人間だぞ!さっさと終わらせろ!」

 

オートマタ達はその戦闘能力に驚愕する

ヘイローの無い人間とは思えないほどの耐久力を持ち、尚且つ怯まない

 

彼は持っている武器を変更した

腰に差していた直剣を引き抜き、そのまま敵に向かって突っ込む

ローリングからの切り上げそこから目の前にいる相手に対して突き刺しを行う

 

「この…!」

 

オートマタが近接攻撃を行おうとする

しかし彼は素早く避け、銃床を奮った隙を見て背中に直剣を突き刺す

バックスタブを取った彼はすぐさま周りを見渡す

 

 

 

 

 

 

 

「喰らえ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

見渡した瞬間にあったのは、ロケットランチャーの弾頭

敵陣に突っ込んで切込みをしていた時にロケラン部隊が構えていたようである

すぐさま盾を構えようとするが持つ前に敵の放った弾の方が早い

 

 

凄まじい爆発が彼を包んだ

 

 

「………やったか?」

 

包囲した上での四方八方からのロケットランチャーの一撃

決して怯まない相手であっても、これほどの一撃を加えれば倒れるだろうと思った

殺してはならない相手だったが殺らなければこちらがやられていたのだ

 

ふぅ、と小さなため息をついた瞬間だった

 

 

 

ガァインッ!と何かを引き抜く音がした

それを聞いた瞬間オートマタ達が銃口やロケットランチャーを向けた

ロケットランチャーが放たれた場所、今や煙を吹き上げるそこの奥に………僅かに"火"が漏れる

 

 

やがて、それはゆらりと姿を現した

 

 

 

身にまとっていた繊細な模様のあった鎧は焼け爛れ、肋骨が浮いているように見える

それはもはや鎧を着た騎士、というより異形の化け物と言った方が良かった

 

体のあちこちから火のようなものが舞い、彼を焼いている

 

 

 

その兜には、まるで炎の冠のようなものまであった

 

 

 

 

「て、撤退─────」

 

 

どのオートマタがそれを言ったのか

しかし、それを実行する事も出来ずに…燃え盛る螺旋のような剣に貫かれていった

 

 

 

「……」

 

 

1人の戦士が瞳を持って祈っている

ただの瞳では無い、ひび割れた赤いオーブのような瞳である

名前もまた、そのままであり"ひび割れた赤い瞳のオーブ"である

 

これはある種の不死人が好み、そしておおよそ好まれないものである

 

 

なぜなら、これは他人の世界に侵入し人間性を奪う目的の為に扱われるからである

他人からこれを奪うことこそが、最も亡者らしい…そうだろう?

 

しかし、今回の使い方は違う

 

 

 

 

 

私は、あそこに戻る為にこれを使う

 

侵入用として使ったことはあまり無い

 

 

 

…それに、最近は侵入も少ないものだからこそ…使う

 

他の世界に侵入する力ならば、キヴォトスという"世界"に入り込むことも出来るはず

そこで解決策を見つけられれば…私はようやく元の世界に戻ることが出来る

 

 

 

 

数分の祈りの末──────私は、ようやくそこを見つけたのであった

旅人の旅路!〜キヴォトス編〜

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